あざとい女だった?
御義父様の式典から半年が経った。
後悔はしていない。
あの人達は私を捨てた時点で、全てが狂っていた。
でも、
何だろう、
とても悲しい気持ちになる。
「シャーリー買ってきたぞ」
オーリュゥン様が色々な味の串鳥を持ってきた。
いや、買いすぎじゃない?
「シャーリー買ってきたよ」
カルヴァン様が揚げ餅を嬉しそうに持っているが、いやいや、それは最後でしょ。
2人のそんな様子に、何だか気が楽になった。
「あと、飲み物とアユの串焼きが欲しいですね」
「わかった、では私は飲み物を、カルヴァンはアユを買ってこいよ」
「分かりました」
久しぶりに街に来た。
偶然なのか、私に気を使ってなのか、お2人が同じ日に誘って下さった。
とてもいい天気で、とても心地よかった。
「ありがとうございます。では、食べましょうか」
まずはアユでしょ。
パクリ。
くううううう!!
やっぱりこれよこれ!!
パクリ。
美味しい!!
ほえええええ、と幸せになる。
「いつ見ても、シャーリーの食べ方は美味そうだな」
美味しいんです、オーリュゥン様。
「本当に。毒味とかしてもらう事はあるのか?」
必要ないですよ、カルヴァン様。
「そんな事言っていたら冷めますよ」
私の言葉に2人が笑った。
「そうだな、また怒られそうだ」オーリュゥン様。
「確かに。食べ物にはうるさいからな、シャーリーは」カルヴァン様。
当然です。
3人で軽くお喋りしながら食べるのは楽しかった。
まだ、どちらがいいかなんか分からない。
でも、許されるならもう少し、3人で過ごしたかった。
まあ、御義父様が決めてくださるなら、その方でいいんだけど。
やっぱり、御義父様が1番だな。
それを言うと2人とも凹んだ顔になるから、言わないけど、
「お2人とも、素敵な方ですよ」
心からそう思ったから口に出したら、2人とも顔を真っ赤にされた。
「・・・シャーリー、そんなにあざとい女だったのか・・・」
と、2人に言われた。
ん??
何故?
私、あざとい女だったの??
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長々読んで頂きありがとうございます。本当に嬉しく思っています。
一部、[完]、となります。




