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追憶の旅  作者:
108/135

VS混沌龍3

プラチナは今にも飛びかからんと唸っている。

だが猛る感情を理性で抑えつけているのだろう。

統率狼(コマンダー)の長たる者が負けた以上慎重になるべきだ。

そんなプラチナを落ち着かせる為なのかフロウが前に出る。


「貴様何をしている?」


フロウの質問にカナンはおどけて答える。


「何を?決まっているだろう。

あの時の事を覚えているか?

適応者(ドラゴン)達が生を諦めた時の事を。

あの時から私のするべき事は変わっていない。」


「その為に…統率狼(コマンダー)の長を殺したのか?」


「この世界は…残念な事に争いが絶えない。

生きていくためには他の種族を殺していく他ない。

そうやって私達は生きてきただろう?

同じことだ。」


その返答にラキが声を荒げる。


「同じだと?

死体遊びがか?」


「死体遊びとは心外だな。

これもこの世界を知る為にも必要なことだ。

それにしても神が生きているとは思わなかった。」


「私も殺して私の死体を使うか?」


「残念だが神の死体に興味はない。

君達神はこの世の不純物だ。

だから400年も前に駆逐されたのだ。」


「どういう意味だ?」


「フロウとソアラは理解しているだろう?

神ではなくなったからお前たちは見逃されたんだ。」


フロウとソアラは黙ってカナンの話を聞いている。


「そうか…まだ伝えてないのか?

まぁいい。そろそろ時間だ。」


カナンの後ろから統率狼(コマンダー)の死体を引きずってくる二体の黒い鎧。

プラチナの怒りも頂点だろう。

カナンも手に持つマーナガルムの死体を離した。


だが死体が地面に落ちることはなく、その場で静止している。

それどころか積み上げられた統率狼(コマンダー)の死体もゆっくりと空中を漂う。


「上だ!」


シードの声に皆が見上げる。

そこには奇妙な生き物がいた。

体は巨大な鳥だった。


隕石鳥(メテオ)…」


大きな翼の下には鋼殻に守られた薄い羽が。

そして鳥の体にアンバランスな頭と胴体から突き出た鋭い鎌。


鋼殻虫(マンティス)…」


「私の生み出した作品だ。

名を混合生物(キマイラ)Ⅳ型。

そして…」


そして黒い鎧が吠える。


「彼らが混合生物(キマイラ)Ⅰ型。

最初期の作品だよ。」


「ふざけるな!」


シードは駆け出す。

それに合わせて槍を持った黒い鎧が飛び出した。

陽光の長剣と黒い槍でつばぜり合いを起こす。

先程戦った黒い鎧と同じく凄まじい力だ。

プラチナはカナンへと真っ直ぐ向かう。


それに合わせ混合生物(キマイラ)Ⅳ型と呼ばれた奴が死体を連れて大空へ飛び立つ。


「させるか!」


フロウが混合生物(キマイラ)Ⅳ型を追う。


「それはこちらの台詞だ。」


プラチナをかわしフロウと混合生物(キマイラ)Ⅳ型の間に割って入る。

混合生物(キマイラ)Ⅳ型はフロウの視界を潰すように岩を飛ばしてきた。

だからカナンの放つ爆発魔法を避ける事が出来ず、吹き飛ばされた。


「ソアラ!

プラチナ行くぞ!」


ラキの風魔法でプラチナがカナン目掛けて発射される。

ソアラの周りに冷気が漂う。

ソアラから凍てつく波導がカナンへと放たれる。


「アブソリュートゼロ!」


しかし残った混合生物(キマイラ)Ⅰ型の周りに渦巻き蛇行するような水流が生まれていた。


「スパイラル…ウェイブ…」


その言葉にソアラとフロウが反応する。

放たれた凍てつく波動は混合生物(キマイラ)Ⅰ型の水流にガードされ、その場に巨大な氷塊を生み出す。

しかしプラチナはその氷塊を貫きカナンへと迫る。

読んでいただきありがとうございます。


良ければ評価の方頂ければ励みになります。


これからもこの作品を読んで頂けると幸いです。

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