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追憶の旅  作者:
19/135

陽光の槍

「その前にシード。

ソルの持っていた槍を出してみろ。」


そう言われると

右手には槍が握られていた。


「これは‥一体どうして‥」


「今は気にすることはない。

ソルがお前に託してくれた。

だから大事にしてやってくれ。」


槍。この陽光の槍を握るとこの槍から伝わってくる。

槍の使い方が戦いかたが。

ソルから託されたのこの槍を大事にしよう。

そう思った。

気付けば槍はなくなっていた。


そして歩き出す。


「ここから2日ほど東に向かえば神都エルドバになります。」


「400年前の進軍の時はエルドバとアルタの間の森を抜けることになった。

あそこはもともと統率狼と呼ばれる者達の縄張りだったが‥

さてどうしたものか‥」


「今は通ることが難しいのか?」


ラキは頷く。


「400年の間に統率狼達との関係がどうなっているのか‥

エクスクレイム達に滅ぼされているかも分からない。

ここは少し南に進み森を通らず迂回するべきだろう。」


「南ですか?南はたしか‥湿地になっていましたね‥」


「湿地は湿地で他の者の縄張りだったが‥やつらは400年前それよりさらに前に滅んだ。

だがあの戦で鋼殻虫や風迅鳥が居たことを考えると楽観視も出来ない。」


「結局どうするのが良いんだ?」


「統率狼とは戦えない。

ここは南を進もう。」


進路を決め歩き出す。


「統率狼とは何故戦えないんだ?」


シードはリーナに聞く。


「私にも分かりません‥

それに統率狼達と意思の疎通が出来ていたとも思えず‥」


「統率狼に手を出すと‥とてつもなく怒る怖い奴が居たんだよ。

あいつはもう居ないが手を出したら枕元に出てきそうだからな。」


そう言ってラキは笑い飛ばした。


「森を迂回して湿地を抜けるからな。4日、いや6日程かかるか?」


ラキはリーナを見て言った。


「私の事は気にしないでください。」


「人の身では険しい道を何日も歩くのは辛い。

なに、私が居るからな。

旅の安全は保証しよう。

それに歩けなくなったらシードにおぶってもらえ。」


「俺は構わないよ。」


「そのような事をしてもらうわけには‥」


「まぁとにかく少しずつ進もう。

本来なら森の中に入りたかったんだがな‥

今は無理そうだな‥」


ラキは目の前に広がる森を名残惜しそうに見ていた。


「だがまぁ湿地にも‥

さぁ行こう!」


ラキは随分と楽しそうだ。


「随分楽しそうだな?」


「400年も閉じ込められ、その前も神都ばかりだったからな。

こうして旅をするのは始めてだ。

楽しくないわけないだろ?

そういうお前も旅は始めてだろ?

なら楽しめ。」


「記憶がないからな‥確かになんでも初めてだ‥

そうだな‥出来るだけ楽しんだ方がいいのかもな‥」


行く宛も記憶もない旅が始まる。

それでもシードは前を見ていた。


挿絵(By みてみん)

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