バカツンデレと朝食
ピンポーン
朝食を作ろうとしたとき、家のベルが鳴った。
一体なんだ?こんな朝に宅配とかは来ないはずだし……
僕は玄関まで向かい、ドアののぞき穴を覗く。
ガチャ
「何かあったの?ひーちゃん」
ひーちゃんはパジャマのような格好をしていて、マイバックをもって僕の家の前でもじもじしている。
「あ、あんたが毎日会いたいって、言ったんじゃん……」
あっ、そうだった。
これから毎朝来てくれるのかな?パジャマで。
パジャマ夏なのにふわっふわだな……可愛い。
「にーに、お腹すい……あ゛!!チビ!!」
全裸のナツがリビングから出てくる。
「誰がチビよ!!」
ひーちゃんが怒った。
ナツは玄関まで来て、ひーちゃんのことをまじまじ見る。
「ぎゃあああ!!パジャマ!パジャマって!あざとい!ずるいずるい!きもいきもいい!!!」
そして発狂した。
「ナツ、流石に近所迷惑だぞ」
「にーには黙ってて!あのあざと女は私がボコすから!」
ナツが袖をめくる。
「は、はぁ!?別にあざとくないし!可愛いって思われたいなんて思ってないしー!」
ひーちゃんがナツを睨みつける。
「むむむむむむ」
「ぐぬぬぬぬぬ」
「二人とも落ち着けって……で、ひーちゃん。僕今ご飯作ろうと思ってたんだけど、一緒に食べる?」
僕がひーちゃんに聞く。
「あっ、えっと……朝ご飯作りたくて……」
あぁ、だからマイバック。中に食材が入ってるんだな。
「はぁ!?何それ!ナツを一人ぼっちにして餓死させようって作戦!?にーに、こんな女やめてナツと結婚しよーよ!」
ナツが僕のことを家の中に押しやるように押す。
「何言ってるの?ナツちゃんの分もあるわよ。当然じゃない」
「ぐぬぬぬぬ……」
ナツがひーちゃんに威嚇する。
「まぁいいじゃんナツ。ごちそうになろうよ」
「やだぁ!!どうせあいつメシマズだよ。性格悪い女なんてメシマズしかいないんだから」
「さぁ、それはどうでしょー」
ひーちゃんがにやにや笑う。
「ナツ」
「まぁにーにが言うなら……服着てくる」
ナツが家の奥に帰っていく。
「そういえば、ナツちゃんはどうして裸だったの?」
「なんか朝起こすときいつも裸になってるんだよね」
どたどたどた
ナツがやってきた。
体のラインが出るパツパツの服を着て。
ナツはどや顔でひーちゃんを見る。
「どやぁ……」
あ、声に出すんだ。
「むむむ……」
ひーちゃんは悔しそうに頬を膨らませる。
「い、いいもん。上がるわね」
ひーちゃんが家に上がる。
「そういえば、あんまり変わってないわね」
「まぁそこまでレイアウトとかにこだわりがあるわけじゃないからね」
昔ひーちゃんが何回か家に来たことあったけど、多分そのままだろうな。
そして、リビングへ向かう。
「お米はあるわよね?今日は日本人らしく鮭とか卵焼きとかみそ汁とか作ってあげるわ」
ひーちゃんは袖をまくりエプロンを付ける。真面目だな。僕エプロンなんてつけたことないぞ。
ひーちゃんがご飯を作りに来てくれた。これは嬉しい。しかし……
「作るわよー」
ひーちゃんはバカ舌だ。
味付けがめちゃくちゃ濃い可能性がある。
僕は喜んで食べるが、ナツが苦言を呈してひーちゃんが傷つくかもしれない。
ひーちゃんは手際よく料理を作っていく。
「にーに!ナツも料理できるからね!?チビだけじゃないから!ナツだってできるから!」
「ナツはできないだろ……包丁とピーラーにビビって使い物にならなかったじゃん」
「いや、あれは刃物の方が悪くて……」
ナツが言いよどむ。
「え~。ナツちゃん料理できないの~!?包丁怖くて可愛いでちゅねー♡ざーこ♡」
「はあああ!?黙っときなさいよ料理しかできない女がァ!!」
なんでこの二人こんな仲悪いの……。
仲良くしてよぉ……。
十数分後
「おー。普通に美味そう」
「見た目は……良いんじゃないの?」
食卓に並んだのは、おいしそうなザ・日本人の朝食っていう感じの数々。
「漬物だけは市販のやつだけどね。なかなかいいでしょ」
ひーちゃんがどや顔で僕たちを見る。
「さっ、食べましょ。召し上がれ」
「いただきます」
「……いただきまーす」
僕はまずみそ汁を呑む。
……お?
「普通においしい……」
「ふっふっふー」
ひーちゃんが腕を組み、自慢げな顔でうなずく。
他の料理も食べる。
美味しい!味がめっちゃ濃かったりしない!
一体どうして……
僕はひーちゃんを見た。
自身の料理すべてに塩をかけているひーちゃんを。
あっ……。
僕たちのために味付けを合わせてくれた嬉しさと、やっぱり舌バカなんだなっていう悲しさが同時に僕を襲う。
……まぁ、いっか。美味しいし。
今日から毎日朝はこのご飯が食べれるのか。
「なんか、良いな」
家族みたいで。
最後まで作品を読んで下さりありがとうございました!
面白かったらぜひブックマーク、高評価をよろしくお願いします!
次話もお楽しみに!




