第二章 第48話 ──宗谷沖、露出──
第二章 48話 ──宗谷沖、露出──
■ 宗谷沖・臨時封鎖海域
冬の宗谷海峡は、
本来なら荒れ狂うはずだった。
だが今――
海は“割れたまま”静止していた。
巨大な裂け目の底から、
黒い構造物が姿を現している。
海上自衛隊護衛艦の艦橋で、
艦長が双眼鏡を下ろした。
艦長
「……あれは“海底遺構”か。」
副官
「人工物としか思えません。
しかし、材質も構造も不明です。」
艦長
「戦略級魔法師が海を割った結果、
“海底が露出した”……
その中に、あれがあった。」
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■ 防衛省・地下状況室
巨大スクリーンに宗谷沖の映像が映る。
オペレーター
「宗谷沖にて“未知構造物”を確認。
深層反応、微弱ながら安定して検出。」
司令官
「……深層反応か。
戦略級魔法師の余波だけでは説明がつかん。」
情報官
「他国の動きですが――
ロシア艦隊が公海上に展開。
中国艦艇も距離を詰めています。
米軍は偵察衛星を集中。」
司令官
「世界中が狙っているわけだ。」
別のオペレーターが声を上げた。
オペレーター
「御門家より“協力部隊”派遣の連絡。
魔法災害対応の専門家として、
軍と共同で調査に入るとのことです。」
司令官
「……あの名家が動くか。
影の部隊は出てこないだろうが、
表の戦力だけでも十分だ。」
軍は“影衛”の存在を知らない。
知っているのは、
御門家の“表向きの協力部隊”だけだ。
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■ 御門家本邸・宗一郎の執務室
宗一郎は報告書を読み、
静かに息を吐いた。
宗一郎
「宗谷沖の遺構……
深層反応あり、か。」
側近
「外郭部隊を派遣済みです。
軍との共同調査に入ります。」
宗一郎
「影衛は動かすな。
深層接触者の確保が最優先だ。」
側近
「承知しております。」
宗一郎は窓の外を見つめた。
宗一郎
(深層接触者が現れ、
未知の魔法使いが保護し、
宗谷沖では“あれ”が露出……)
宗一郎
(世界が“深層側”へ傾き始めている。)
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■ 宗谷沖・外郭部隊輸送機内
御門家の外郭部隊――
影衛とは違い、軍にも存在を知られている“表の戦力”。
隊長
「目標は“遺構の調査と封印”。
軍と協力しつつ、
他国勢力の介入を阻止する。」
隊員
「影……いえ、裏の部隊は?」
隊長
「動かん。
“深層接触者の確保”が最優先だ。」
隊員
「……つまり、
宗谷沖は我々だけで対処する、と。」
隊長
「そういうことだ。」
隊長は窓の外の海を見た。
隊長
(影衛が動かないということは――
ゆうとという少年は、
それほどの“価値”を持つということだ。)
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■ 宗谷沖・護衛艦
隊員
「艦長!
遺構の側面に“入口らしきもの”を確認!」
艦長
「……開くのか?」
隊員
「不明です。
ただ、内部に空洞があるのは確実。」
艦長
「御門家協力部隊が到着次第、
共同で調査に入る。」
艦長は海面から突き出た黒い構造物を見つめた。
艦長
(あれが“扉”なら――
開けた瞬間、何が出てくる?)
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