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空間欠損の魔法師  作者: 猫宮みけ
第二章 深層拒絶編

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第二章 第51話 ──概念の刃──

第二章 51話 ──概念の刃──


■ 喫茶店「ルミエール」


影のような気配が店内に入り込んだ瞬間、

空気が“重く”なった。


悠斗

「……っ、息が……重い……!」


紗月

「な、なにこれ……怖い……!」


玲奈

「御門家の……“裏の人”……

 でも……こんな圧、初めて……!」


ミリアは悠斗達を背後に庇い、

静かに影の男を見つめた。


黒装束の男――影衛隊長カゲロウ。


カゲロウ

「深層接触者――篠原悠斗。

 我々と来てもらう。」


ミリア

「……あなたの名前も所属も知りませんが、

 “危険な人間”だということだけはわかります。」


カゲロウ

「察しがいい。

 だが、我々に敵意はない。」


ミリア

「敵意がないなら、

 “連れて行く”という言葉は使いません。」


カゲロウ

「……確かに。」


二人の間に、

見えない線が引かれた。


---


■ 影衛隊長の一手


カゲロウが指を弾いた。


その瞬間――

店内の影が一斉に伸びた。


床、壁、テーブルの下。

あらゆる影が“刃”のように尖り、

ミリアの足元へ迫る。


悠斗

「ミリアさん、危ない!」


ミリアは一歩も動かず、

ただ指先を軽く振った。


ミリア

「――《無効ヌル》。」


影が触れた瞬間、

“影である”という性質が消え、ただの黒い煙になる。


カゲロウ

「……影の性質を……消した……?」


ミリア

「あなたの術式は“影”という概念に依存しています。

 なら、その概念を一時的に“無効化”すればいい。」


カゲロウ

(……概念……?

 性質そのものを消す……?

 そんな魔法体系、聞いたことがない……!)


---


■ 影衛隊長が高速で踏み込む


カゲロウ

「速さで押す!」


影を蹴り、

一瞬でミリアの間合いへ踏み込む。


だが――


ミリア

「――《遅延レイト》。」


カゲロウの動きが、

水の中を進むように重くなる。


カゲロウ

「……っ、身体が……重い……!」


ミリア

「“速い”という概念を弱めただけです。」


カゲロウ

(……これは……

 速度操作ではない……

 “速さという概念”そのものを弱めている……!)


---


■ 影が店内を覆う


カゲロウ

「影よ、全域を覆え!」


影が店内を黒く染める。


ミリア

「――《拒絶リジェクト》。」


影がミリアの周囲に触れた瞬間、

“触れられない”という概念が発動し、影が弾かれる。


カゲロウ

「……触れられない……?」


ミリア

「あなたの攻撃は“届かない”と定義しました。」


カゲロウ

(……定義……?

 魔法ではなく、

 “世界の性質を書き換えている”……?)


---


■ 悠斗、異変を感じる


悠斗は胸を押さえた。


悠斗

「……っ……頭の奥が……ざわざわする……!」


紗月

「悠斗……!

 ミリアさんの魔力じゃない……

 もっと……深い……!」


ミリア

「悠斗さん、目を閉じて。

 あなたはまだ“見てはいけません”。」


ゆうと

「見てはいけないって……何を……?」


ミリア

「あなたの中で“何か”が反応しています。

 私の魔法体系では説明できません。」


---


■ 影衛隊長、敗北を悟る


ミリアは軽く手を振り、

影の圧力を霧散させた。


カゲロウは膝をつき、

荒い息を吐く。


カゲロウ

「……あなた……

 本当に……何者だ……?」


ミリア

「ただの店員です。」


カゲロウ

「嘘だ。

 あなたの力は……

 術式体系の“外側”……

 いや……“別の理”だ……」


ミリア

「理解していただけて何よりです。」


カゲロウは立ち上がり、

再び構えを取る。


カゲロウ

「……だが、任務は任務だ。

 深層接触者を確保する。」


ミリア

「ならば――

 “私を越えてから”にしてください。」


カゲロウ

「……やはり、戦うしかないか。」


影が再び揺れた。


だが――

ミリアは首を横に振った。


ミリア

「本気で戦えば、

 この店も、この街も消し飛びます。」


カゲロウ

「……それは困る。」


ミリア

「ええ。

 だから、ここで終わりにしましょう。」


カゲロウはしばらく沈黙し、

やがて息を吐いた。


カゲロウ

「……今日は引く。

 だが、御門家は諦めない。」


ミリア

「望むところです。」


影衛隊長は一歩下がり、

影に溶けるように姿を消した。


---


■ 戦いの後


悠斗

「……ミリアさん……

 今の……何だったんだ……?」


ミリア

「説明は後です。

 今は――

 “逃げる準備”をしましょう。」


玲奈

「逃げる……?」


ミリア

「ええ。

 御門家は必ず“次”を仕掛けてきます。」


紗月

「ど、どうすれば……?」


ミリアは悠斗を見つめた。


ミリア

「……悠斗さん。

 あなたの中で“何か”が動き始めています。」


悠斗

「俺の……中で……?」


ミリア

「私の魔法では説明できません。

 でも――

 あなたを狙う者たちは、それを知っています。」


ミリアは静かに言った。


ミリア

「だから、あなたを守る必要があるのです。」


---


1日1善1日1投稿♪

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