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エリカ
エリカを買いました
白から移り変わる淡いピンクが
電飾のように綺麗だったので
エリカを買いました
つぶつぶの小さな花です
ひとつひとつなら
見落としてしまうかも知れません
星屑を掻き集めたような儚い花です
でも 冬に咲く我慢強い花なのです
売れ残りの彼らが まるで
捨てられた子猫のようで
余計に可愛らしかったのです
店の片隅で凍えていたのを見つけたのです
私を呼んでいるのが聞こえたのです
今は膝ほどの高さもないけれど
いつか私と背比べをする日が来るでしょう
今から想像してしまいます
冷たい陽光の中で満面に微笑む君を
以前、某誌に掲載された作品です。




