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追憶の旅  作者:
90/135

VS巨大者(ギガント)

「さて…あちらはシードに任せるとして…」


巨大者(ギガント)は握りしめている岩で力の限り振るう。

フロウはそれを体当たりするように避けた。

体勢が崩れたことで力の乗りきらなかった岩の棍棒がフロウの体を掠める。

そのままフロウは巨大者(ギガント)に馬乗りになり口を大きく開ける。


口から灼熱の炎が溢れる。

巨大者(ギガント)はフロウの首を掴み投げ飛ばす。

巨大者(ギガント)は溢れた炎に身を焦がしながらも意に介さないようだ。


「馬鹿力なのは変わりないようだな…」


フロウがこぼすと、巨大者(ギガント)も反応する。


「トアテチムマチヤヲオヨモ?」


「…やはり言葉は通じないか…」


「トアテナヤヲオヨメオナアカン…

ラチブコフスアメマ!」


巨大者(ギガント)は棍棒を投擲する。

フロウは避けることが出来なかった。

それを好機と考えた巨大者(ギガント)が迫り来る。

手を組み頭の上に掲げ振り落す。


そこにフロウは最大級の炎を吐き出した。

巨大者(ギガント)はあっという間に火だるまになる。

しかしその炎を振り払い巨大者(ギガント)の大木のような腕がフロウの頭を捉えた。

殴り飛ばされるフロウ。


フロウは空に飛びたつと空から大量の炎で巨大者(ギガント)を包み込んだ。

あまりの炎に巨大者(ギガント)もただではすまなかった。

炎が消える頃には巨大者(ギガント)は倒れ動かなくなっていた。

それをフロウは静かに見つめる。


「…すまなかった…」


それは物言わぬ巨大者(ギガント)へと向けたものだったか。

だがそんな謝罪が巨大者(ギガント)に届くことはない。

それでもフロウには謝罪するしか道がなかったのだろう。


「さて…シードはもう倒したか?」


戦っている間にゴークの湖を離れすぎてしまったようだ。

巨大者(ギガント)との戦いは無傷とは言いがたい。

傷つき重く感じる体を労わるようにシードの元へ向かった。


フロウに慢心はなかった。

常に周囲を警戒し近くに自身を狙うものがいないことを確認していた。

それでもフロウが気づかなかったのは、フロウを観察するものが。

フロウのことをよく知り最大限警戒させないようにしていたからに他ならない。


「炎獄龍…まさか生きていたとは…

だがまずは巨大者(ギガント)だ。」


フロウに気付かれないように巨大者(ギガント)の死体にソイツは近付く。

その姿はフロウやソアラ。適応者(ドラゴン)に酷似していた。

いやおそらくは適応者(ドラゴン)なのだろう。


ソイツは巨大者(ギガント)の死体を掴み大空へと舞い上がった。


「さすが巨大者(ギガント)、私だけでは運ぶのが大変かな?」


そう言って見つめた先には二対の翼で飛ぶ大きな鳥がいた。


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