下界へいきます!!
天界。
神々の住まう調和と美に彩られし世界。
だが・・・。
「ハッハッハ!!!」
一人の女神が勇ましく天馬を駆っている。
見た目は優雅だ。
傍から見れば、麗しの女神が華麗に白馬を乗りこなしている。
そんな風にしか見えない。
だが・・・。
速い。
凄く早い。
凄く凄~く早い。
・・・。
「早すぎるわぁぁぁ!!!」
彼女の父が頭を抱えている。
この天界の主神で、相当な地位の人、もとい神であるが、最近は娘問題で切れまくり、ややお疲れモード全開である。
「フフフ・・・。まぁよろしいではありませんか。」
そして、その横に並び立つ絶世の美女。
彼女の母は、つねに余裕の微笑みを絶やさない。
しかし、手に収まる扇がギシギシと音を称えている。
「まぁ言い訳を楽しみにしていましょう。」
あ~完全に怒っている。怒っている・・・。
数刻後・・・。
「さて・・・・。申し開きを聞こうか。『狂姫』。」
私は両親に呼ばれ、いつもの説教タイムに入っていた。
「えっと・・・。下界の者達が馬に乗っているのをみてですね。私も欲しくなり・・・。」
「ほうほう。欲しくなり・・・。」
「天界が管理している保護地区にこそっと入ってですね。天馬をみつけ・・・。」
「ほうほう。こっそり入って天馬をみつけ・・・。」
「ついつい嬉しくなって外に連れ出しました!」
「そうかそうかぁ。それで、下界にも見える場所で天馬を駆っていたのだな。」
「はい。父上!」
「ハッハッハ。そうかそうか・・・ってそんな事になるかぁ!!!」
当然ではあるが、父上激怒こり。
「天馬は貴重じゃ!お前の道楽の玩具ではぬぁぁぁい!!!。」
「父上。血管が切れますよ。」
「ハァハァ。一体誰のせいじゃぁぁぁ!!!全く、お前は次から次へと・・・。」
そんなに怒られる事をしただろうか・・・。まぁ父上、お疲れ様です。そして、すみません・・・。テヘ!!!
「・・・。時にコノハ姫。貴女は反省という言葉を知らないようですね。流石に見逃せないレベルではありますよ。」
「ウッ・・・。今日は母上も・・・。」
この人はマジで怖い。
若い時分はやんちゃして下界でその名を馳せたというけれど、詳しい事は分からない。
何せ、本人が黒歴史と称して話さないからだ。
何か、私の『狂姫』よりも恐ろしい異名があるらしいけど・・・。
まぁ、どちいらにせよ我が家で一番ヤバい人、もとい神には違いない。
「ハァ・・・。何にせよ、さすがに罰を与えない訳にはいかないでしょう。よ・ろ・し・い・ですね。主神。」
「罰!?」
私は震えあがる。
「・・・。」
父は黙っている。
外出禁止令とかだろうか?
しかも1年とか?
どうかそれだけは勘弁してもらいたい。
「フゥ・・・。止むを得んな。分かった。では裁きを申し渡す。」
「父上!お許しを!」
「だ・め・じゃ!ここで許しては、お前の為にならん。コノハ姫よ。これより下界で3年の修行を命じる。」
宣告はや!
でも・・・。
え?
下界にて3年の修行?
間髪おかず、私は呼吸を整える。
「謹んでお受けいたします。父上、母上。」
「はや!?」
「フフフ・・・。」
私は優雅に片膝をつき、頭を垂れる。
ハッキリ言って、天界は良い場所には違いないが、あまりに退屈過ぎるのだ。
翻って、様々な者が住まう下界、もとい地上界は危ない場所でもあるが、刺激が強い世界だとも聞いている。
今の私には相応しい場所だ。
「では早速に!」
私はすぐに御前を退出する。
胸の高鳴りが抑えきれない。
「いざ行かん!未知の大地へ!」
私はピョンピョンと雲の上に聳える長い回廊を飛び跳ねていた。
一方・・・。
「あんなに喜びよって・・・。本当にあれで良かったのか・・・?」
主神は頭を抱えている。
「よいのです。地上界での経験は何ものにも代えがたいものですよ。間違いなく一回り大きくなって帰ってきてくれる事でしょう。」
母神は穏やかに笑う。
「そうは言うがのぉ・・・。そういえば、お前も若い時分、そうとう地上界でやんちゃしたそうではないか・・・。」
「やんちゃしたとは人聞き、いや、神聞きが悪い。でも、私の中では大切な思い出として残り続けていますわ。あの子にとっても、そうあって欲しいですわね。」
「フッ。可愛い子には旅をさせよ・・・か。でも、3年かぁ・・・。長いのぉ~。」
「本当に主神は子離れが出来ませんね。フフフ。」
母は強し!
「まぁあれでも一人娘だしのぉ・・・。」
父は悲し・・・。
そんな父母の心配をよそに、私は下界へと向かったのである。
新連載始めました。
面白い! 続きを読みたい!
と思われた方は、下にある⭐︎ブックマークをお願いし
ます。
読んでいただくだけでも結構です。
よろしくお願いします。




