第二章 第47話 ──問い──
第二章 47話 ──問い──
■ 喫茶店「ルミエール」・閉店後
店内は静まり返っていた。
ミリアは片付けをしていたが、
ゆうと達が席に座ったまま動かないことに気づく。
ミリア
「……どうしました?」
悠斗は拳を握りしめ、
真っ直ぐミリアを見た。
悠斗
「ミリアさん。
今日……俺たち、本当に危なかった。」
玲奈
「誰かに追われて……
触れられそうになって……」
紗月
「でも、店に入ったら急に気配が消えたの。
あれ……ミリアさん、何かしたよね?」
ミリアの手が一瞬止まる。
ミリア
「……ええ。
少し、手を貸しました。」
悠斗
「どうしてそんなことができるんですか。」
ミリアは静かに息を吸った。
ミリア
「あなたたちが“深層”に関わっているからです。」
三人は息を呑んだ。
玲奈
「深層……?」
ミリア
「深層に触れた者は、
“探される側”にもなる。
だから私は……
その者たちを守るためにここにいます。」
それは嘘ではない。
しかし、すべてでもない。
---
■ 玲奈の震え
玲奈は、
ずっと黙っていた。
やがて、
小さく震える声で言った。
玲奈
「……今日の“気配”、
私……知ってる。」
悠斗
「知ってる?」
玲奈
「うん……
あれ……御門家の人の“気配”だよ。」
紗月
「御門家って……玲奈ちゃんの?」
玲奈
「うん……
小さい頃から、護衛の人たちが近くにいたから……
あの感じ、忘れない。」
玲奈は唇を噛む。
玲奈
「でも……今日のは、もっと鋭かった。
御門家の中でも……“特別な人”の気配。」
ミリアの瞳がわずかに揺れた。
ミリア
(……気づかれましたか。)
---
■ 真実を求める視線
悠斗
「……じゃあ、ミリアさんは
御門家の連中と戦ってるのか?」
ミリア
「戦っているわけではありません。
ただ……あなたたちを“渡すわけにはいかない”。
それだけです。」
紗月
「どうして……?
どうしてそこまで……?」
ミリアはしばらく黙り、
やがて静かに口を開く。
ミリア
「深層に触れた者は、
“世界の均衡”に関わる可能性があります。
だから私は……
その均衡が乱れないように、
見守る役目を持っています。」
玲奈
「……それって、どういう……?」
ミリア
「ごめんなさい。
これ以上は言えません。」
悠斗
「言えないって……
俺たち、もう巻き込まれてるんだぞ。」
ミリア
「ええ。
だからこそ、余計な情報は渡せません。
知れば、危険が増えるだけです。」
玲奈
「……でも、ミリアさんは敵じゃないんだよね?」
ミリアは迷いなく答えた。
ミリア
「はい。
私はあなたたちを害しません。
利用するつもりもありません。」
紗月
「……信じていいの?」
ミリア
「信じるかどうかは、あなたたちが決めてください。」
その言葉は、
逃げでも誤魔化しでもなかった。
ただ、
“真実の一部”だけを差し出した言葉。
---
■ 店の外
影衛隊長・カゲロウは、
店の前の影に身を潜めていた。
カゲロウ
(……会話は聞こえない。
だが、気配の揺れでわかる。)
カゲロウ
(この店の女……
深層の守護者か?
それとも……)
カゲロウは目を細めた。
カゲロウ
(……正体はまだ掴めない。)
---
■ 店内
悠斗
「……わかった。
全部は言えないんだろ?」
ミリア
「はい。」
悠斗
「でも……
守ってくれてるのはわかった。」
玲奈
「私も……信じたい。」
紗月
「うん……ミリアさん、嘘ついてない。」
ミリアは静かに微笑んだ。
ミリア
「ありがとうございます。」
だがその笑みの奥には、
まだ多くの秘密が隠れていた。
---
1日1善1日1投稿♪




