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追憶の旅  作者:
24/135

統率狼(コマンダー)

「なぜ大食鰐(グラトニー)がいるんだ!」


ラキはリーナを背負いながら吐き捨てる。

400年前、あのアルタの平原での戦いでいるはずのない者達。

この地で滅び去っていった者達が現れた。

大食鰐(グラトニー)も同じように現れたのか?

生き残りが居たのだろうか?


「とにかく今は‥」


リーナをあの場に残すことは出来ない。

リーナを守りながら戦うことは難しい。

だからと言って遮蔽物のない湿地では隠れる場所もない。


今は森に。

だからラキはリーナを背負い森へと向かう。

400年以上前からあそこは統率狼(コマンダー)達の領域。

自分が居なかった400年の間に統率狼(コマンダー)達が滅んだのか。

それとも未だに支配しているのか分からない。

それでも、向かうしかない。


「それにいざとなれば‥」


霧の中を駆け抜け森が見えてきた。

そこでラキは足を止める。


「ラキ様。この辺りで身を隠せば良いのですか?」


背負われたリーナが足を止めたリーナに聞いた。


「すまない。

完全に私の判断ミスだ‥」


森から。

そして霧の中から取り囲むように複数の影が出てくる。


統率狼(コマンダー)‥」


リーナは完全に怯えている。

ラキは考える。

振り切ることは可能だ。

だがシードの元に駆けつけるのが遅くなる。

この世界の覇権を争っていた種族。

そのうちの一種族が大食鰐(グラトニー)だ。

そんな相手にシードが戦えるのか‥

リーナを危険に晒すがこのまま戻り大食鰐(グラトニー)と戦うしかない。

ラキは足に力を込め走り出そうとする。

そんな中一際大きな統率狼(コマンダー)が現れる。


他の統率狼(コマンダー)達も小さいわけではない。

だがそいつは大きかった

大食鰐(グラトニー)程ではないが10メートルはある統率狼(コマンダー)

おそらくこの群れの指揮官(ボス)であり頭脳(ブレイン)


「こいつは‥」


その統率狼(コマンダー)に見覚えがあった。

ラキが封印される前。

それよりもっと前に出会ったことがある。

大きな統率狼(コマンダー)はラキの前へと歩き出す。

そして大きな統率狼(コマンダー)はその場に座りラキを見据えた。


「預けても良いのか?」


ラキが聞くと大きな統率狼(コマンダー)は小さく頷く。

言葉を理解しているのだろうか。


「ラキ様‥」


「リーナ。

大丈夫だ、統率狼(コマンダー)達はお前を襲うことはないだろう。

それに私が離れてもお前にはリアナがついているよ。」


そう言ってラキはリーナの胸に手を当てる。

そしてシードの元へと駆け出した。


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