椿の独り言②
超短編
おまけ話
ねぇ!
私、どうすればいいの?!
せりさん が、せりさん がね?
優しいの。
凄く気にかけてくれて、色々と心配してくれて、膝枕で頭撫でてくれたり!…お腹摩ってくれたり…。
わかってる、わかってるの。
あの子は優しくて親切なだけなのよ。
本気で私の体調を心配してくれているの。
…わかってる。他意はないのよ。
でも!
やっぱり勘違いしちゃいそう!
さっきだって「おんぶしようか〜」とか、「抱っこの方がいい?」とか!
おんぶなんて、そんな密着したら心臓の音聞こえちゃうんじゃないの!?せりさん の背中に身体を預けて、こう、首に腕を回して!あの綺麗な髪に顔を埋めてっ!ああ!更には抱っこですって!?抱っこって、あれでしょ?お姫様抱っこ!横抱きにされて、胸に身体を預けて、首に手を回して!あの麗しいお顔に頬を寄せてっ!あああ!
せりさん だけじゃなくて、なづなさん もよ?
どっちが良い?っなんて言うのよ?!
選べるわけないじゃない!
しかも、ホントに抱っこしようとするし!
もちろん辞退したわ。
だって絶対大変の事になるの、目に見えてるもの!
違うわね、身体が知っているのよ!
…我ながら言い回しがえっちだわ…
その後だって、階段を昇るだけなのに なづなさんったら手を差し出してエスコートしてくれたのよ?私の体調を心配しているのでしょうけど、かえって動悸が激しくなっちゃったのは内緒にしておかないと。
…あぁ…もう!
もう、もう!
おんぶは兎も角、抱っこ出来る自信があるのもスゴイけど、言う?そんな事!?
普通言わないわよね?!
そんな事されたら、ぜっっっっっったい!
堕ちちゃうわ!
坂道を転がるみたいに一気に!
危ないわ。
ホント危ない。
あんなに無防備で、距離が近くって、友達思いで。
柔らかくて、いい匂いがして、弾力が凄くて…いえ、弾力はどうでもいいのよ、私が知っていれば。
…私が知ってればって…そうじゃないでしょ?!
あぁ!違う違う!なんで独占欲出してるの私!?
…そう、そこなのよ…!
せりさん は、みんなに優しいの。
私にだけ特別に優しい訳じゃないの!
なのに、私だけに微笑んでくれてるんじゃないか、私だけに優しくしてくれてるんじゃないか、って。
思っちゃうのよ。
もう!
そんな訳ないじゃない!
私は!せりさんを!見ていたいの!
私のものになって欲しい訳じゃないの!
勘違いしちゃダメよ!私!
あぁ、でも膝枕、よかったわ…
凄い眺めだったもの。
立っていた時は気にしてなかったけど、下から見上げたら…かなりのボリュームだったわ。
おそらく想像よりも遥かに大きいわよあれ。
その大きな山脈の向こう側に慈母の笑みがあるのよ?
あんな景色、滅多に見られない。
……その山が雪崩れて来たのは想定外だったわ。
召されるかと思ったものよ。
…ある意味、召されちゃった感はあるけど…。
コホン。
と、とにかくね、
せりさんと なづなさん が、親切で優しくて、友達思いな、凄くいい子だって話なの!
でもね、あの調子でみんなに接していたら、きっと勘違いしちゃう子もいると思うの!
私ですら、こんなんなってるんだもの!
思春期の恋愛脳の子なんてイチコロよ?!
せりさん達に、優しくしちゃダメ、とか言うの?
出来ないわよそんな事!
あの子良いところを潰す様な真似、出来る訳ないでしょう!
どうしよう?
どうすればいい!?
私、何か出来る事ある?
え?
なんでそんなに首を突っ込むんだって?
そんなの決まってるでしょ。
私、せりさんが好きなの。
…え?
あ、ちちちちち違う違う!
人!人としてね?!
友達!
友達だもん!
気になるじゃない?!
確かに、確かにね。
知り合って間もない、ううん、知り合ったばかりだから友達を名乗るのは烏滸がましいかもしれないけど!でもでも!ちゃんとお友達になりたいと思ってるのよ?!
……ふぅ…。
自問自答でセルフツッコミとか…自分自身に言い訳とか、もう…極まってるわね私。
話が行ったり来たりしちゃって、自分でも訳分からなくなっちゃってるし…
ちょっと整理しましょう。
私は、せりさん と なづなさん が、その、好き…よ。
…改めて言うと恥ずかしいわね、これ…。
で、せりさん達って、ちょっと天然の…言い方は悪いけど、人誑しなのよね。
みんなに、平等に、愛を振り撒くのよ。
しかも少し距離が近い。
スキンシップも過剰気味。
わかっている人、友人やクラスメイトは彼女達のそれが、特別な気持ちでない事を理解しているけど…それを知らない子が突然その行為に晒されたら…。
きっと勘違いしてしまう。
その勘違いがトラブルを呼び込むかもしれない。
それを避け、せりさん と なづなさんを守る為には…
あ。
ファンクラブとか作るのどうだろう?
書いていると椿さん、勝手に喋り出すので楽ですw




