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追憶の旅  作者:
59/135

幻惑蝶(イリュージョン)

シードは走る。

風迅鳥(ソニック)の視界が閉ざされているうちに。

幻惑蝶(イリュージョン)の棲みかである山はまだ遠い。

しかしその付近の森まで行ければ、風迅鳥(ソニック)の目を掻い潜れるかもしれない。


風迅鳥(ソニック)は魔法で生み出していた竜巻を解除する。

木々の間にシードとリーナを見付けると凄まじい速度で追い掛ける。


今度は森へ向けて風の刃を放った。

木々によってシード達を捉えることはなかったが、巨木が切り裂かれる。


「一度でも当たればあの世行きだな‥」


リーナは必死にシードにしがみついている。

シードはリーナを抱き締める手に力が入る。


そうこうしてるうちに山から幻惑蝶(イリュージョン)が飛び出した。

先程仲間が風迅鳥(ソニック)にやられたのを根に持っているようだ。

まっすぐ風迅鳥(ソニック)へと飛んでいく。


風迅鳥(ソニック)に比べればその飛行速度はお世辞にも早いわけではない。

しかし幻惑蝶(イリュージョン)が羽ばたく度に輝く鱗粉が辺りに広がる。


「鱗粉に気を付けてください。」


腕の中のリーナが忠告する。

仕方ないがそれに構わず鱗粉の中を進むことになった。

後ろでは幻惑蝶(イリュージョン)風迅鳥(ソニック)が相対していた。


しかし幻惑蝶(イリュージョン)では風迅鳥(ソニック)に刃が立たないようで一瞬にして切り裂かれる。


そして腕の中のリーナも様子がおかしい。

鱗粉による影響なのか。目の焦点が合わない。


そしてそれは風迅鳥(ソニック)も同じようで。

あらぬ方向に攻撃を始めた。

風迅鳥(ソニック)は竜巻を纏い始める。


そして回りに漂う鱗粉も。


「リーナすまない。」


リーナを巨木の裏に隠すと錯乱している風迅鳥(ソニック)へと駆け出した。

シードのその両手には紫苑と紅蓮が握られていた。


シードは風迅鳥(ソニック)へ向け跳躍する。

風迅鳥(ソニック)の竜巻に巻き込まれ風迅鳥(ソニック)へと接近する。


「Dead or Die」


竜巻に血の刃と毒の刃が巻き込まれる。

竜巻が激しくなるほど刃は風迅鳥(ソニック)の体を傷付ける。


竜巻が収まる頃風迅鳥(ソニック)は地上へ向けて落下した。

シードも地面へと投げ出される。

竜巻によって体のあちこちが切り裂かれている。


痛む体を抑えてリーナの元に向かった。

リーナは眠っていた。

鱗粉によるものなのか分からないが、どうやら無事なようだ。


しばらくするとリーナは目を覚ます。


「私は‥」


「気付いたか?体に何か異常は?」


「い いえ‥それよりシード様が怪我を!」


そう言ってリーナはシードの心配をする。


「俺は良いんだ。

リーナの忠告を無視して幻惑蝶(イリュージョン)の鱗粉の中に入ってしまった。

すまない。」


「いえ良いんです。

それよりシード様は鱗粉の影響はなかったのですか?」


「あぁ俺は何故か何の影響もなかったよ。」


そう言うとリーナはシードの傷を治し始めた。


「もしかするとメディス様の神器の影響かもしれません。

毒と薬。それがメディス様の神器の力です。」


「そうか‥メディスに救われたんだな。」


リーナはシードの傷を完全に治した。

それをシードは何とも思わなかったが、リーナはそれを不気味に思った。

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