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椿の独り言③

後半部分を大幅に加筆しました。


実際は、分けて書いていたものを投稿時に統合する予定だったのですが…

統合せずに前三分の二を投稿してしまうという失敗を致しまして…。

また目を通して頂けると幸いです。










ミルクホールには15〜16人のクラスメイトが集結している。

全員HR中の賭け…投票でマキ先生から賞品のドリンクチケットをもぎ取った子達だ。

もちろん私も勝者の一人なのだけど。

菫さんと光さんも私と同じところに投票して、見事に権利を得ていたわね。教室を出る時に、私の意見を聞いて投票先を変えたって言ってお礼まで言われちゃった。うふふ。

お役に立てて良かったわ。


最初は賞品を受け取ったら、すぐに帰ろうと思っていたんだけど、菫さんと委員長が何やらHRの続きを始めちゃって、何となく離脱しづらい雰囲気になっちゃってね。

そのうち、せりさんと なづなさんも加わって本格的にHRの続きになっちゃって、もう帰りますとはとてもじゃないけど言えない状況なのよ

仕方がないから、ダラダラと出て来る意見を聞いていたんだけど、途中から、せりさんも なづなさんも難しい顔になっちゃって。たぶん意図したところから大きく逸脱して、暴走し始めてるんじゃないかしら?


お手洗いに行っていた せりさんが帰って来た時にね、沙羅さんの手を引いていたの。

あ、沙羅さんって、私の席がある窓側の列の一番後ろの席の子なんだけど、凄く小さい子でね。可愛らしいのよ。

手を引かれて小走りに戻って来た沙羅さんがね、赤い顔をしていてね。ああ、これは、せりさんに何かされたんだろうなって。わかっちゃった。

…何かされたって言い方がアレかしらね?

え?ち、違うわよ?!

見つめられたとか、抱きしめられたとか、そういう事よ?!別に、その、如何わしい事をされたとか、そういう意味じゃなくてね?!

…それはそれでちょっと羨まし…えふん!

あ〜…え〜と、なんだったかしら?

あ、そうそう!

沙羅さんね!

沙羅さんが赤い顔してたって話ね!

あの子はきっと、せりさんのスキンシップを受けてしまったのよ!間違いないわ!

だって、あの表情は見た事あるもの。

今日、職員棟の、御手洗いで。

鏡の中にあった顔と同じ表情をしているから。

わかる。

わかるわ!

せりさん に見つめられたら平静を保てないわよね。

あの綺麗な瞳が自分だけに向けられている、それだけでドキドキしちゃうもの。


まぁ、その後もせりさん達による容赦ないスキンシップ攻撃の前に沙羅さんのHPがゴリゴリ削られていくのを眺めながら、ちょっと羨ましいなぁなんて思ったり、あれをやられているのが自分じゃなくて良かったと思ったり…

こういうの、二律背反っていうんだっけ?


それでね、解散になる直前にね、最後の攻撃があったのだけれど、それがまた一段と強烈で。

ダメ押しの様に菫さんまで参加してね。3方向から美少女に抱きしめられるという、もう、ご褒美なのか拷問なのかわからない状況で。

沙羅さん、顔真っ赤にして必死に耐えていたみたいだけど、よくもまぁ正気を保っていられるわよね?

私だったら多分、失神してるんじゃないかしら?


委員長が解散を宣言して、せりさんと なづなさん も職員室に行くって言ってミルクホールから退出して行ったの。

この時はまだ数人残っていて、その中に沙羅さんも居たの。気を落ち着かせる為に深呼吸していたわ。

ひっひっふーって。

…深呼吸?

…ひっひっふーって深呼吸だっけ?

まぁどうでもいいわ。

折角だから、お手洗いでどんな目に遭っ…どんな素敵な経験をしたのか聞いてみようと思ったの。

だって私、途中で意識を失ってしまったんですもの。

ちゃんと味わっ……堪能し……え〜…あ〜…

最後まで、お話し出来た…そう、ちゃんと最後までお話し出来た沙羅さんの感想をね、聞いてみたいな、と。

で、ミルクホールを出る時に声を掛けて、歩きながらおしゃべりしたの。

そしたら、もう、予想以上の攻撃だったらしいわ。

正面からぎゅ〜〜ってハグされたんですって!

沙羅さんって小柄じゃない?申し訳ないけど、初等部の子だって言われたら信じちゃうくらいに小柄なの。

いくら せりさんが小柄でも、沙羅さんと比べると大きいのよ。そこそこ身長差があるの。

その身長差で、頭を抱えられて、思いっきり抱きしめられたんですって!

せりさんの、お胸に!

思い出しちゃった…あれ、凄かったわ…

そうそう。沙羅さんの感想なんだけどね


「凄い弾力があるのに、押し付けたらどこまでも沈んでいきそうだったんです…。」


だそうよ。

よく平気だったわね?

私、血の巡りが良くなり過ぎて意識飛んじゃったわよ?

どうやって平静を保っていたの?

…平静じゃなかった?

じゃあどうやって…?

お経?

お経唱えてたの?!

お経に意識を分散させて集中しない様にしてたの?

はぁ、そんな方法で。


「だ、だって、堅いのに柔らかくて、ふわふわでぽよんぽよんで、いい匂いで、集中したら、その、粗相してしまいそうでっ…!」


わかるっ!!

現に私はその直前まで…げふん!

い、いえ、なんでもないわ。

私にも経験があるのかって聞かれたから、今日の事を話したの。所々伏せて、だけどね。

せりさんの双丘に圧殺されかけた事も当然話したわ。

結果、私達の統一見解は “あれは凶器だ” よ。


3人に抱きつかれていた時も、左右の腕と背中に当たる母性の象徴の感触が凄くて、必死にお経を唱えて耐えてたんだって。

何もそこまでと思わなくもないのだけど、でもまぁ、

衆人環視の中、恥ずかしい姿を晒すよりはずっとマシかしらね?

それでね。話してて思ったのだけど、なづなさんもそうなんだけど、せりさんの瞳。あれ、なんなのかしら?彼女、真っ直ぐ見つめてくるじゃない?それは良いの。でもね、見つめられていると目が逸らせないのよ。逸らせないから見つめ返す形になるんだけど、そうすると今度は…なんて言ったらいいんだろう?

…あ、今日お会いした(よもぎ)お姉さま!

あの方、変な能力でもあるんじゃない?って話、あったでしょ?あんな感じなのよ!せりさんの()

魅了(チャーム)の力でも出てるんじゃない?

そんな訳ないんだけど。


何かこう、好意を持っちゃう、みたいな…?

せりさんも なづなさんも、相手に対して敵意とか害意とか、邪心がないから、純粋に好意だけを視線に載せてるくるから油断しちゃうのかしらね?

で、いつの間にかあの可愛さにやられちゃうのよ。

ね、沙羅さん。そんな感じじゃない?

コクコクと頷いている沙羅さん。ホント可愛いわね。

抱き寄せてナデナデしたくなる可愛いさだわ。

そんな事を考えてる時に、沙羅さんがポツリと溢したのよ。


「いいなぁ…みんな綺麗で可愛くて…。」


はい?何を(おっしゃ)ってるんですか、この(うさぎ)さんは?

沙羅さんは充分可愛くて魅力的だと思うけど?


「え?いえ、それは、小さいから、そう見えるだけで…。」


そうかしら?

顔立ちこそ幼いけど、とても整っているし、大きな黒い瞳、少し下がった眉尻は柔らかな印象を強調していて、小柄な体躯も相まって、まるで小動物の様な…


「も、もう結構ですっ…!」


そう?

沙羅さんの可愛いところなら、もっと出てくるわよ?

そもそも、せりさん達や菫さん光さんなんていう“超”が付くような美少女と比べるのが間違いなのよ。あの子達は別カテゴリーよ。

大丈夫、沙羅さんとっても魅力的よ。断言するわ。


確かにね、あの4人は別格なのよ。

でも、あの4人が凄いだけで、普通に考えたらウチのクラスって可愛い子多いわよね?

桂さんや満さんみたいな元気なタイプ。

委員長みたいなクールなタイプ。

凛蘭さんの様な控えめなタイプ。

沙羅さんもこのタイプよね。

そんな激しく否定しなくてもいいじゃない。本人はどうあれ周りからはそう見えてるって事よ?

それでね、それぞれが魅力的ですよね?

他の子達だってそうでしょう?

学年別のミスコンとかやったら、ウチのクラスだけでTOP10独占出来るんじゃない?


…そう考えると私、なんかとんでもないクラスに放り込まれた気がするわね…。


このクラスになって、せりさん達がクラスメイトだと知った時は、そりゃあもう嬉しかったわ。

あんな可愛い子達を近くで見れる!ってね。

もしかしたらお近づきになって、噂に高い双子の逢瀬を目に出来るかもしれない。

そんな風に思っていたんだけど。

初日から予想を遥かに上回る濃厚な交流をしてしまって、大変だったわ…。

文字通り大変な事になっちゃたんだから…

お気に入りだったのよ…?

犠牲は大きかったわ…。

え?ああ、こちらの話です。


でもまぁ、せりさん達とお近付きになれた訳だし、沙羅さんとも仲良くなれたしね?

ほんと、よかったわ。


…なんでせりさん達を近くで見たいのか、って?

え〜…と。

…恥ずかしいから内緒にして貰えます?

…ホント?

約束よ?

私ね、趣味でライトノベルとか、漫画とか描いてるの。

描いてるって言っても全然大した事ないんだけどね。それでね、その、ジャンルがね…BLとかGL…って言ってもわからないわよね…ん〜…え?わかるの?…意外だわ…。

そう!そうなのよ!

GLのモデルにピッタリだと思うでしょう!?

例え色眼鏡だとしても、せりさん達ってそういう感じじゃない?!お二人をモデルにしたらさぞ麗しいんじゃないかって、思ってね。

でも、お近付きになれてね、あ…。

…これも、内緒よ?絶対よ?


せりさん達、お互いに愛の告白をなさったの!

ホントなのよ!この目で見たんだから!

今朝!教室で!

他の目撃者もいるんだから!

素晴らしく麗しかったの。本物の百合姉妹が目の前に存在したのですもの!

“事実は小説よりも奇なり” というけど、事実はファンタジーすら凌駕するんだって思い知ったわ!


あ、ごめんなさい。ちょっと興奮しちゃった。

話を戻すと、創作の参考にしたいなっていう下心もあってね、お二人と一緒にいたら素敵な女の子達がたくさん見られるんじゃないかと。そんな感じ。

けど今はね、なんか純粋に見ていたいなぁって、思ってるの。


え?

私の作品を?

読んでみたい?

いやいやいや。まだまだ全然…た、確かにラノベならそんなに掛からないかもだけど…

う、確かに読んでもらって感想言って貰った方が良いのはわかるけど…まだ途中だし…。


…わかった、じゃあ区切りの良いところまで書けたらね?まだ先の話よ?あんまり期待しないでね?ホント大した事ないからね?


はぁ…。

沙羅さんって意外と押しが強いのね。

ちょっと印象が変わったわ。

勿論、良い意味よ?ただ大人しいだけじゃない子だってわかったもの。

じゃあ約束ね。頑張って書いてみる。


まだ書き上がってもいないのに、最初の読者が出来ちゃった…


でもそうね。

私、性格的に覚悟が決まらないとやらないタイプだから…いい機会かもしれないわ。

これで書くしかなくなったもの。

ちょっと本気でやってみよう。

駄作だとしたって誰も困らないんだから。

私が恥ずかしいだけで。


…私が恥ずかしいんですよねぇ…


ああ、やめやめ!

約束したんだから書こう!

恥ずかしくたっていいんだ。

兎に角やってみる!





…思えばここが分岐点




















重ねて失態をお詫び致します。

次話の投稿は明後日となります。

どうかよろしくお願いします。

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