第二章 第46話 ──影、触れんとす──
第二章 46話 ──影、触れんとす──
■ 裏路地へ続く道・夕方
三人は全力で走っていた。
悠斗
「……こっちだ!
店に戻る近道!」
玲奈
「はぁ……はぁ……!」
紗月
「後ろ……来てる……!」
背後の“気配”は、
確実に距離を詰めていた。
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■ 屋根の上
影衛隊長・カゲロウは、
三人の真上を音もなく移動していた。
カゲロウ
(……隠蔽が弱まっている。
今なら接触できる。)
三人が裏路地へ入った瞬間、
カゲロウは屋根から降りようとした。
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■ 裏路地
三人は狭い路地を駆け抜ける。
紗月
「ここ……抜けたら店の前……!」
玲奈
「もう少し……!」
悠斗
「絶対に振り返るな!」
その時――
“空気が揺れた”。
玲奈
「……っ!」
紗月
「なに……今の……?」
悠斗
「来る……!」
背後から、
“存在”だけが迫ってくる。
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■ 屋根の上
カゲロウは三人の真上に降り立とうとした。
カゲロウ
(……今だ。)
指先が、
少年の“気配”に触れようとした――
その瞬間。
空気が弾けた。
カゲロウ
「……っ!」
見えない衝撃が、
彼女の足元を弾き飛ばす。
カゲロウ
(……妨害……!
だが、魔法の痕跡がない……
国外の術式か。)
カゲロウは体勢を立て直し、
再び追跡に入った。
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■ 喫茶店「ルミエール」・店内
ミリアはカウンターの奥で、
静かに目を閉じていた。
ミリア
(……間に合った。)
遠隔で放った“干渉”が、
影衛の接触を阻んだ。
だが――
ミリアの額には汗が滲んでいる。
ミリア
(今日は……魔力の流れが不安定。
このままでは、いずれ突破される。)
ミリアは深く息を吸った。
ミリア
(でも……あと少し。
店まで来れば守れる。)
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■ 裏路地の出口
三人は路地を抜け、
店の前の通りへ飛び出した。
玲奈
「見えた……!
店……!」
紗月
「もう少し……!」
悠斗
「走れぇぇぇ!」
三人は扉を押し開け、
店内へ飛び込んだ。
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■ 喫茶店「ルミエール」
ミリア
「……おかえりなさい。」
三人は息を切らしながら、
ミリアの顔を見た。
悠斗
「ミリアさん……
誰かに……追われてる……!」
ミリア
「ええ。
わかっています。」
ミリアは静かに扉へ視線を向けた。
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■ 店の外
カゲロウは店の前に立ち、
目を細めた。
カゲロウ
「……また、霞む。」
店の輪郭が薄く揺らぐ。
カゲロウ
(魔法の痕跡が……ない。
だが、これは“力”だ。)
カゲロウ
「……国外の術式か。」
影衛隊長は、
扉に手を伸ばそうとした。
だが――
指先が触れる直前で、
空気が“拒絶”した。
カゲロウ
「……入れない。」
カゲロウは一歩後退し、
静かに呟いた。
カゲロウ
「この店……
やはりただの喫茶店ではないな。」
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