バカツンデレと告白
「あはは!何この点数!ばっかじゃーん!!」
「何その服装!ダサいあんたにはこのやっすい服がお似合いよ!」
「ちょっとどこ見てんのよ!変態ざこざこキモ男!」
これが、僕の幼馴染の発言の一部。
「だから、勉強教えてあげるわよ。二人きりで……」
「ちゃんとすればかっこいいのに……」
「……えっち」
で、これが全貌。
まぁ、そうだな。
僕のこと、大好きだな。
登校時間。
僕には幼馴染がいる。
幼馴染のひーちゃん。ひーちゃん呼びを幼稚園のころから強要され、もう本名は覚えていない。
幼稚園のころからずっと付きまとわれ、付きまとわれ、付きまとわれ……周りからは”夫婦”と茶化される日々。まぁ本人は気付いてないんだけど。
そのくせして態度は……
「ねぇーなんで家の前で待ってくれないの!?そんな気遣いもできないから女の子の一人も寄ってこないのよ!ど、どーてー!」
「……私ぐらいよ、一緒に居てあげるのは」
これ、である。
はぁ……。
好きじゃん。僕のこと。
なんて言うか……隠す努力ぐらいはしようぜ?ツンツンキャラ演じてるわけだし。
マンガのキャラのツンデレがツン9のデレ1に対してこいつのツンデレは1:1。一回ツンしたら一回デレをしてくる。
「ねぇ聞いてるの!?いっつもぼーっとして、バッカみたい!」
「ほんと、何考えてるのよ……。変なの……」
少し赤らんだ顔で僕の横顔を眺めるひーちゃん。
いい加減じれったいな。
どうしようか、こいつの処遇……。
「ねぇ聞いてるの!?ねぇー!」
「……こっち見てよ。ばか」
よし、そうだ。
付き合おう。
僕は謎のステップで近くの壁にひーちゃんを追いやる。
「え?な、なによ……今日は……その……近い、わね……」
よし。ここならできるな。
ドンッ
僕は壁に右手をドンッってした。
「僕と付き合えよ」
瞬間、ひーちゃんは地面に崩れ落ちる。
「……あれ?」
脈をとる。
生きてる。
「おーい。おーい」
デコピンをした。
反応はない。
「……気絶してるな」
ひーちゃんが鼻血を垂らす。
脳にもダメージがありそうだな。
「ちょっと壁ドンしただけなのに……」
僕はひーちゃんを背負い、学校へ向かう。
「今日はあの夫婦何があったんだ?」
「朝から密着してるね~」
周囲がにやにやしながらひそひそと喋る。
うーん……あ、そうか。ひーちゃんはまだ僕と付き合う勇気がないんだな。
ならばゆっくり距離を詰めて、あっちが勇気を出して告白するまで待つとしよう。
どうせすぐに告ってくれるでしょ……僕のこと好きだし。
「……ハッ!?ここはどこ!?私は確か登校中で……記憶が……」
ひーちゃんが目を覚ました。
「おはようひーちゃん」
「!!?!??!?!?」
ひーちゃんがじたばた暴れ、その場を降りる。
「どうした?」
ひーちゃんは地面をのたうち回る。
なんだこの……打ち上げられた魚のような動きは。新手の求愛ダンスか?鳥とかがやるやつ。
「!??!!!??!??!?!」
ひーちゃんは顔を真っ赤にして何かを訴えるように動き続けた。
やはり求愛ダンスか……?いや、それにしてはあまりにも無様すぎる……なんだこれ。
あ、分かった。
「大丈夫、ひーちゃんの胸はあってないようなものだから」
おんぶするときに胸が当たってるのを気にしたんだろうな。そんなの妹で慣れてるし大してでかくもないんだから痛い痛い痛いなんで蹴るのなんで蹴るのなんで蹴るの。
「ばかぁ!!!」
ひーちゃんは珍しくデレることなく、学校の方へ走っていった。
「夫婦喧嘩だ……」
「痴話げんかよ……」
「破局か……?」
周囲がざわめく。
僕にも、理解ができなかった。
クククッ……俺は妄想痴漢おじさん二十三歳!登校中の女子高生を痴漢する妄想をして楽しむ法律が産んだ悪だ!こういう悪はインスタクラムを見ると眩しすぎて失明する!
いやぁー今日も痴漢し放題だぜ。どいつもこいつも触るだけで可愛い声を上げやがって。俺の妄想の中だからいくら叫んでも助けは来ねぇし警察も来ねぇよバカが!へっへっへ……ん?
「!??!!!??!??!?!」
なんだあの女、打ち上げられた魚ぐらい暴れてんぞ。
「ばかぁ!!!」
あ、学校に走ってった。
なんだ……朝から変な奴もいるもんだなぁ。
なんか、萎えちまった……。
会社行こ。
妄想痴漢おじさん、カラスマシュウジ。
大手企業で働く社会人二年目。
上京し、一人の妹を養う健全な男である。
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