第二章 第41話 ──見えない庇護──
第二章 41話 ──見えない庇護──
街には警察官が増え、
軍の車両らしき影もちらほら見える。
紗月
「……なんか、最近ずっとこんな感じだよね。」
玲奈
「うん……。
でも、ニュースでは何も言ってないよね。」
悠斗
「事件でもあったのか……?
それにしては規模が大きい気がするけど。」
三人は理由を知らない。
ただ、街の空気が変わっていることだけは感じていた。
変装を整え、
いつもの喫茶店「ルミエール」へ向かう。
扉を開けると、
カラン、と軽いベルの音。
ミリア
「いらっしゃいませ。
今日も来てくれたんですね。」
いつもと変わらない笑顔。
その柔らかさに、三人は少しだけ肩の力を抜いた。
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■ 喫茶店の外(軍側)
軍の捜索班が、
喫茶店の前の通りを歩いていた。
隊員A
「この区画、確認終わりました。」
隊員B
「よし、次の区画に移動する。」
隊員たちは淡々と歩き去った。
喫茶店の前を通り過ぎたが、
一度も店の存在を“認識しなかった”。
視線すら向けない。
店の看板も、入口も、
彼らの意識には“最初から存在していない”。
まるで、
その場所だけ地図から切り取られたかのように。
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■ 喫茶店の中
ミリア
「奥の席、空いてますよ。
そちらの方が落ち着けると思います。」
紗月
「ありがとうございます。」
悠斗
「助かります。」
三人は奥の席に座り、
コーヒーを注文した。
店の外を軍の車両が通り過ぎる。
しかし、
その存在は店内に“届かない”。
玲奈
「……なんか、ここにいると落ち着くね。」
紗月
「うん。外の音もあんまり聞こえないし。」
悠斗
「この店、静かだよな……いつも。」
ミリアは微笑んだ。
ミリア
「そう言ってもらえると嬉しいです。」
その声は自然で、
どこにでもいる店員のもの。
だが――
ミリアの周囲の空気が、
ほんのわずかに揺らいだ。
光が歪むほどではない。
音が変わるほどでもない。
ただ、
“店の輪郭”が外界から切り離されているような静けさ。
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■ 喫茶店の奥で
ミリアはカウンターの奥で、
静かにカップを拭きながら、
小さく呟いた。
ミリア
「……大丈夫。
ここにいる限りは、誰にも見つからない。」
その声は、
三人には届かないほど小さかった。
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