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追憶の旅  作者:
89/135

ゴークの湖

フロウの背に乗りまた大空へ飛び上がる。

凍てつく風をフロウが切り裂くように進む。


あっという間に氷に閉ざされた山を置き去りにする。

地上を見れば眼下には統率狼(コマンダー)達の生息域たる森が見える。

プラチナも少し故郷が気になるのか視界から見えなくなるまで見つめていた。


「帰らなくていいのか?」


「…今はまだ。」


「そうか…」


短い会話を挟む。

気づけば地平線の彼方に青が広がっていく。

ゴークの湖が見えてきた。


「そう簡単に向かうことは出来ないか。」


フロウがそう呟く。


「捕まっていろ。」


シードはリーナを抱える。

フロウは右に大きく傾きながら飛ぶ。

すると先ほどフロウが居たであろう空に岩が飛んできた。

下を見れば大食鰐(グラトニー)と大差ないほどの巨体が見える。


巨大者(ギガント)!」


その姿を見てリーナが叫ぶ。

巨大な人がそこには居た。

巨大者(ギガント)にとっては手頃な。

シード達からすれば驚異的な大きさの岩を放り投げてくる。


「まずは巨大者(ギガント)を倒さないことには楔の塔に向かうことも出来ないな…」


そう言ってフロウは湖のほとりに降り立つ。

巨大者(ギガント)はこれまた巨大な岩の塊、いや岩の棍棒を持って近付いてくる。

湖の水面が揺れる。

巨大者(ギガント)が走る程に水面が揺れる。


シードは振り向く。

フロウは巨大者(ギガント)を見つめる。


「仕方ない、我が巨大者(ギガント)の相手をしよう。」


水面は巨大者(ギガント)の動きとは関係なく揺れ始める。

最初に現れたのは巨大な柱。

いや柱のように太い蔓のようなもの。

何本も天高く伸びる。


そして水面から地面へと叩きつけられる。

柱の主が水面から顔を覗かせる。

何本もある柱はその主の腕のようで、腕を使い器用に水面から現れる。


大きな頭に直接太い柱がついているかのようなそいつは地面と平行に腕を薙いだ。

迫る腕。

プラチナはリーナを連れて戦線を離れてくれたようだ。

安心して狼王の大剣で腕を切り裂いた。


柱のような腕が空を舞う。

しかしシードが切り落とし短くなったはずの腕が襲う。

それに気付き跳んで避ける。

切り落としたはずの腕は元の長さになり他の腕と共にシードを襲った。


「…頭は再生しないことを祈ろう…」


今はいない神様、ラキに気持ちばかりの祈りを捧げて走り出した。

読んでいただきありがとうございます。


良ければ評価の方頂ければ励みになります。


これからもこの作品を読んで頂けると幸いです。

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