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野球バカ  作者: リリィ
2/14

第1話:本を買いに行こう!

頑張ってコメコメしました(笑)

ピピピピッ!…ピピピピッ!…ピピピピッ!…カチッ……

「……ふぉあ〜…朝…か?……」

カーテンを開けると、溢れんばかりの太陽光が降り注ぐ。今日は晴れだ!んでもって、日曜日!残念ながら今日は部活が無い。

…テンテンテテンテンテンテテンテン〜♪テンテンテテンテンテンテテンテン〜♪

突然ケータイが鳴る…この曲は…階段をブリッジして降りてくるホラーの…てことは…あいつかぁ!

「…はい〜もすもす?」

『ぷっ…朝からなに言ってんの?』

電話から聞こえる女声…電話の先の声の主は…

「何用?」

『何用とはなによ?何用とは?この香織ちゃんが和也に電話しただけでしょ?…もしかして寝起き?』

そう、香織。吉岡香織。小学生のときに引っ越してきて、親どうしが意気投合!昔はよく遊んだもんだ…高校入ってからは、俺が部活を始めたから、登校するときぐらいしか会わなかった。

「…あぁ…昨日投げ込んでて疲れてたから…でもまだ8時だぞ?」

『いいじゃない!時間なんて〜!それより今日私本買いに行くんだけど…』

「嫌だ。」

『ま…まだ何にも言ってないぃ〜!話くらい最後まで聞いてよ!』

「付いてこいってだろ?めんどくさい。」

『なっ…まだそこまで言ってないでしょ!?ちゃんと聞いてよぉ!』

「…じゃあ何?」

『今日本買いに行くんだけど、和也も…あの…野球の本とか買いに行く用ないかな〜って…変化球とかの本をさ!たしかピッチャーだったよね?』

「ん?あぁ…確にピッチャーですが、何?買ってきてくれるの?」

『もう!行くの!本買いに!和也は私と本買いに行くの〜!』

「…分かったよ!!行きますよ!行かせてください!」

『分かればよろしい!じゃあ10時に駅でね!』

「何処の駅?」

『西町の!東出入口のとこで!』

西町駅なのに東出入口ってどうよ?西側でいいじゃん!

「あいあい。分かったよ。切るぞ?」

『うん!ばいば〜い!』

ピッ…

あぁ…めんどくさいことになった…別に断ってもよかったけど、断ると香織のやつ、泣くからな…まぁ野球の本でも買ってキレを磨く方法でも調べるか!…確か待ち合わせは10時…そして今は…8時37分。駅まで歩いて20〜30分だからあと1時間くらい残っている。

「……とりあえず…歯…磨こ…」

適当に服をはおると、部屋を出た。今日は2月12日。まさに冬真っ最中!そして当然のごとく寒い。部屋を出た俺は冬の寒さに凍えながらも洗面所へと向かった。

「あ!もう和くん起きたの〜!なぁに?どっか行くの?寒いわよ?今日は寒いわよ〜?」

突然目の前に現れた女性…この人は…

「野球の本買いに行くんだよ!」

「あらら?一人?ママも着いてっていい?今日暇なのよ〜!」

この人は早川和美。俺の母さん。なんと俺を産んだのが、17歳だそうだ!それを聞いたときは、正直マジでびっくりした。高校の息子がいるのに、34歳という若さだ。でも、歳よりも全然若く見える。当然のごとく他の保護者に比べて若い。……でも…なんか嫌だ。

「…いや…香織が来るから一人じゃないな…」

「じゃあママも着いていく!和くんが香織ちゃんになにされるか分からないから!」

「なんにもないって!それより今日は休んだら?」

「ママを心配してくれるの?優しい!でも心配ご無用!ママ若いから!まだまだ元気よ!だから心配することないない!」

「ないない!じゃない!親父のところにでも行ってこいって!」

「あぁ……和くん…ママをいじめるのね?あぁ…ママ〜ママ〜って甘えてきてくれてた和くんがもうこんなに大きくなって…ママはもう…うぅっ…」

「泣き真似禁止!それより早く歯磨きさせてくれよ!」

「てへっ!ばれちゃった?あぁ…ママの泣き真似大作戦in洗面所パート6がぁ……」

「………パート6って…いったいいくつあるの?それ…」

「ひ・み・ちゅ〜!」

あぁ…ウザい…なんでこんなにウザいんだろう?

とりあえず無視という方向で、歯を磨こう!

ジャー…シャコシャコシャコシャコ…じー…シャコシャコシャコシャコ…じー…………

「……ねぇ…なんでまだいんの?しかも見すぎ!凝視すんな!」

「てへっ!」

「てへっ!じゃない!親父のとこにでもいってこいって!気になって磨けない!!」

「おやおや和くんったら〜!照れちゃって……もしかしてママにほの字ですか?…でも親子よ!そんなことは…でも和くんのためなら!」

「あー!!もういいから早くどっか行け!!」

「はいは〜い!ママはパパのところに行って参りますです!」

今度こそと思い歯磨きを続けた。そして歯磨きが終わり、顔を洗い終えて、朝御飯でもと思っていると…

「はぁ〜い!ママ特製スペシャルオムレツかんせ〜い!さぁ和くん!ママの愛を食べて!そして胃袋を満たして!」

そう叫びながら、エプロン姿の母さんが現れた…親父のところに行ったんじゃなかったのかよ…

「食べるから向こうにおいといてよ…」

「はいは〜い!おかわりほしくなったらいって!ママがすぐに作るから!卵はあと5個しかないけど…ママの愛は尽きないからね〜!!」

「いや…おかわりって…無理でしょ?このサイズ全部食べるの無理でしょ?何個使ったの卵!?」

そこには通常のオムレツの5倍はあるオムレツがあった…しかもその焼き卵の固まりを持って屈託のない笑顔を浮かべる母さん…なんだこれ?意味が分からん

「悪いけど、たぶん俺、残すよ?」

「いいの!ママの愛を受け止めてくれたらいいの!残りなんてパパや和菜ちゃんが食べてくれるから!」

…あぁ…むちゃくちゃだ!絶対何十個も使ってる!

「…とりあえず食べるから置いてよ。」

タタタタタッ!

「あ!お兄ちゃんとママおっはよぅ!!」

俺と母さんに元気に挨拶をしてきた少女…名前は和菜。まぁ聞いてのとおり俺がお兄ちゃんということは、和菜は俺の妹である。

「は〜い!和菜ちゃんおっはよぅ!おっはーよ!おっはー!さぁみんなで一緒に!おっ…」

「古い!」

「うわ〜ん!和菜ちゃんまでママをいじめるのね〜!もう怒った!マヨネーズ飲んでやる!マヨチュッチュよ!えいっ!えいっ!」

「…どうしようお兄ちゃん…ママが壊れた!」

「……大丈夫。そのうち治るから…」

「ほうほう!ひにひなふてもいいほ!(そうそう!気にしなくてもいいの!)」

マヨネーズを吸いながらしゃべりだした母さん…もう、口からどっばどばマヨネーズが流れ出てくる…かなり汚い…

「わー!ママ汚〜い!拭いて!早く拭いて!」

「ぶ〜〜〜〜!!」

いきなりマヨネーズを吹き出す母さん…ちょっとショック…

「ちょっ!汚い!ママ汚い!ちょ…すごいことなってる!私すごいことなってるってー!!」

吹き出したマヨネーズは全て和菜に直撃!ご愁傷さまです。

「だって和菜ちゃんが、吹けっていうから吹いたのにぃ〜!」

「違う!私は拭いてっていったの!」

「ほら!吹いてっていったじゃな〜い!」

「……もういいわ…ママ…もう吹かないでね?」

「はぁ〜い!もう吹きませ〜ん!誓いまぁ〜す!ママ、神様に誓いまぁ〜す!」

二人が、そんな馬鹿なことをしている間に特製オムレツの5分の1を食べ終えた俺は、やっと気付いた…

「え!?もう9時50分ッスか?時間たつの早くね?えらい早くね?やべぇ!早く行かないと!」

気付けば9時50分!確実に間に合わない!しかもまだ着替えてすらない!とりあえず急いで部屋に行き、着替をする。

「だぁ〜…間に合わね〜…どうしよう?このままドタキャン?いや、それは可哀想だ…どうすれば〜?」

「へっへっへ!和くん!こういうときこそママにまっかせなさい!」

なんだその笑いかたは!?しかもまだマヨネーズだらけのまま自信満々で言っている母さん…まるで説得力がない!

「…何か方法でもあんの?」

「ある!あるわよ!ママのスーパードラテクで駅まで送っちゃうわよ〜!」

確に車で行くのはいい考えだと思う。

…でも母さん免許もってたっけ?

「それはいいけど…母さん免許持ってるの?」

「バリバリ持ってます!最近採ったのよ!すごい?ママすごい?」

最近採ったか…ますます不安になってきた…でもそれしか方法はない!俺は遅刻は嫌いだ!

「頼むよ母さん!西町駅まで送ってくれ!」

「オッケーよ!さぁ早く車へ!ママの愛車へ!」

「わ、わかった!」

ガチャ…バタン!ブルン!ブルン!ブブブブブ…

「よ〜し!西町駅へしゅっぱ〜つ!」

ガガガガガ!…

「あの…母さん?壁に擦ってますけど!当たってますけど!」

「まって和くん!話しかけないで!免許採ってから人乗せるの初めてなの!ママ集中しないと!運転に集中しないと!」

…そうですか…人乗せるの初めてですか…スーパードラテクは何処へいったの?誰か教えてー!!

「そうよ!クラッチ踏んでギアチェンジよ!ママったら馬鹿ね〜!」

「ちょ…母さん!これATだよね!そんなにギアチェンジしないよね?!まずクラッチ無いでしょ?ブレーキとアクセルしかないでしょ?ブレーキ踏みながらかえて、それ以降は全然かえなくていいよね!?」

そこにはカチャカチャといろんなものを動かし回る母さんがいた…あぁ…俺今日で死ぬのかな?

酷いよ神様!やっと球が速くなってきたってのに!!

「もうわかんな〜い!和くん教えて〜!」

はぁ?免許を持っている人が免許を持っていない息子に運転の仕方を聞くんですか?前代未聞だよ!しかもさっきまで動いてたろ?いったい何をした!

「いったんもとに戻してから、サイドブレーキを解除して…ブレーキ踏みながら、ギアチェンジ?をして…アクセル踏んで運転開始?」

「はぁ〜い!わかりました〜!」

これで成功したらどうなの?俺免許ゲットですか?

「あ!動いた!動いた!和くんすご〜い!さぁ!これからがママの腕の見せどころよ!」


最後まで読んで下さってありがとうございます!

面白かった!楽しかった!って、思っていただけた…かなぁ……思って下さった方は、是非!感想など、下さると嬉しいです。

なんか図々しくてすみません…

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