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空間欠損の魔法師  作者: 猫宮みけ
第二章 深層拒絶編

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第二章 第40話 ──御門家の影──

第二章 40話 ──御門家の影──


宗谷沖での異常な軍事行動が続く中、

東京・市ヶ谷の防衛省本庁舎では、

別の緊張が静かに広がっていた。


会議室の扉が閉まる音が響く。


情報部長は、

机の上に置かれた一枚の封筒を見つめていた。


副官

「……本当に、御門家から?」


情報部長

「ああ。

 “直筆の封書”だ。」


封筒には、

御門家の家紋が刻まれている。


御門家――

古くから政界・軍・宮内庁にまで影響力を持つ名家。

玲奈はその“直系の娘”だ。


情報部長は封筒を開き、

中の文書を静かに読み上げた。


情報部長

「“御門玲奈の所在について、

 軍は速やかに調査を進めよ。

 必要な権限はすべて付与する。”」


副官

「……これは、事実上の“命令”ですね。」


情報部長

「そうだ。

 軍の上層部を通さず、

 直接こちらに送られてきた。」


副官は息を呑んだ。


副官

「御門家が……本気で動いたということですか。」


情報部長

「玲奈様が“行方不明”になったことを、

 ようやく把握したのだろう。

 そして――

 “軍が動いていないこと”に不満を持った。」


情報部長は額に手を当てた。


情報部長

「……厄介なことになった。」


御門家が本気で動けば、

軍の内部でも逆らえる者は少ない。


副官

「ですが……

 玲奈様は“自発的に姿を消した”可能性もあります。

 軍が強制的に動くのは――」


情報部長

「御門家にとっては関係ない。

 “娘が行方不明”という事実だけで十分だ。」


情報部長は深く息を吐いた。


情報部長

「……これで、篠原悠斗たちの件も

 “後回し”にはできなくなった。」


副官

「御門家は、

 玲奈様が“誰と一緒にいるか”まで把握しているのでしょうか。」


情報部長

「そこまでは書かれていない。

 だが――

 “軍が知っているはずだ”と考えている。」


副官

「……実際には、

 まだ居場所すら掴めていませんが。」


情報部長

「それが問題だ。」


情報部長は机を軽く叩いた。


情報部長

「御門家の圧力がかかった以上、

 軍は“動いているふり”では済まない。

 本格的に捜索を始めるしかない。」


副官

「……特務課を動かしますか?」


情報部長

「いや。

 まだだ。」


副官

「しかし――」


情報部長

「御門家は“玲奈様の保護”を望んでいる。

 だが、我々は“施設での事件”も抱えている。

 両方を同時に扱えば、

 必ずどこかで破綻する。」


副官

「……では、どうするおつもりで?」


情報部長は静かに答えた。


情報部長

「まずは、

 “玲奈様だけを探している”という形を取る。

 篠原悠斗の件は――

 まだ表に出さない。」


副官

「……隠す、ということですか。」


情報部長

「隠すというより、

 “優先順位を変える”だけだ。」


情報部長は封筒を閉じた。


情報部長

「御門家が動いた以上、

 軍は必ず玲奈様を探し始める。

 だが――

 その裏で、

 別の勢力も動き出すだろう。」


副官

「別の勢力……?」


情報部長

「宗谷沖で動いている“あれ”だ。」


副官は息を呑んだ。


情報部長

「……二つの流れが、

 ゆっくりと、しかし確実に

 同じ一点へ向かっている。」


情報部長は窓の外を見つめた。


その視線の先には、

まだ誰も知らない“交差点”があった。


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1日1善1日1投稿♪

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