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白昼夢  作者: こたつぬま
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現実への帰還

パチリと目を覚ますといつもの狭いボロアパートの一室にいた。やっぱり夢だったか。いい夢だった。自然に口もとがほころぶ。私は万年床から起き上がった。

「ん〜そうじでもしますかね〜」

グーっと腕を伸ばし立ち上がる。窓を開けると心地よい春風が吹き込んできた。最高の気分だ。私の人生はこれからはじまる。

5年後。スポーツカーに乗った私は豪邸の門をくぐり抜けて帰宅する。

「おかえりママ」

広くてきれいな玄関で3歳になるかわいい息子がでむかえてくれた。名前は颯太。春の風のような爽やかな男に育って欲しいと願いを込めてつけた。ソファーにはスポーツ狩りのイケメンがいる。ダンナの翔太だ。プロ野球選手で年棒は10億越え。球界屈指の豪速球ピッチャーだ。

「昼メシシチュー作っといたぞ」

「ありがとう。夜は私が肉じゃが作るね」

翔太は私の作ったシチューに感動して自分でも作れるようになっている。おかげで最近シチューが続く。それと彼は天ぷらより煮物が好き。

親子3人で食卓を囲み美味しいシチューを頬張る。誰もが夢見る温かい家庭、最高に幸せだ。現在の私は花嫁修行の会社とハウスキーパーを派遣する会社の社長をしている。世界にはかなりの数の富裕層の男性が家事育児能力の高い女性を求めているのではないか?と思って花嫁修行の専門学校を作り会員制の富裕層の男性しか登録できないマッチングアプリサービスをはじめたらこれが当たった。富裕層の人脈もできた。家のことは何もしなくていい。外に出て才能を発揮して欲しい。っていう男性もいるならその逆もいて需要が充分に見込めると思ったのだ。ハウスキーパーの会社はアルバイトしていたら出世していつの間にか社長になっていた感じ。好きなことは楽しくできるから笑顔で働けて、それが周囲の高評価につながった結果だ。

短期間での私の大成功には裏がある。実は夢の世界から戻る前に成功している世界線の私の情報をすべて盗んできたのだ。寝たらおそらく現実世界に戻るとわかっていたので、一度眠りかけたけど睡魔との戦いに打ち勝ち目をこすりながら勝ち組の私の知識や価値観を寝落ちするまで大量にインプットしてきた。日記、著作、講演会やテレビ出演の動画を読み漁り頭に叩き込んだ。ファッショやアクセサリーの好みも把握した。部屋のインテリアも覚えてる。きれいな言葉遣いと上品な振る舞いも完コピだ。成功している私の価値観で動けば全部うまく行くという予想は当たっていた。夢の世界から宝物を拾ってきたのだ。私は負け組ルートをたどっていたけど、強引に勝ち組ルートに引き戻した。現実に戻ってはじめたハウスキーパーのアルバイトは私にピッタリだったみたいですぐにファンがいっぱいできた。スポーツ観戦が好きなので野球の応援に行ったら輝いているピッチャーがいてファンレターを出したら文通がはじまって結婚できた。この世界のメグムはすでに結婚して海外にいたのであきらめた。とても名残惜しい。私の成功はすべて違う世界のもう1人の私のおかげ。どうして2つの世界がリンクしたのかわからないけど神に深く感謝したい。神よ、ありがとう!

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