権能
「我々神には権能と呼ばれる力がある。
それは魔法ではなく祈り。人間達が願った力と言うべきか。
私なら幸運の操作とこの足の速さ。
確かメディスは人の悪いところが視えると言ったか。
そしてリアナは未来を視る力を。」
「そしておそらくリアナは自身ではどうすることも出来ない未来を視た。
だが人々はリアナに戦うことを求めなかった。
未来を視る事の出来るリアナが居れば未来は簡単に変えられると思っていたからだ。」
「だからリアナは自身の愛し子に全てを託した。
自身の人々に寄せられた感情を。
自身に与えられた権能を。」
「人間達に出来たのなら人間達に産み出された自分にも出来ると。
祈ったんだ。
そして愛し子は400年もの時を超えリアナが祈った権能を手に入れた。」
「シードの中に神々の記憶があるのならば。
リーナの中にはリアナの想いがあるんだ。
それがお前の権能。
おそらく対象の時間操作。」
「そんなことが可能なんですか?」
リーナが驚く。
「お前の治癒魔法が証拠だと思うよ。
まぁ全て私の推測だ。
証拠から基づく推測だよ。」
「リーナ。やっぱり君に救われた。
ありがとう。」
シードがリーナに感謝する。
「私はお役に立てたのでしょうか?」
「リアナが視た未来にはリーナが居なかったのだろう。
リーナが居れば大丈夫だとリアナは思ったんだろうな。
リアナがそう思ってお前を送ったんだ。
もっと自身を持つべきだな。」
その言葉を聞きリーナは泣き出す。
「皆さんのように私には何の力もなくて‥いつも足を引っ張ってしまって‥」
リーナはずっと引っ掛かっていたのだろう。
ラキはリーナの傍に座り頭を撫でていた。
「大丈夫。お前は足を引っ張ったりしてないよ。」
シードはそれを見守っていた。
ひとしきりリーナが泣いた後疑問に思っていた事を聞く。
「ラキ。この場所が神を産み出すことはもうないのか?」
「おそらくエネルギーが足りていないのだろう。
と言うことはやはりルーツ様も死んでしまったのだろう。」
「そうなのか。
ならあの翼人は?
あれも神なのか?」
「私も見たことはない。
話に聞いたことがあるだけだ。
だから詳しく話すことが出来るか‥」
「ソアラとフロウ。
そいつらは知っているのか?」
「知っているとみて良いだろう。
あいつらは私なんかよりよっぽど長生きだ。
それもルーツ様よりな。
あいつらもラガンと同じで元は他の種族だ。」
「この世界に置いて最強の存在。
適応者と呼ばれている。」
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