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空間欠損の魔法師  作者: 猫宮みけ
第二章 深層拒絶編

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第二章 第43話 ──影が歩き出す──

第二章 43話 ──影が歩き出す──


■ 御門家本邸・地下区画


石造りの廊下は、

外界の音を一切通さない静寂に包まれていた。


御門宗一郎が歩くたび、

足音が低く響く。


重い扉の前に立つと、

宗一郎は短く告げた。


宗一郎

「……開けよ。」


錠が外れ、扉が静かに開く。


中には、

黒装束の男女が十数名、膝をついて待っていた。


彼らは――

御門家直属の秘匿部隊《影衛》。


軍にも警察にも存在を知られない、

御門家の“影の刃”。


宗一郎

「玲奈が姿を消した。」


影衛たちの背筋がわずかに動く。


宗一郎

「軍は動いている。

 だが遅い。

 そして深層についての理解も浅い。」


宗一郎は一歩前に出た。


宗一郎

「影衛よ。

 御門家の名において命ずる。」


その声は低く、

しかし絶対だった。


宗一郎

「玲奈を探し出せ。

 そして――

 “深層の気配を持つ少年”を保護せよ。」


影衛たち

「御意。」


宗一郎

「軍より先に動け。

 他国より先に掴め。

 ……これは競争だ。」


影衛たちは無言で立ち上がり、

影のように散っていった。


---


■ 市街地・夜


影衛一番隊長・カゲロウは、

ビルの屋上から街を見下ろしていた。


カゲロウ

「……軍の捜索線はこの区画まで。

 だが、あれでは見つからぬ。」


彼女の瞳が淡く光る。


カゲロウ

「“深層の痕跡”……

 確かに、この街にある。」


風が吹き抜ける。


カゲロウ

「……行く。」


音もなく、

彼女は闇に溶けた。


---


■ 喫茶店「ルミエール」・閉店間際


悠斗たちは、

いつもの席でコーヒーを飲んでいた。


紗月

「今日も外、騒がしいね。」


玲奈

「……うん。

 でも、ここは静か。」


悠斗

「ミリアさんの店、落ち着くよな。」


ミリアは微笑んだ。


ミリア

「ありがとうございます。

 皆さんが安心できるなら、何よりです。」


その瞬間――

ミリアの表情が一瞬だけ固まった。


ほんの一瞬。

誰にも気づかれないほどの短さ。


ミリア(心の声)

(……来た。

 軍じゃない。

 もっと静かで、もっと鋭い……

 これは……何?)


ミリアはゆっくりと呼吸を整え、

何事もなかったように微笑む。


ミリア

「そろそろ閉店です。

 気をつけて帰ってくださいね。」


悠斗

「はーい。」


三人が店を出ると、

ミリアはそっと目を閉じた。


ミリア

「……御門家が動いたのは知ってる。

 でも、今の気配は“あの家”のものじゃない。

 魔法の痕跡も……ない。」


ミリア

「……誰が動いているの?」


ミリアは静かに呟いた。


ミリア

「いずれにせよ、

 あなたたちには触れさせない。」


---


■ 市街地・屋根の上


カゲロウは、

喫茶店を見下ろしていた。


カゲロウ

「……妙だ。

 この店だけ、気配が薄い。」


彼女は目を細める。


カゲロウ

「隠蔽……?

 いや、これは……」


風が吹き抜ける。


カゲロウ

「“魔法の範囲ではない”。

 術式の痕跡がまったくない……

 なのに、存在が霞む。」


カゲロウは静かに息を吐いた。


カゲロウ

「……対象は、この近くにいる。

 だが、何かが“覆っている”。」


影衛の隊長は、

音もなく闇に消えた。


---

1日1善1日1投稿♪

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