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追憶の旅  作者:
115/135

燃え盛る街

先程の悲鳴を聞きつけ外に出てみれば400年守り続けていた街。

エルドバの至る所から火の手が上がっている。


「くそ!ふざけやがって!」


街の至る所から声が聞こえる。

悲鳴や怒号。

そして助けを求める声が。


「アルバス様!助けて!」


「アーテル様はどこに!?」


「誰か!誰か!助けて!」


アルバスは上空へ飛び立つ。

上空で水魔法を発動し広範囲の雨を降らせる。

燃え盛る火を止めるほどでは無いものの、これ以上の火が回るのは防げた。


「どこに逃げた!」


しかしアルバスの声は虚空に消えた。

何故街を焼いた?

どうやって消えた?

住民に火を止めるよう指示を出す。


「急いで火を止めろ!

怪我人や取り残されているものを探せ!」


しかし住人たちが騒いでいる。


「どうした!?」


「いきなり火の手が…

しかしそれだけでなく…

守備隊の方々が居ないんです…」


周りを見渡してもエルドバに残った守備隊が誰一人として居ない。

大半がアーテルと共に地上に降り食料を探しに出掛けた。

だとしても他の守備隊は?


「火を放ったのは時間稼ぎか!」


守備隊の常駐所目掛けて飛ぶ。

何故かそこは火の手はなく、周りの住民も消火や救助に向かったのだろうか。

とても静かだ。


常駐所の扉を開ける。

中は人の気配がまるで無い。

だからこそ異様だった。

床には血だまりが。

壁や天井には血飛沫が。


しかし死体がない。

アルバスは静かにその先の扉。

中庭の修練場へ向かう。


「遅かったな?」


そこには守備隊の死体が積み重ねられていた。

中にはそうじゃない者も。


「…」


アルバスは絶句する。


「些か目標より狩りすぎた気もするが…多くて困ることもないだろう。」


「貴様…戦えぬ者も居たはずだ!」


「ふむ…私からすれば人間は皆戦えても弱い。

だが素材としては十分優秀だ。」


「素材だと?

ふざけてるのか?」


「ハハ…もちろんふざけてなど居ない。

連戦にはなるが…まぁ十分だろう。」


何もない空間から黒い鎧の騎士が現れる。

力任せのその槍をギリギリ躱す。


集魂者(エンジェル)はとても素晴らしい。

その魔法の能力、さらには知恵、それらがとても突出している。

だが…」


力任せに振るわれた槍にアルバスは吹き飛ばされる。


「その反面肉体強度は人とほとんど変わりがない。」


吹き飛ばされたアルバスは水魔法を黒い鎧に浴びせる。


「言ってなかったが…悪手だな。」


放たれる水球。

それで距離を取ろうとしたが水球が向きを変えアルバスに向かう。


「くっ!」


「こいつは私の作った混合生物(キマイラ)と呼ぶものだ。

人間と同胞…

かつて水爆龍と呼ばれたものの融合させた新たな存在だ。」


「そのために人間を殺したのか!」


「正解だ。

だが人間を混ぜることで人間の優れた交配能力を備わせたかったのだが…

まぁ結果として武器を使う程度の知能と技術が備わったのは嬉しい誤算だったな…」


「貴様ー!」


アルバスは立ち上がり立ち向かうが黒い鎧に押さえつけられる。

アルバスが力を振り絞ってもびくともしない。


「言ったはずだ。集魂者(エンジェル)の肉体強度は人間のそれと変わらんぞ。」


アルバスを押さえつけていた黒い鎧が吹き飛ばされる。


「アーテル…」


適応者(ドラゴン)?それにその黒い鎧…

まさか神か?」


アルバスは不味いと思い、カナンは不敵な笑みを浮かべた。


「ほぉ…まさか新たな集魂者(エンジェル)か?

私は混沌龍イービルカナン…

何少し用があってね…

だがもう用は済んだ…」


「逃がすか!」


アルバスがカナンに風の刃を放つ。

その行動に追従するように岩の塊を放った。

読んでいただきありがとうございます。


良ければ評価の方頂ければ励みになります。


これからもこの作品を読んで頂けると幸いです。

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