乙女ゲームのように人生一度でいいからモテてみたいと思いながら死んでしまった私が、異世界で三人の義兄弟の王子達から求愛されて悶絶死しそうになる ~王子三人~ 【モテ悶6】
「あー、ビックリした」
……でも、ラフタスは、どうして急にあんな事を聞いてきたんだろう?
『……ユフィアから見て、私はどう見えているのだ?』
目を見つめられながら、顔を近づけられたので、まだ胸がドキドキしている。
『……優しくて、強くて、カッコいい王子です……』
……あの時は、思わず、思ったことを全部口に出してしまった……
あの後、ラフタスは私の顔を見ることなく、
「ごめん、ちょっとすることを思い出したから、部屋に戻るよ」
と言って、自分の部屋へと戻ってしまった。
……ラフタスに、変に思われていなければいいけど……
「ユフィア姉さん、一緒に掃除をしましょう!」
「あ、ミランド、戻って来たんだね」
ミランドが掃除道具を持って戻って来た。
サッサッサッ!
ミランドはニコニコしながら掃除をしている。
「ミランドはいつも楽しそうだね」
「うん、もちろん楽しくないこともあるけど、楽しくなれるようにしてると、何故か楽しくなってくるんだよね」
……天性で楽しんでいるのかと思ったら、ちゃんと考えてそうしているんだ……
年下なのに、私よりしっかりしてるなぁ……
「でも、ユフィア姉さんも、最近、楽しそうにしてるよね?」
「え?」
「あれ? ボクの勘違いなのかな……。……ボクと兄さん達が会話してる様子を、いつもニコニコしながら見てたから……」
「………………」
……しっかりと見られている……
正確には、王子達のやり取りを、ニヤニヤしながら見ていたのだが……
……ミランドがいい風に捉えてくれて助かった……
◇
「……ロドリアお兄様、もう出発されるのですね……」
「ああ、戦地で多くの仲間が戦っているからな……」
……できれば戦地など行って欲しくはないが、仕方がないことのなのだろう……
それなら、せめて……
「あの、これ、急いで作った物で、申し訳ないのですが……」
「これは?」
「私が作ったお守りです」
ロドリアお兄様にアミュレットの入ったお守りを渡した。
「……ありがとう……。大切にするよ………」
ロドリアお兄様が目を細めて微笑する。
そして、大事そうに懐へとしまった。
……転生前の趣味がこんなところで役に立つとは……
「これは、ユフィアのためにも、死ぬわけにはいかないな……」
「……当たり前です!! 私だけでなく、ロドリアお兄様の無事を祈っている人は大勢いますから……」
私は思わず大きな声を出していた。
……危ない危ない……
死亡フラグを立てるところだった……
ロドリアお兄様が少し驚いた表情をしている。
「……必ず、戦地の状況を解決して戻って来るから……」
「はい。……必ず戻って来てくださいね……」
バッ!
「ロドリアお兄様?!」
私が悲しそうな表情をしていたからか、ロドリアお兄様が私を強く抱きしめてくれた。
「……これで、少しは安心してくれたか……」
……力強い……
でも、優しい声……
「………どうか、ご無事で………」
王子だからだとか、そんなのは関係なく、私の大切な人として心からそう願った。
最後まで読んでいただきありがとうございます!!
短編なので毎話続きではありませんが、『モテ悶』の第6弾を書いてみました。
……相変わらず好き放題書いています……
今回は『モテ悶3』と『モテ悶5』の続きっぽい感じになっています。
時系列関係なく好きな話を書いて、話が溜まってきたら、編集して連載小説として投稿するのもありなのかなぁとか考えています。
評価が多いと続きを書きたくなる気持ちになりやすいので、もし続きを書いて欲しいと思った方がいましたら、画面下の「☆☆☆☆☆」から評価をよろしくお願いします。
感想も気軽に書いていただければと思います。
ブックマーク登録は嬉しいですが、続きを書くにしても、しばらくは短編で投稿して行くことになると思いますので、お気に入りユーザで登録してもらった方が便利かもしれません……
続きではありませんが、『モテ悶7』を短編で書いてみましたので、よかったらそちらも見ていただけると幸いです。