表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空間欠損の魔法師  作者: 猫宮みけ
入学と監視

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/61

第19話後編 ──奪取──

第19話後編 ──奪取──


黒い霧がゆうとの足元を飲み込んだ瞬間――

玲奈は反射的に動いた。


「……どきなさい」


その声は低く、冷たく、

観測課で見せる穏やかさとは別物だった。


袖の歪みが揺れ、

玲奈の魔力が一気に膨れ上がる。


空間が“鳴った”。


敵の影がわずかに後退する。


「反応が早いな。

 だが、間に合わん」


玲奈

「間に合わせるわ」


---


■ 玲奈の“空間固定術式”


玲奈が指を鳴らす。


空間が“固まった”。


黒い霧の動きが一瞬止まる。


御影

「……空間固定……!?

 玲奈、本気でやってる……!」


玲奈は霧の中心に向けて手を伸ばす。


「篠原くんを返しなさい」


敵の影が薄く笑う。


「空間固定か。

 悪くない。

 だが――」


霧が“形”を変えた。


固定された空間の“隙間”を縫うように、

細い糸状の霧が玲奈の腕に絡みつく。


玲奈

「……っ!」


「我々の霧は、空間干渉を“喰う”。

 君の術式は、相性が悪い」


霧が玲奈の魔力を吸い取り、

腕に重さがのしかかる。


---


■ 玲奈の“空間切断”


玲奈は歯を食いしばり、

腕を振る。


空間が“裂けた”。


黒い霧が切断され、

一瞬だけゆうとの身体が見える。


オルタ

『ゆーと!!』


ゆうと

(……玲奈さん……!)


だが――


敵の影が指を弾く。


「甘い」


切断された霧が“逆流”し、

裂け目を押し戻す。


玲奈

「……っ!?

 空間切断を……押し返した……?」


御影

「そんな……

 空間切断を逆流させるなんて……

 国内の技術じゃ不可能よ……!」


「破綻波形の模倣は、

 空間干渉を“喰い潰す”。

 君の術式は、我々には届かない」


玲奈の額に汗が滲む。


(……この霧……

 私の魔力を“喰って”いる……)


---


■ 玲奈、怒りを露わにする


玲奈は深く息を吸い、

敵に向い怒鳴った。


「……あなたたち、

 篠原くんを“兵器”として扱うつもりね」


「当然だ。

 破綻は国家級の資源。

 少年の意思など関係ない」


玲奈の瞳が揺れた。


「……許さない」


空気が震える。


御影

「玲奈!!

 それ以上は危険よ!!

 あなたの魔力は――」


玲奈

「関係ないわ」


玲奈の魔力が爆発する。


空間が“多層化”した。


- 固定

- 反転

- 切断

- 圧縮


四つの空間術式が同時に展開される。


紗月

「れ、玲奈ちゃん……!?

 そんな同時展開……!」


久遠

「……あれが本気の玲奈か……」


---


■ だが、敵はそれを“上回る”


敵の影は一歩も動かない。


「見事だ。

 だが――遅い」


霧が一斉に形を変え、

玲奈の術式を“喰い破る”。


空間固定は崩れ、

空間反転は吸収され、

空間切断は逆流し、

空間圧縮は霧に溶けた。


玲奈

「……っ……!?」


「破綻波形の模倣は、

 空間干渉を“喰う”。

 君の術式は、我々の餌にすぎん」


玲奈は歯を食いしばる。


(……届かない……?

 私の魔法が……?)


---


■ ゆうと、沈む


霧がゆうとの身体を完全に包む。


オルタ

『ゆーと!!

 意識を保って!!』


ゆうと

(……玲奈さん……

 ごめん……)


「対象、確保。

 撤収する」


霧が地面に沈み込む。


玲奈が叫ぶ。


「篠原くん!!

 行かないで!!」


彼女の手は、

霧の縁に触れた。


だが――

霧は破綻波形を模倣している。


玲奈の魔力は、

霧に触れた瞬間に“喰われた”。


玲奈

「……っ……!!」


霧は完全に消えた。


---


■ 残されたのは、沈黙


久遠

「……奪われた……」


御影

「結界は……正常のまま……

 どうやって……?」


紗月

「ゆーとくん……

 ゆーとくん……!」


玲奈は拳を握りしめ、

震える声で呟いた。


「……必ず……取り戻す。

 あなたたちが何者でも……

 どんな技術を持っていても……

 絶対に」


その瞳には、

これまで見せたことのない“怒り”が宿っていた。


---


──こうして、篠原悠斗はヴェルスに拉致された。

第一章、完。


第一章、完結となります。

まさか主人公がお姫様ピーチ役だったとは……!

作者自身も驚く展開となりました。

明日からは21時更新です


このまま第二章も執筆していきますので、引き続き応援いただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ