家族揃っての夕食
美味しい!!
メインたるビーフステーキが、絶品です。脂少なめのフィレの部分を使用し、塩コショウだけのシンプルイズベスト!!
好みの焼き上げにし、1口サイズに切ってくれたんだけど、これが、また絶妙な焼き方!
さすが、キャウリー様御用達のお店です。
だって、個室の上に、料理を目の前で作ってくれるんだよ!
出来たての上に、料理長の説明、これが、不味いわけがない。
幸せ・・・。
「シャーリー、美味しそうに食べるよね」
ノーセットが隣で、何回も聞いた同じ言葉を言う。
「美味しいもの。あら、それいらないの?」
鉄板にのっている焼き野菜であるピーマンだけが残っている。
「・・・だって・・・」
下を向く、ということは嫌いなのか。
では。
「じゃあ貰うね」
フォークで刺しパクリ。
うーん。美味しい。
この苦味を感じながらも、サクサク加減を残し焦げ目のいいお味。
いくらでも食べれる。
ここでは私達がしかいないので自由にしなさい、と御義父様が言ってくれたので、とても楽に食べれている。
「なんか・・・シャーリーが食べてると美味しいに見えるんだけど・・・」
「美味しいよ。まだまだ食べれるもの」
「では、ノーセット、私のを食べてるかい?」
御義父様が、優しく声をかけてきた。
「うん。食べてみる」
そう言ってパクリ。
うっ、美味しくない、
とか言うから、御義父様と笑ってしまった。
食事は大変満足しました。まず、御義父様が食事の時は無駄な話をするのはマナー違反だから、静かに食べよう。たが、食事に関する、それも、褒める内容は幾らでも話してもいいよ、と言ってくれた。
さすが!
誰かさんとは違いますね。寝ていた演劇を根掘り葉掘り聞いて来て、料理を冷ましてしまう、誰かかさん、とはね。
楽しく食事をし、最後のデザートも頂き、食後の飲み物を出され皆を下がらせた。
「今日の出来事を説明しようと思う。2人ともよく聞きなさい」
「はい、御義父様」
「はい、御義父様」
うん、と御義父様が微笑みながら頷いた。
「サヴォワ殿からの提案もあり、金輪際、お互い関わることを禁ずる事を、当主の直筆のサインにて確約をしてきた。つまり、声を掛けることをも禁忌とされる。もし、やんごとなき事情が発生した場合は、それぞれの娘が、つまりウインザー家ではシャーリーが、サヴォワ家ではシャーサーが土下座する事になる」
「・・・!」
・・・私が。
「案ずるな。それは、ない。まず、我が友人達を見ただろう?後ろ盾があれ程強固なもの達はいない。それよりも、ノーセット」
「は、はい!」
「サヴォワ家が必ずシャーリーに接してくる。それをお前は阻止するのだ。ウインザー家の当主となるお前が姉である、シャーリーを護るのは義務だ」
「はい、御義父様!ぼ、いえ、私は、姉上を必ず護ります!」
「よく言った。それでこそ、私の息子であり、次期当主だ。それともうひとつ2人に内緒にしていた事があるんだ」
御義父様がなんだがお茶目な顔で楽しそうに笑う。
ノーセットと顔を見合わせ首を傾げた。
「先日から、騎士団の指導にあたっていると言っただろ?」
「はい」
それは、聞いているし、知っている。
「その件で、王より、戦術防衛副大臣に就任する事になった」
ニヤリと得意げに笑う御義父様に、に当然、
「え!!!」私。
「えーーーー!!!!」ノーセット。
声をあげた。
だって、だって、つまりは王宮の役付きになったということだし、戦術防衛とは、戦に備えての、頭脳を求められ、その為今の大臣の座は空席になっている。その席を埋める重積を担う者がいないからだ。
御義父様ってば凄い人なんだ。
「それと、もう1つ。数ヶ月後先にはなるが、王宮より、副大臣の任命式を賜るのと、他にも賜わる事があるんだ」
またまた、意地悪な、笑いをする。
「それは、秘密にしておこう。楽しみにしておきなさい」
またまたノーセットと顔を見合せた。ノーセットも、不思議そうだったから、知らないようだ。
何かわからないが、楽しみだ。




