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追憶の旅  作者:
102/135

暴風

風迅鳥(ソニック)神速馬(ジェット)の魔法が風ならば。

そいつは暴風と呼ぶに相応しいだろう。

暴風鳥馬(ゲール)とでも呼ぶべきか。


「近付けそうにないな…」


「近付こうにも早過ぎる。」


ラキは風を圧縮した刃を放つ。

ソアラは氷の礫を放つ。

それらは体に纏う暴風で届くことは無かった。


「…仕方ないか…」


「どうするつもりだ?」


「私が気を引く。

気を引いたら動きを止めてくれ。

任せるぞ。」


そう言ってラキはソアラの背中から飛び降りる。

暴風鳥馬(ゲール)はラキを追うかソアラと戦うか迷っているようだ。


「ソアラお前は幸運だ。

私という幸運の女神がついているのだからな!」


ソアラは幸運なことに暴風鳥馬(ゲール)の攻撃目標から外れたようだ。

落下するようにラキを追う。

どんどん地上が近付く。

ラキは落下しながらも風魔法を放つ。

暴風鳥馬(ゲール)に届くことはないが煩わしいようでさらにスピードを上げて追い掛けてきた。


ソアラの行動は幸運なことに暴風鳥馬(ゲール)には気付かれることはなかった。

暴風鳥馬(ゲール)よりも、いやソアラよりも巨大な氷柱が空中に現れていた。


「この大きさなら防げまい。」


その様子を見てラキはため息をつく。


「足止めを頼んだんだがな…

やはりあいつは苦手だ。凶暴すぎやしないか?

フロウも大変だな…」


地面が近付きラキは静かに着地する。

暴風鳥馬(ゲール)はその速度のままラキを踏み潰すつもりらしい。

ラキは避けることなく踏み潰された。


地面に衝撃が走り陥没する。

周りの大地はその衝撃で空へとせり上がった。

そこにくぐもったような声。


「まずは前足だ。」


岩が振り回された。

そう形容するに相応しい大きな棍棒。

左手に持つ盾も岩のようで。

その身に纏う鎧はまさに岩だった。


暴風鳥馬(ゲール)の前足があらぬ方向に曲がる。


「ギャァ!」


暴風鳥馬(ゲール)が叫ぶ。

とてつもない暴風が吹き荒れる。

しかしラキは動じない。

暴風をものともせず飛び上がる。


「翼も貰うぞ。」


棍棒を振るい翼を狙う。

暴風鳥馬(ゲール)もそうさせまいと後ろへ逃げる。

しかし前足が折れている。

思ったように暴風鳥馬(ゲール)は動けない。


「あいつ…私が居る事忘れてるのか?」


巨大な氷柱が暴風鳥馬(ゲール)目掛けて落ちてくる。

ラキは岩の大盾を構える。

先ほどの暴風鳥馬(ゲール)が起こした衝撃よりもさらに強いものが暴風鳥馬(ゲール)を襲った。


暴風鳥馬(ゲール)は巨大な氷柱に貫かれ、一瞬のあと氷付く。

巨大な氷塊の一部となった暴風鳥馬(ゲール)

その氷塊からラキが出てくる。


「まったく…」


そこにソアラも降り立った。


「お前…ラキか?

随分とまぁ…」


「とにかく片付けたな。

しかしこいつなんなんだ?

神速馬(ジェット)が成長するとこうなるのか?」


「…イービルカナン。

あの適応者(ドラゴン)の名だ。

カナンが原因と見るべきだろうな。」


「こいつが追いかけて来たのは…

追ってくるなって事だな…

ゴークの湖から大体西か…」


「まずはフロウ達と合流するぞ。」


ラキはまたソアラの背に飛び乗り大空へ飛び立つ。

この争いの大地に更なる争いが起ころうとしていた。

読んでいただきありがとうございます。


良ければ評価の方頂ければ励みになります。


これからもこの作品を読んで頂けると幸いです。

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