おつまみ4夜会用
「明日の夜会の時のつまみですか?大事なご友人なのでしょう?その方達には失礼かと思います。料理長に作ってもらわれた方がいいかと」
夕食時に、さも当たり前の様にキャウリー様が提案してきたが、
何を言い出すんだ!?
「いや、簡単につまめるもの」
「旦那様!明日はシャーリー様は身支度で忙しいのです。そんな事をする暇などありません!!」
憤怒の形相でハザードが止めに入った。
そんなに?ドレス着るだけだと思うけど。
「シャーリー様も、何ですか、その他人事のような顔!」
ひえっ。
「宜しいですか、キャウリー様のように服を着ておしまいという訳には女性はいきません。肌をの手入れから髪の手入れ、化粧も髪型も、やる事があるのです!!シャーリー様も、ご自分の屋敷の事と同じように甘く考えるのは辞めてくださいね!!」
「は、はい!」
確かにあの方々とご一緒するんだものね。濃いメンバーだもの。
「では・・・、今日のうちから・・・」
「宜しいですが、早くに就寝して下さい、寝不足になられては、お肌に影響が出ますので」
「はい」
ご自分の屋敷、と言われても、シャーサーもここまで
の準備してなかった。元がいいかいいからか。だから、私は時間かかるかのかもしれないな。
夕食を済ませ、厨房へ向かった。厨房では、片付けをしながら、今晩の当直当番が食事をとっていた。
「おや、旦那様どうされました?」
料理長の一声に空気が鋭いものに変わった。何か粗相があったのか?と不安になっているのだ。
「たまにはシャーリーの料理作りを見てみようか、と思ってね」
ほっとしたけれど、落ち着かないよね。
私だって、気になるもの。
まあ、でも始めますか。
まずベーコンのブロックを薄切りにする。
次に小さめの生エビとミニトマト、ズッキーニを用意する。
エビは背わたをとる。
ズッキーニは、拍子切りにし、生エビと一緒にサッと茹でる。
鍋にオリーブオイル、みじん切りにしたニンニク、みじん切りにした唐辛子をいれ、じっくり温める。
スライスしたベーコンに、エビ、ズッキーニ、ミニトマトを1つずつくるみ、ベーコンの重なっている部分に串を刺し固定する。
塩コショウを振り、すこし置いておく。
その間に、今日のつまみを準備していくしようかな。
キャベツをざく切りにし、塩をふり馴染むまで置いておく。
「それも明日出るのか?」
不安そうにキャウリー様が聞いてきた。
「違います。これは、今日のつまみです。さすがにこんな風なキャベツは出さないですよ」
「え?これが今日のになるのか?」
興味津々のキャウリー様だ。
「はい。それと申し訳ありませんが、味見の為に明日出すのも食べて確認してください」
「勿論だ」
「ありがとうございます」
さあ、もういいかな。
鍋で温めたオリーブオイル半分を違う鍋に移す。
その半分を少し強めの火であっため、こぽこほと泡がたつ前に火を止め、キャベツに回し入れる。
軽く混ぜて、
「はい、出来上がりです。しんなりキャベツのペペロンチーノ風です」
「おお!!」
と今日は料理長でなく、嬉しそうに、キャウリー様が言った。
いつもなら、味見だ、と手を出してくるが、さすがに屋敷のご主人様がいるのだからそれは、出来ないが、顔に食べたいと書いてありますよ。
分けたオリーブオイルに、3種類のベーコン包みをいれ、焼き色がつくまで転がす。
エビもズッキーニも火が通ってるから問題ない。
程よく焼き色がついたら、取り出す。
そして、またまた、オリーブオイルを半分にする。
ソース作りです。
さっきのエビとズッキーニのゆで汁を使い、トマトベースのソース。
そしてもうひとつは、レモンを、使ったらさっぱりソース。
「はい、出来上がりです」
「おお!!」
えへへ、この皆の驚きは嬉しいよね。
「酒屋でこれ出てきたら、オシャレだな」
料理長がまたまた、食べたそうだ。
「最後に、刻んだパセリをかけたら、これで完成です。どうですか、キャウリー様?」
「これでいい。では、部屋に持ってきてくれ」
嬉しそうに言いますが、まだ、飲むには早い時間だし、さっき夕食終わったばかりですけど。
あっという間に、厨房から去っていった。
「ちょ!!俺たちの分!!」
そう来ますよね。
「はいはい、すぐ事作ります。ついでに明日の下準備もしますね」
だから、料理長、持参したワインを普通に持ってこないでくださいよ。
ここは酒場じゃないのに。
「キャベツも追加で!」
・・・だから酒場じゃないってば。




