バカツンデレと俺様系イケメンヒナタ②
街を二人で歩く。
こんなの慣れたもんだ。今までだってずっと二人で歩いてきた。
……はず、なんだけどな。
なんかひーちゃんの様子がおかしい。まぁいつもおかしくはあるんだけど。
いつもは俺様のことをたくさんバカにしてくるが、今日は一言もしゃべらないのだ。
やれやれ、俺様に照れてやがんのか?
困ったやつだぜ。
「おいひーちゃん」
「ひゃいっ!」
ひーちゃんがビクッと少し飛び上がる。
俺様はひーちゃんの腕を掴んだ。
「今日行くのはこっちじゃねぇ、あっちだ」
「で、でも帰り道は……」
「あっちっつってんだろ」
「は、はい……」
よしよし、良い感じだな。
ここで俺様のデート中の決め台詞を決めて落とす!!
「はぐれんなよ」
「まだ人混みじゃないよ……」
しまった。語録だけが先行してしまった。
クソ……これはカッコ悪い。俺様キャラが崩れてしまう。何か言い訳しないと……
しかし、なんて弁明すれば……
「何やってんだよお前」
この声は……
「グレン先輩!」
後ろを振り向くと、そこに居たのはグレン先輩。
そして……
「やれやれ、僕の得意分野じゃないんですが……」
「大学を飛び級して就職まで飛び級し、何故か高校に入った天才異端児!イケメン四天王クール系担当ユキノ先輩!」
「ボクたちがアドバイスしてあげるよ~」
「可愛すぎて法律の悪いところを全部免除された唯一の日本人!イケメン四天王可愛い系担当ウミネコ先輩!!」
「朕らの助けが必要かな?」
「フェルール王国第三皇子!イケメン四天王王子様系担当サイオンジ先輩!」
「どうしてこんなところにイケメン四天王が……!」
「全員見たことない……」
ひーちゃんは突如現れたイケメン四天王に困惑している。
まぁ無理もない。こんなイケメンが俺様含め五人も居るんだから。
「やれやれ。グレンが新しい”イケメン”の波動を感じると言っていたのでね……まっ、34点……及第点と言ったところでしょうか」
クッ……イケメン四天王からしたら僕は赤点ギリギリか。
ユキノが眼鏡のフレームを押す。
「僕のメガネは相手の顔面偏差値を即座に算出することができる」
「ルッキズムの頂点みたいな眼鏡ヤダ……」
ひーちゃんが嫌そうな顔をする。
「君の顔面偏差値は……なにぃ!?96!?」
ユキノ先輩のメガネがぶっ壊れる。
「ボクを越える逸材なんて久しぶりかも……」
「朕の国に欲しい」
三人は、俺様の前に跪く……かとと思ったらひーちゃんの方を向いた。
「「「結婚しよう」」」
「……え?私?」
ひーちゃんはぽかんと口を広げる。
「96の逸材!ぜひ嫁に欲しい!」
「ボクより可愛いんだ、責任取ってよね!」
「金を積もう」
三者三様でひーちゃんに言い寄る。
「えっと……私は……」
ひーちゃんが後ずさった。
「「「誰にするんだ!!!」」」
三人が距離を詰めようとしたとき。
僕はひーちゃんを庇うように立つ。
「やめてください!ひーちゃんは僕の……」
今だ。
今、言え。
言え。
言うんだ!!!!!
「僕の…………」
「僕の、幼馴染です!!!」
空気が固まる。
「……意気地なしばか」
後ろから落胆した声が聞こえた。
「はい。じゃあ行くよばか」
ひーちゃんが僕の手を引っ張る。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!朕たちの話はまだ……」
「私たち、これからデートだから」
「邪魔しないで」
ひーちゃんが聞いたことないくらい冷たい声を出す。
「あんたからデートに誘ったんだからね?」
ひーちゃんが僕の手を少し強く握る。
「ちゃんとリードしなさい。ばか」
そして僕の顔を見て、少し笑った。
「任せてくれ。僕の完璧なデートプランを見せてやる」
僕たちは歩きだす。
「あとあの俺様キャラキモイからやめてね。今時モテないよ、俺様系は」
「……普段が一番かっこいいよ」
そして、デートをした。
買い食いしたり、謎の宝石店に入ってみたり、地元民は絶対に買わないお土産見たり。
「ねぇ、これさ……」
「まぁそうだね……」
「デート感がない!!」
ひーちゃんの家の前。
ひーちゃんが叫ぶ。
「なんか商店街で遊んで終わりだったじゃん!帰り道の寄り道感覚!」
「これ以上が思い浮かばなくて……」
「はぁぁぁぁ不甲斐ない計画性皆無羊頭狗肉竜頭蛇尾……」
なんで罵倒にちょっと語彙力が……
「明日」
ひーちゃんが僕を指さす。
「明日、デートね」
え?
デート?
え??
「えっと……集合場所は……」
「駅!じゃあね!」
ひーちゃんは勢いよく家に入る。
そっか、明日土曜日か……。
で、デート……?
誘われた?僕が?
「マジか……」
やばい。思考が回らない。
えーっと……
何時集合だ?
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