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追憶の旅  作者:
121/135

太陽

「さて、君は一体誰だ?」


目の前にいる存在から溢れ出る威圧感と熱量。

死の山の温度が急激に上がるのを感じる。


「シード。」


「君がそうか。

ということはルーツの目論見は成功したと言うわけか。」


「目論見?

一体何のことだ?」


目の前の存在は手を軽く振り答える。


「いや、君が気にする必要はない。

だが君は凄いな。

誇るべきだ。」


そう言って大剣を塔に突き刺すと空いた両手で手を叩く。


「そんな状態で戦い抜きここまできた。

そんな君に敬意を表したい。」


「敬意?」


「そうだ。

よくここまで辿り着いた。

神器を集めたのだろう?」


「あぁ。

陽光の剣、槍。星の弓。狼王の特大剣。

紫苑、紅蓮。崩拳。守人の大斧。

そして。」


シードの周りの温度が急激に下がる。

両手でしっかりと持つ。


「この三日月の大鎌。」


「ルーツが言っていた通りだな。

そして私の持つ。いや私を合わせて10の神器がここに集まった。」


「私の名は太陽の大剣。

さぁ受け取るがいい。

お前の使命を果たせ。」


そう言って太陽の大剣と言った剣を差し出してきた。

歪な形をしたその大剣を。


「俺の使命?」


「直に分かる。」


差し出された大剣を両手でしっかりと受け取る。

凄まじい熱量。

太陽と名がつくに相応しい大剣だ。


目の前のソルの形をしていた太陽の大剣が光の粒子となりシードに溶け込む。

消える直前にソルはシードを労う。


「今までよく頑張った。」


その言葉にシードはほんの少しだが心が揺れ動く。

今まで感じたことのない感情。喜びの感情だ。

だが。


「ここからは私達がやる。」


直後意識が飛ぶ。



気付けばまた白い空間。

だが誰も居ない。

周りを見渡しても何もない空間が続く。


椅子はなぎ倒されている。

誰もいない。

だが視線を感じ振り返る。


金の鎧がそこにはいた。

記憶の中の断片でしか見たことのない存在。


神祖として崇められていた存在。

神祖ルーツが。


「お前は全ての欠片を集めた。

これでようやく対面することが出来たな。」


「これがただの試練になるか、最後になるかは。

お前次第だ。」


そう言って急激に意識が浮上していく感覚。

鎧に覆われていて顔は分からないが、その瞳はこちらをまっすぐ見つめていた。



意識が戻る。

立ったまま意識が引っ張られていたのだろうか。


足が一歩前に進む。

だがシードの意思ではない。


「さて、まずは扉を開けるか。」


そうシードが話す。

だがこれもシードの意思ではない。


「まさかまだ意識があるのか?

一つの体に10の神器を入れて大したものだな。

体のおかげか?

まぁいい。どうせなにも出来ない。」


そう言ってシードの姿をした奴の背に翼が生える。

大きな炎の翼だ。

ふわっと浮き上がる。

そして羽ばたいたかと思うと光の速さで飛んでいった。

それは誰の目にも止まらぬ物ではなかった。


向かうは山を越えた先。

シードが目覚め、適応者(ドラゴン)と出会った場所。



その頃死の山を見下ろすように離れていた所から見守る巨大な影とその上に跨る小さな影。


「今何か飛んで行きませんでしたか?

光のような。」


「おそらくこれが最後の戦いになる。

神の御技。神の裁き(ジャッジメント)。激しい応酬となるはずだ。」


「私にはシード様の為に祈る事しか出来ません。」


「それでいい。

シードにはシードの。

リーナ、お前にはお前の戦いがある。」


その言葉を聞きリーナは目を閉じ祈るばかりだった。

読んでいただきありがとうございます。


良ければ評価の方頂ければ励みになります。


これからもこの作品を読んで頂けると幸いです。

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