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追憶の旅  作者:
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VS混沌龍

森がざわつく。

ある者達がこの森にやってきてからだ。

森の外からやって来るものが増えた。


そのどれもがこの森を狙って来ていた。

何故か?我らと同じだ。

彼らにも生きていく場所が必要だ。


何者にも脅かされず、ただ静かに、ただ穏やかに、生きていける安住の地が。

だから他者の生息圏を奪い取ってでも安住の地を求めなければいけない。

かつてはここもそうだった。

そして今、かつての姿を取り戻そうとしている。


そいつは何の前触れもなく現れた。


「私の言葉が分かるかな?

初めまして私はカナン。」


適応者(ドラゴン)だ。

黒い鱗が特徴的なかつてこの大地で最強と言われていた種族。


「ふむ。先程見た統率狼(コマンダー)より遥かに大きいな。

ならば先程の統率狼(コマンダー)は群れから追い出された個体か?

つまりは君が群れのボスと言う訳だ。」


群れから追い出されたと言われ、群れを飛び出し世界を見て回っている我が子を思い出す。

つまり目の前の適応者(ドラゴン)は我が子に会っている。

目の前の適応者(ドラゴン)はただ挨拶するような奴では無いだろう。


姿勢を低くし、唸る。

全身を覆う体毛が少しずつ硬く重く、そして鋭く変化していく。


「言葉は通じているようだな?

だが戦いに来たわけではないんだ。

今までも群れから少し離れた統率狼(コマンダー)を頂いていたが。

今回は強い個体が欲しくてね。

良かったら君、仲間にならないか?

そうすれば他の統率狼(コマンダー)には手を出さないでいてあげよう。」


全身を覆う体毛がさらに硬く重く、そして鋭くなる。

鋼の塊となる。

マーナガルムはカナンへと襲いかかる。


カナンの指先から小さな白い光の玉が飛び出す。

それはマーナガルムの鼻先で爆発するようにとてつもない光を放つ。

目を潰すに十分過ぎるほどの閃光。

しかしマーナガルムは止まらない。


すれ違いざまにカナンの体を切り裂く。

カナンは追撃を恐れマーナガルムにすぐさま水の刃を放つ。

放った直後背中に痛みを感じる。

背中が切り裂かれている。


森の中から現れた複数の統率狼(コマンダー)に攻撃されたようだ。

統率狼(コマンダー)達はまた森へと駆け込む。

放った水の刃もマーナガルムにはダメージにはならないようだ。


「ここが君たちの生息圏だと忘れていたよ。」


マーナガルムは目を開ける。

視界を奪っていた光魔法の効果は、すでにない。

姿勢を低くし、カナンの様子を伺う。


マーナガルムはカナンへと走り出す。

カナンの両の手のひらの上に青白い光の玉が現れる。

マーナガルムを撃退しようとすると背後からとても重い衝撃が。

あまりの衝撃に体が仰け反る。


背後には複数の統率狼(コマンダー)が鉄塊となって体当たりしていた。

そして手の届く範囲までマーナガルムは迫っていた。

咄嗟に腕をクロスさせ防御する。

腕、そして胸の鱗が切り裂かれる。


「痛み分けだな…」


マーナガルムの体は凍てついていた。

氷が砕ければその中の鋼も砕け散る。

先程水の刃を受け体が濡れていた。

それ故に氷魔法も絶大な威力となった。


そして地面も濡れていた。

マーナガルムが着地すればそのまま地面ごと凍結する。

だがその程度マーナガルムならどうと言う事もない。

だがほんの一瞬動きが止まる。


カナンが地面を尾で叩く。

マーナガルムの足元から岩が間欠泉のように吹き出す。

マーナガルムにダメージはないものの空へ吹き飛ばされた。


読んでいただきありがとうございます。


良ければ評価の方頂ければ励みになります。


これからもこの作品を読んで頂けると幸いです。

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