オーリュゥン様と街へ2
「あ、あれ!あれ食べよう」
早速並んだが、4番目だ。
今日は凄く人が多く、旗や、前はなかったテーブルがありそこに椅子があり、とても賑やかだった。それに露店も多い。
なんだが楽しい。
「・・・シャーリー・・・人多いね」
ノーセットが不安そうな声で、繋いだ手に力が入った。
こういう場所に慣れてないのもあるだろうが、人が多いと荒い言葉が飛び交ったり、色んな服装の人がいるから怖いんだろう。
「離れるなよ」
オーリュゥン様の言葉にノーセットは頷いたが、私は、あまり気にならなかった。
それよりも、さっきから香ばしい香りが鼻につき、ワクワクだった。パタパタと扇ぐたびに白い煙が上がり、少し目が痛くなるが、
いい匂い!!
やっと順番が来た。
「幾ついるんだい?」
汗だくのおばさんが気持ちのいい笑顔で聞いてきた。
「3匹」
「あいよ。カボスは?」
「勿論いる!あと、1匹ずつお皿にのせて」
「あいよ」
紙皿にのせ半分に切っているカボスをのせてくれたのを二皿オーリュゥン様に渡し、ひとつは私が持った。
オーリュゥン様は戸惑いながらも受け取り私を見た。
「ありがとう、これ」
はい、とお金を渡した。
「早くこっちに動いて。次の人の邪魔になるから」
「あ、ああ」
「う、うん」
いつの間にか結構並んでいた。
わかるよ。旬だもの。旬なものは旬なもの時に食べないと、美味しさが格段に違うもん。
「早くこっち来てよ、席探すよ」
ノーセットの手をひき急いで席を探す。場所取りはちゃんとしないといけない。まだまだ食べるんだから。
「あ、あそこ!!空いてるよ」
丁度テーブルに長椅子が置いてあるところがあり座った。
「よし。食べよう。やっぱりこの季節は焼き秋刀魚でしょ。ノーセットそのバスケット頂戴」
「うん」
今回は、前回の事を踏まえ、きちんと準備し、ノーセットに持たせました。
中には、3人分のおしぼりと、ナプキンとフォークとスプーンです。これで、落として服が汚れる心配もなく、心置き無く何でも食べれます。
「さ、ノーセット、オーリュゥン様これを膝に引いてください」
ナプキンを渡し、ひくのを確認しフォークを渡した。
「では、冷める前に食べましょう」
もう、口の中は秋刀魚、秋刀魚、秋刀魚!!と踊っています。
はっと見ると、2人が秋刀魚にフォークを刺そそうしていた。
「待って!こうやって食べるの。見ててくださいね」
まず、秋刀魚の腹が下に来るようにたてると、背中が上を向く。
背中を軽く頭からしっぽに押していくと、いい焼き加減だから、パリッパリッと、いい音をさせるところが憎いね。
くうううう!!!私を誘ってますけど、もう少し待っててね。
皮が弾けると身が程よく骨から離れる。そこにカボスを絞る。
「本当なら大根おろしがあったら最高なのだけど、今回は露店だからね。これで食べやすいよ、ほら」
フォークで刺すと、ほろりとみがとれ、それをパクリと1口。
はい!待ってました、とばかりに口の中は・・・。
はああああ、とご満悦です。
香ばしいながらも、油ののった身が甘く口で広がる。
「それで、ここの黒いところが内蔵なんだけど、苦味があってまた、美味しの!!」
パクリ!
にっがっ!
でも、これが、また、パクリ。
うっま!!!
「美味しい!!本当だ、この黒いところ美味しいよ!!」
あら、ノーセット、酒飲みになるかもね。
「うっ・・・。苦くてまずいぞ・・・。2人とも・・・おかしいぞ・・・」
しかめっ面しながらも、それ以外を美味しく食べてた。
うん。美味しかった♪
「さて、次は、もう少し先にあったコロッケ食べようよ」
「食べる!」
「じゃあオーリュゥン様とノーセットは待ってて。皆で行ったら席とられてしまうから」
「・・・わかった・・・。私も行きたいが、何故が、足でまといになりそうだな」
「よくお分かりで」
オーリュゥン様はムッとされたが、すぐに笑った。
「早く帰ってこいよ」
「はい。では行ってきます」
さっき奥からコロッケ持っている人が多かったんだよねえ。
少し行くと、案の定コロッケの露天があり、秋刀魚よりも並んでなかった。2番目だ。それも、回転よく2人の人が相手してくれて会計もしてるから、えへへ、すぐだな。
さて、何があるかな?
コロッケ。これは、普通のじゃがいもだな。
お肉コロッケ。牛肉が入ってるんだな。
コーンコロッケ。うーん、季節が少しズレてるてるけど、大丈夫かな?
かぼちゃコロッケ。これは、この時期は外せません!!
クリームコロッケ。自分で作るには難しい!!これも外せませんね。
以上5種類です。どれにしようか?3人だしなあ。
さて、私の番ですね。
「おっ!べっぴんさんだな」
痩せ型でよく日焼けした、笑顔の似合うおじさんが大声で言った。
うーん、それは違うけど、言われていやな気はしない。
「じゃあおまけしてくれる?全種類を2個ずつ買うから」
「それはやりたいが今日は無理だな。秋の収穫祭で人が多いからな。普段の日に来たらおまけしてやるぜ」
成程。秋の収穫祭か。だから、こんなに人が多いのね。
「わかった。次きた時おまけしてね。じゃあ全部半分に切る事はできる?」
「それならやってやるが、皿はないぜ。袋に全部入れるがいいか?」
「うん。クリームコロッケだけ別にしといて」
「ちゃっかりしてんな」
あったり前。クリームコロッケが他の味したら、残念な気分になるもの。
「はい」
「ありがとう」
お金を渡し振り向くと、誰かが立ち塞がっていた。
2人の若い男性だった。只とても身長もあり、筋肉質なので、壁のようになり、怖かった。
どうしよう・・・