女神の祝福
「さて・・・。大事な問題がある・・・。」
僕、タチバナは3人を前に話をする。
一人は神。
一人は眠り姫。
一人は妖狐。
つまり・・・。
「誰一人、この世の住人じゃないのに、この世の住人となっている事だぁぁぁ!」
「お前も含めてな。」
「ウグッ!」
まぁ確かにそうだ。
「コホン。まぁそんな事は今更どうでもよい。まぁ何の因果か分からないが、僕達はここに在るのだから、ここから去る日が来るかどうかは分からないけど、その日まで楽しもうではないか!」
「うむ!」
「私も賛成。」
「ボクも・・・。」
まぁこれに関しては異議はない様だ。
「で、歌で世界を統べようとまでは決まっている。」
「そうだな。」
「だが・・・。」
「だが?」
僕は頭に思い浮かべる。
テレビない。
歌を歌う会場ない。
芸能プロダクションない。
あれ?これって詰んでないか?
「どうした?タチバナ。」
「あ~!いや、何でもない。」
僕は一旦深呼吸する。
となれば・・・。
街角でライブをするとか?
有力貴族の館でドサ回りするとか?
どちらにせよ収入はこれ一本だとキツい。
「どちらにせよ、仕事を請け負いながら、その資金で地道に活動するしかなさそうだねぇ。」
僕は人知れず涙を流す。
「お兄さん、頑張って!」
「ボクも手伝うよ!」
ああ~!何ていい子達なんだ~。
まぁ嘆いていても仕方ないか・・・。
「よし!ひとまず、名前を決めよう。僕の時代風に言うと、チームかな?」
「ちーむ?」
「つまり、仲間の名だね。」
「フム。ならば!」
「ならば!」
「女神様と愉快な仲間達!で、どうだ!」
「・・・。」
僕は絶句する。
「良い名であろう!」
「全然駄目だぁぁぁ!」
やはり、こういうセンスはなかった。この方には・・・。
「ククリちゃん。なにかいい案はない?」
この子は真面目だ。意外にいい案が浮かぶかも・・・。
「ウ~ン。じゃぁ竹林の蝶使い!とか?」
意外だ。
しかもカッコいい。
「う~ん。いいけど、ちょっと固いかな・・・。」
「そうか・・・。ちょっと残念・・・。」
「ナミちゃんはどう?」
「ボクは・・・。ちょっと分からない・・・。」
「そうか・・・。」
ナミは頭を抱えている。
慣れないことで、頭から湯気が出ている様だ。
「よし!そこまで言うならお前が決めよ!私も酷い名でなければ名乗ってやろう。」
「私もそれでいいと思う。」
「ボクも。」
皆少し安心した様だ。
僕を除いて。
「えぇぇぇぇ!」
タチバナは困惑している。
まぁこの者は何か妙案を出してくれるだろう。
私は期待の眼差しを向ける。
「四人の異世界人?いや、僕を入れずに三人か・・・。何となくこの時代に合いそうな名となれば・・・。そうだ!」
何か閃いた様だ。
「このチームは、貴女が始めたもの。そして、ククリちゃんも、ナミちゃんも貴女が誘って、チームになった。そう・・・貴女の祝福によって・・・。」
「・・・。」
何か照れる。
「ならば、その名の通り、「女神の祝福」でいきましょう。うん!我ながらいい名だ。」
「よかろう!それでいこう。」
「私も!」
「ボクも!」
他の二人も異論はない様だ。
こうして、「女神の祝福」は誕生したのである。
「まずは、配置かな?中心はコノハさんとして、右にククリちゃん。左にナミちゃん。」
僕は大まかな舞台に立った場合の位置を決める。
まぁざっくり言うと・・・。
背が高く見栄えあるコノハさんを中心でよいだろう。
ククリちゃんは歌と横笛。彼女は意外と多芸。何より起用だ。太鼓とかもいけそうだ。
そして妖狐のナミちゃん。彼女は運動神経がよい。舞台で踊り、彩をより際立たせる役目だ。
偶然とはいえ、三人が三人とも高い能力を持っている。
もしかしたら、僕が前に生きていた時代でも、大ブレイクしていたかもしれない。
「よし!じゃぁ歌や踊りの稽古もしっかりしよう。僕は宮司様と話してくるね。」
僕は座を外す。
彼女達は基本真面目だし、この竹林の中は安心なので、問題ないだろう。
僕は一旦館へ戻り、宮司様を探す。
「おや?タチバナ君。どうしました?」
意外と早く見つかった。
「宮司様。近々都の大祭が行われると聞きました。」
「ああ・・・。天人昇天のお祭りの事ですね。」
「そんな名なのですか?」
「ええ。百年程前に実際に天人が昇天してしまった出来事が元になっているとか・・・。」
宮司様はまるで遠くでも見ているかのように話す。
この方も、どこか人間ぽくないんだよな~。
何をしているかもよく分からないし・・・。
「その祭りに、彼女達を出場させたいのですが・・・。」
「・・・。なるほど・・・。それは面白いですね・・・。」
宮司様はにっこり微笑んだ。
「それで、お願いがございます。」
僕もにっこり微笑み返し、具体的な計画を明かした。
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