第4話:本屋
「和也ぁ〜!」
「……」
「和也ぁ…」
「……」
「和也!」
「…え?何?」
「もう!呼んでも返事してくれないんだもん!」
「あぁ…ごめん…読みいってた!」
「へぇ〜それが野球の本?どう?ねぇ、なにか参考になりそうなものかいてあった?」
「ん?あぁ!かいてあった!完璧!まさにこれだよ!俺が求めていた本は!」
「そう?よかったね!」
「おう!じゃあ買ってくるわ!まっててくれ!」
「うん。」
俺はレジに向かった。
ちょうど人が全然いないときだったらしく店員がひまそうにしている。
パタン
「あの、これください」
店員は俺が置いた本をてにとり、バーコードを読み取った。
ピッ!
「1980円です」
カサカサ…チャリンチャリン!
「はい。1980円ちょうどお預かり致します。レシートはどうされますか?」
「あ、いいです」
そしておれが商品をてにとると、店員が
「あ!ただいま[世界の本を読もう!読みまくろう!]キャンペーン中ですので、1000円以上のお買い上げのお客様は、この箱のなかからクジをひいて頂きまして、当たりが出ればこちらの賞品をお持ち帰りしていただきます。どうぞおためしください。」
俺は賞品の書いてある紙を見た。
なになに…三等、かわいいクマさんのぬいぐるみ。
二等、5000円分の図書カード。
一等、豪華世界旅行小説読み回りツアーペア招待券…なんか一等だけずばぬけて豪華じゃない?気のせい?
「ねぇ〜和也ぁ〜まだぁ?」
俺が賞品に圧倒されていると、香織がやってきた。
「ん?あぁ、なんかキャンペーン中みたいで、クジをひいて賞品をゲット!みたいなことしてるらしいんだよ」
「へぇ〜!それで、当たったの?ハズレたの?」
「まだやってない」
「なんで?はやくしようよ!もしかしたら当たるかもだよ!」
「あぁ、じゃあ早速」
俺は箱の中に手を突っ込んだ…そして中にあった玉を取り出した。