大空へ
「シードお前が何者か。それはおそらく扉の先に答えがある。
答えを手にするかはお前次第だ。」
フロウの言葉に頷く。
「俺は知りたい。俺が何者なのか。何をすべきなのか。」
「良い返事だ‥
お前ならおそらく真実を見て絶望することもないだろう。」
フロウの不穏な言葉に皆が反応する。
そこにリーナが質問をした。
「先程フロウ様は生きるのを諦めたとそれは何故ですか?
適応者と言えば人間の振るい話にも出てくるような強者であったと‥」
「我々はある時この世の真実に辿り着いた。
そこで我々はもう戦うことはおろか生きていくことを諦めたのだ。
そんな時ルーツが神となり共に生きていく事の楽しさを教えてくれた。
いつの日かお前達はこの世の真実と闘う日が来る。
その時我々のように絶望するかもしれない。」
「この世の真実?
それは一体‥」
シードの言葉を遮りフロウが翼を広げる。
「我がお前を運んでやろう。
乗るがいい。」
そう言って体を屈める。
今は質問に答える気はないのだろう。
「なら私はここで待つことにしよう。」
そうラキは言い腰を近くの岩へと下ろす。
「ソアラはここに帰ってくるんだろう?」
「ソアラはお前達が来るのが遅いと言って怒っていた。
まぁそのうちここに現れるだろう。」
シードとリーナ。そしてプラチナはフロウの背に乗る。
フロウは大きな翼をはためかせる。
そして滝に火炎を吐くと爆発して滝が吹き飛ぶ。
その中を加速して大空へと飛び立った。
「まずはここより南の山脈へ行くぞ。
そこには闘神ウォロが眠っている。」
フロウはとてつもない速度で飛んでいく。
振り落とされないように気遣って飛んでは居るようだ。
プラチナは何の問題も無いようだ。
シードはリーナの手を握る。
顔に受ける風が痛いくらいだ。
目的の塔は眼下の山間に存在していた。
フロウはゆっくりと舞い降りる。
「闘神ウォロは偵察隊としてここに向かっていた。
アルタの平原に現れた巨大な穴。
そこから現れるであろう増殖者達を止めるために。」
塔の回りは凍りついた木々が生い茂っている。
すると樹氷の間から巨大な氷柱が飛んできた。
フロウは飛んできた氷柱を尾を叩き付け凪払う。
「ここは氷結狐共の縄張りになっていたか‥
シードここはお前に任せよう。」
言われたシードはフロウの背から飛び降りる。
プラチナも降りてきたようだ。
目の前にはプラチナより一回り大きな氷結狐が。
するとシードの後ろからも氷柱が飛んでくる。
「囲まれているみたいだな‥」
氷結狐達との戦いが始まる。
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