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あくしでんと②

「胸…じゃなくて!スポーツタイプのってどんな手触りなのかな…って…その…。」


あ、あぁ、そういう。なるほど肌触りを確かめたいと、それは理解(わか)る。肌触りは超重要!ボク、裏起毛のシャツとか結構苦手なんで凄くわかる。


肌触りといえば、以前の世界(ぜんせ)で着てた『ナノ・バイオスキンスーツ』ってのが凄かったっけなぁ。着るとヒュヒュヒュッって肌に張り付いてさ、まるで皮膚と一体化した様に感じるんだ。だから皺も寄らなければ、(たわ)んだり(たる)んだりもしない。

保温断熱、通気発汗、生体維持、高所水中は元より理論上成層圏外の真空、つまり宇宙空間でも活動可能っていう機能てんこ盛りの超ハイテクノロジースーツでさ。何より凄いのが通常時は『皮膚感覚がスーツの外にある』って事なんだ。コレが洒落にならない。

見た目は…そうだなぁエナメルとかラバーを継ぎ接ぎした様なぴっちりボディスーツなんだけれど、着た瞬間、何も着けて無いような感じになるんだよ。

風も熱も触覚も、全部ダイレクトに感じるのね。

当時は何とも思わなかったけれど…今アレを着たら、恥ずかしくて表を歩けないんじゃないかなぁ…?

だって感覚的には裸でいるのと変わんないんだもん。


と、まぁこんなの説明しても漫画かラノベの設定にしか聞こえないよね。話すつもりは無いから別にどうでもいいのだけれど。


…っと、また脱線…度々ごめんね?


えっとなんだっけ?…そうそう手触りの話だよね?うん、良いよ触ってみて。それは良いとして椿さん。何気に『胸』って言わなかった?いや、言い間違いなんだろうけれど。流石にそっちは『はい、どうぞ。』とは言えないよ?


「し、失礼します…。」


主に背中側と脇周りとはいえ、3人に寄って集って撫で回されるという、なんとも小っ恥ずかしい状況です。しかし…3人とも可愛い女の子なんだから、ある意味ハーレムってやつなんじゃなかろうか?

んふふ、よいぞよいぞ。近う寄れぃ。


……いや違うだろ。何言ってんのボク?


…えふん、あ〜…。

それで、どうですか?手触りの方は?

ちょっとサラっとしてるでしょ?これね、吸汗速乾素材なんだって。

ボクは結構好きなんだよね。それに蒸れないから運動するんだったらお薦めって言われたんだ…すずな姉ちゃんに。


「こんな風になってるんですね…私はまだパッド付のキャミだから…。」


「沙羅さんも?私もよ。まだ()()()()から… 」


そう言って身体の前で両掌をストンと下に落とすジェスチャーをする椿さん。いやいや、そんな自虐ネタ突っ込んでこなくても…。


「凛蘭さんも()()()()()なの?」


自分で言ってダメージを受けたのか、少し暗い表情の椿さんがボクの下着の脇部分を撫でながら凛蘭さんに話を振った。

顔は凛蘭さんに向けたままだから殆ど無意識なんだろうけれど、撫で方がちょっと…くすぐったい。ぅひひ。


「いえ、私は…カップ付きのです…。」


凛蘭さんは発育良い方だもんね、ちゃんとしたの着けてる気がするよ。勝手なイメージなんだけれど、コットン素材のふかふか~っとした形で、白地に淡いピンクのリボンとかフリルが付いてる様な…あまい感じのを着けてる、みたいな?


「なっ…!なんで知ってるんですかっ…!?」


自分で言ってしまってからハッとして口を抑える凛蘭さん。ドジっ子カワイイ。

…って、…あれ?

あれれ?

ホントにそうなの?!

いや、凛蘭さんはロリータ系の服とかが好きだって聞いてたから、なんとなくね、下着もそんな感じなのかなぁ…って思っただけでね?知ってた訳でも見た訳でもないからね?もちろん誰かからこっそり情報を仕入れてたなんて事もないよ?あくまでボクの想像だからね!?言い当てちゃったのはビックリだけれど。


「そ…そうですか…それなら、まぁ… 。」


ふぅむ。しかしロリータ系の下着かぁ。ちょっと見てみたいかも…写真なんかでは目にする事もあったけれど、実物は見た事ないからねぇ。

いやいや、勿論そんな事は本人に言わないよ?

引かれるに決まってるもの。

みんながみんな、桂ちゃんみたいに思い切りが良い訳じゃないからね、不用意に『見せて』なんて言ったりしないから心配しなくていいよぅ。


「ねぇねぇ!せり!」


直ぐ近くで下着談義をしていた桂ちゃんが菫さんと満さんを引っ張ってぱ来て、それは楽しそうな笑顔で捲し立てる。


「あのね、菫さんが今度初ブラ買うらしいんだけど、それで思いついちゃったの!6月に修学旅行あるじゃない?その時さ、みんなでお気に入りの下着持って行ってさ!見せ合いっこしよう!ファッションショーだよ、ファッションショー!どう?!良くない?!いいでしょ!?」


お、おお?

いや、それ、みんなOKしたの?してるわきゃないよね!?確かに旅行先で盛り上がって、流れでそういう事になるってのはあるかもしれないけれど、あくま同じ班とか部屋とかの括りでしょ?!計画的にやるの?みんなで?!


思わず なづなを見ると、苦笑しつつ肩を竦めた。

ちょっと!?投げないで!?

光さんは?!

ふわふわ微笑んでいらっしゃる?!

既に着替え終わって話を聞いていたであろう赤池さんや井上さん達は、両手を差し出して『どうぞどうぞ』のポーズ。

ちょ、ちょっとまって?!みんなボクにどういう答えを求めてるの!?賛成していいの?!反対した方がいいの?!え、これ、ボクが『良いねやろう』って言ったら、君らも漏れなく巻き込まれると思うんだけれど、それはいいの!?それで良いならやろうって言っちゃうけれど…いやいや!さっき『不用意に見せてなんて言わない』って考えたばかりだろ?!


確かにね?楽しそうは楽しそうだけれど…!


「行ってからのお楽しみって事にしましょう?」


ボクがどう答えるべきか迷っていると、全く別の方向から割り込んで来る声があった。声の主は…彩葵子さん!おぉ、思わぬ援軍!


「今決めなくたって、お泊りとなればきっとみんな浮かれちゃうでしょうし、似た様な事は起こるわよ。」


「そっか。そうだよね!じゃ光さん満さん、うんと可愛いの買わないとね!あ、セクシーなのでも良いよ?こう、カップがこんな感じのヤツとか。」


桂ちゃんは指で自分の胸の下端辺りをスッとなぞったのだけれど…そのなぞり方だと、布地がほぼ無い様に見えますよ?ストラップだけに見えますよ!?セクシー通り越してますよ!?

っていうかやる気満々だね?!


「「それはちょっと… 」」


ですよね?!

2人の声が揃ったところで桂ちゃんてば、え〜なんで〜ランジェリーのモデルさんなんてもっと凄いの着てるんだよ〜、とか文句たらたら言ってましたが、モデルさんじゃないから。プロと一緒にしないで。


いやしかし、ありがとう彩葵子さん。あんな話してたから叱られるかと思ったのだけれど…割って入ってくれて助かった。


「流石にクラス全体のイベントにしちゃうのは、ね。仲の良い者同士でやる分には良いんじゃないの?」


ふむ、それもそうか…


「ま、ちょっと気が早いとは思うけど、旅行は私だって楽しみだもの。それに… 」


それに?


「せりさん達がどんなのを用意してくるのか…楽しみね。」


あ、参加前提なんだ?

ほほう?


「あ、いえ、わ…私は見せないわよ?!」


見せる見せないは、その時の個人の判断でいいんじゃないかな?『こんなの買ったの見て見て!』って子もいれば人前で肌を晒すのが嫌な子だっているんだろうし。ただその場に彩葵子さんがいれば、これ以上はダメっていう一線でキチンと止めてくれそうなんだよね。お目付役的な?

まぁノリで見せてくれるなら、それはそれでみんな盛り上がるだろうけれど。

…と、いう訳で…

桂ちゃーん彩葵子さん、やるなら参加するって。


「え?ホント?やった!委員長公認!!」


「ちょっと!?せりさん!」


仲の良い者同士ならいいんだもんね?

と、自分と彩葵子さんをひょいひょいと交互に指差して、少し悪い笑みを浮かべてみる。


「……結構ずるい人ね…。」


あはは、褒められた。










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