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第十三話Part4④



 「…は?」

 サフィールMらは神造天使から神造天使へと次々に跳び移った。

 『デュエルブライド』は、全力であれば百メートルを一秒で走り切れる。それが進化したサフィールM達であれば、より早く走れる。その速度と跳躍力を利用して、一度におよそ二十メートル以上の高さを跳び、それを繰り返して『通用口』へと近づいているのだ。この作戦を唯一知らされていなかったダシルヴァが、驚愕し、呆然とし、混乱していた。天に近づこうとした人間の伝説は世界各地に残されているが、未だかつてこのような方法で乗り込んだ人間など存在しない。魂が抜けたような顔のダシルヴァの口から出たのは、いつもと変わらぬはずの罵倒の言葉だったが、その意味は全く異なるものになっていた。

 「……バカか…」

 「オレも最初にそう思った。脳みそ筋肉みてェな方法だよな」

 「……」

 「けど、一番合理的だ。見ろよ、ちゃんと地面(・・)があるだろ」

 ゴルディエが言う通り、人造天使達を地面の代わりとして、地上での水平距離約一万八千メートルを走行するのとさほど変わらぬペースで、サフィールMらは真上の通用口へと接近している。それも先ほどアンベリアが言った通り、百秒程度で到着するほどの速度だ。

 跳躍によって蹴り落とされた神造天使は落下し、地面に激突して関節部が千切れ行動不能になっていった。破損した銀色の体が次々と積み重なっていく。現時点では無事に着地できている方が少ない。その最初の一体が無事に着地する直前、指揮を任されたペルドッサが号令をかけた。

 「皆さん、行きましょう!」

 『おおおおー!』

 「必ず二人一組で行動してください。ペア相手の交替は自由ですけど、できるだけ固定で!」

 鬨の声とともに、わずか十二人の少女達が天使もどきの大軍勢に立ち向かう。

 サフィールらは既に『通用口』の手前、『境界線』を視認できるほどの高度に到達していた。ここを通過しようとすれば、肉体が消滅する…そこから上は神の世界だ。だが、神の管理者権限を剥奪する技を、サフィールM達は持っている。すなわち神の世界に踏み込むことも不可能ではない。

 「みんな準備して!」

 サフィールMの号令に合わせ、まずエメルディMが巨大な矢を弓につがえ、引き絞った。続いてクリスタMがリボンをサーベル状に変形させ、ルビアMはロッドを居合い抜きの型に構えた。そしてサフィールM自身も、ガントレットに包まれた右の拳を構えた。全員の胸のジュエル、そして武器が輝いた。サフィールMが拳を振りかぶり、叫ぶ。

 『ピュリファイアッ! スパークル!!』

 エメルディMの矢が、クリスタMのリボンが、ルビアMのロッドが、そしてサフィールMの拳が、『境界線』を直撃した。電光がその表面を走り、膜のような表面を分解・消滅させた。四人分の浄化の電光によって、『境界線』の一部が崩壊した瞬間だった。問題は神の世界に無事に進入できるかどうかだったが、進化したジュエルの力を用いて精霊達がバリアを張り、それを装束と皮膚に直接流し込む。皮膚及び装束に直接施された防護機能により、四人のブライドは何の問題も無く『境界線』を乗り越えた。ここまで上手くいったのは、ブライドと精霊の能力に加え、恐らく神もこのような上り方を想定していなかったことが大きいのだろう。まして神造天使…すなわち地上の人間を標的とした殺人ロボットだけでは、想定外の自体に対処することなどできるはずもなかった。

 「アキラ、これで何も気にせず戦えるプル!」

 「サンキュ、プル! やっぱりプルはすごい! 精霊すごいよ!」

 サフィールMは改めて精霊の能力に驚愕し、そして心の底から感謝する。まさに神との闘いのに欠かせないパートナー達だった。彼らとて、ジュエルの進化が無ければ、こんな複雑な技能は扱えなかっただろう。ロゼルが言った通り、『マリアージュ・リング』発動による進化自体が神に近づく方法だと証明されたのだ。

 『境界線』の向こう側は、黄金に淡く輝く雲のトンネルになっていた。そこをゆっくり降下してくる神造天使達を踏み台に駆け上がっていくと、巨大な光の輪が見えた。神造天使たちはその中心から出現している。つまり、それが出動のための出口なのだ。

 そしてそれをいまにも潜り抜けようとしたところで、神造天使と異なる何者かが輪の中に出現した。今までの天使達と同じく白い詰襟の服を着て、胸には青いオーラクリスタルを備えていた。体格は大きく筋肉質で、身長は二メートル、体重は二百キロ以上ありそうだ。

 「…フン」

 巨躯の天使はサフィールM達に邪悪な笑顔を向け、地上に落下していった。ほぼ同時に、四人のブライドは光の輪を潜り抜けた。

 光の輪の向こう側は、床も壁も柱も白い石でできた広大な空間だった。薄暗く周囲の様子はよく見えない。サフィールM達は自分達の無事を確かめ、床や壁に触れる。精霊の防護によって、地上の人類である彼女たちも神の世界の物質に触れることができていた。

 サフィールMは今しがたすれ違った巨躯の天使の顔を思い出した。彼女たちを嘲笑い、地上へと降りていった天使の邪悪な顔を。

 「今の天使、まさか皆を…!」

 「どうしよう、みんなが…あんなひと、見たこと無い!」

 見知らぬ天使の姿に、クリスタMもパニックになりかける。だが二人の肩にエメルディMが手を置き、落ち着かせた。

 「きっとどうにかできるはずよ。二人とも、落ち着いて。そしてみんなを信じなさい」

 「ハル…」

 「緑川さんの言う通りよ。それに…もしかして、誰か『マリアージュ・リング』を発動できるかもしれない」

 「………うん、それに賭けよう。いや、誰かはできるはずなんだ」

 続くルビアMの言葉に、サフィールMはうなずいた。そして全員で周囲を見回し、出入り口を探した。門がすぐに見つかった―――だが薄暗さになれた目で壁を見上げた瞬間、四人は戦慄した。階段状になっている壁に、神造天使がずらりと並んでいるのである。

 金属でできた天使もどきの姿が、どこからか照らす淡い光に不気味に浮かび上がっている。そして最も低い位置にいる神造天使達が何列かに分かれ、複数ある光の輪を通過していった。つまり、ここは言わば『飛び込み台』だ。そしてその光景を見たクリスタMが、わずかに目を見開いた。

 「ここ、来たことある……」

 クリスタMは壁に並ぶ天使もどきと高い天井を見上げ、記憶の中の景色を探る。

 「ステラと雪もここから送り出された。ここ、この建物には訓練の部屋もある」

 「じゃあステラ、この建物の構造は…神様の居場所はわかる?」

 「うん。みんな、ついてきて」

 だがクリスタMを先頭にして門から出ようと踏み出した瞬間、壁に並ぶ天使もどきたちの顔が一斉に四人に向けられた。目を持たぬはずの神造天使の、無機質な視線が突き刺さる。神造天使達は身を乗り出すと、崩れるようにして壁から転がり落ち、次々と床に積み重なっていった。当然それで終わるわけもなく、積み重なった先から四つん這いで走り出し、無数の神造天使が雪崩のごとく四人に襲い掛かってきた。地上で二足歩行していた時とは段違いの速さで、通常のブライドに勝るとも劣らぬほどだった。

 「走れ!!」

 サフィールMの号令で四人は走り出し、廊下に出て重い門を閉ざした。だがすさまじい物量で門は押し開けられ、四人はやむなく走り出す。先頭はクリスタMで、神がいる居室へと向かっているが、いつ神造天使の群れに追いつかれるか判った物ではなかった。金属製の人形が大挙して追いかけて来る光景に、四人は恐怖さえ感じていた。

 「やばい、あいつら早い! 逃げるより止めた方が良い!」

 《重くて大きい物でも投げつけるプル!》

 「柱とか何かあればいいんだけど!」

 走りながら提案するサフィールMとプルに、エメルディMが答える。追いかけられつつ、四人のブライドと精霊達はくまなく廊下を見渡した。しかし廊下は壁も床も天井も磨き上げられた石でできているだけで、武器になりそうなものも置かれていない。石自体が淡く光っているのか、照明は無いが明るさは十分に確保されていた。

 ふとエメルディMが廊下の端により、壁の石に触れた。何かを発見したのか、他三人が期待の視線を向ける。

 《おハルさん、何か手があるのかモフ!?》

 「ええ。飛び道具なら、いくらでも!」

 エメルディMがペルテに答えた直後、胸の緑色のジュエルが一瞬明滅した。エメルディMの掌が壁にめり込む。まさかと全員が思った直後、エメルディMは期待通りに壁の一部をえぐり取ったのである。そのサイズは縦横奥行きそれぞれ五メートルほど。一部の表面だけが磨き上げられた、巨大な岩塊であった。

 「嘘でしょう!? 何て無茶苦茶な…」

 《でも一番手っ取り早い方法だゼ!》

 驚愕するルビアMとパミリオの目の前で、エメルディMは岩塊を持った片手を大きく振りかぶると、再びジュエルを明滅させた。

 「ふゥゥンッ!!」

 野球漫画のピッチャーもかくやという美しいフォームで、エメルディMは岩塊を投げた。岩塊は直撃した神造天使を次々に爆散し、さらに天井をえぐって崩落させた。廊下が激震し、無数の鉄くずと瓦礫、そして巨岩が廊下をふさいだ。神造天使達は少しずつ岩塊や瓦礫を破壊し、サフィールM達を追いかけようとするが、壁石があまりにも頑強なのか、破壊は遅々として進まない。

 エメルディMは三人に背を向け、先行を促した。

 「三人とも先に行って。私は天使もどきを全滅させてから行く」

 「ハル!」

 クリスタMがエメルディMの手を握った。二人の視線がぶつかり合い、クリスタMは愛する者の意志を理解して、少しだけ強く握ってから手を離した。白く幼い頬にエメルディMの手が触れる。

 「ハル、ぜったい追いついてね。待ってる」

 「恋人にそう言われたらやるしかないわね。ちゃんと全滅させて追いつくから、待っててステラ」

 「…うん」

 頬を赤く染めてうなずき、クリスタMはエメルディMから離れて走り出した。サフィールMとルビアMがそれに続くのを確かめ、エメルディMは岩塊の隙間から這い出して来た神造天使を迎え撃つ。



 廊下を幾度か曲がると、今度は廊下に白い詰襟の服の姿―――何人かの天使達が現れた。両手にはダシルヴァ達姉妹の装備とよく似たガントレットを装備し、拳に灼熱の光を纏っている。飛び掛かってきた一人に、クリスタMは前方転回からの踵落としを顔面に叩き込む。

 「ぶぐぇっ!」

 天使は無様に吹き飛び、背後に並ぶ他の天使に激突した。ロボットである神造天使はともかくとして、三人とも天使達の命を奪いたいわけではないため、あくまでも追い払うにとどめている。これは無駄な体力の消費を避けるためでもあった。幸い、どの天使も四姉妹ほどの実力は持たない…むしろ足元にも及ばない程度で、気絶させるだけなら拳打か蹴りの一撃で充分であった。

 そして警備の天使がいるということは、クリスタMの案内通り、神の居室がこの先にあるということだ。クリスタMは振り向き、後ろにいる二人に告げた。

 「もうすぐ着くはずだよ。とうさまはいつも、この先のお仕事の部屋に…」

 《―――あぶないぷきゅ!》

 だがその時、シプルゥが警告した。咄嗟に三人が壁際の柱の陰に転がると、直後に廊下の空間を光線が貫いた。すさまじい熱が三人を掠める。

 「あれは…ステラさん、あれもあなたを鍛えたっていう天使?」

 「……ううん。ステラの知らないひと」

 クリスタMが柱の後ろから顔を出すと、数十メートル先に立つ人物と目が合った。どことなくステラに似たあどけなさを湛え、しかしその表情には生気が全く無かった。服装は白い詰襟にガントレット、頭部の黄金のリング、そして背中に明滅する羽根の形の光…他の天使と同様だった。長い髪と胸のオーラクリスタルが、光の加減によるものか七色に輝いて見えた。観察していると、ルビアMのジュエルからパミリオが突然顔を出した。

 「あいつら、多分ダシルヴァ達とは別のチームだゼ!」

 「どういうこと?」

 「神様の仕事を手伝うのがダシルヴァ達で、それとは別に血腥(ちなまぐさ)い仕事をするヤツらサ、きっと」

 サフィールMらは、先刻すれ違った巨躯の天使の顔を思い出した。オーラクリスタル浄化前のダシルヴァ達より邪悪な顔をしていた。ダシルヴァ達がサフィールMの殺害とジュエルの破壊のために地上に降りたのに対し、巨躯の天使はサフィールMのことを一切無視、熱線の天使は三人まとめて葬ろうとしていた。つまり、『ブライドの殺害』自体が仕事だ。

 サフィールMらはもう一度熱線の天使の顔を見た。全く感情の無い顔だった。ロゼルのそれが本人の気性から来ているのに対し、熱線の天使からは感情自体が感じられなかった。その顔に、クリスタMは何かを感じ取っていた。

 「……育てられた、のかな」

 「育てられたって?」

 「たぶん、天使に。ステラ達と同じように」

 「天使にさせられた人間じゃないかってこと?」

 隣から覗き込むサフィールMに答える顔は、どこか悲しげだった。あくまでもクリスタMの推測であったが、熱線天使の表情の無さに過去の自分達を思い出したようだ。

 「…ステラさん達が地上に来なければ、ああなっていたのね」

 サフィールMの背後にいるルビアMも、複雑な表情で天使を見ている。サフィールMはしばし考え、熱線の天使についてはクリスタMにゆだねることにした。ふと視線を向けると、クリスタMの方も任せてほしいとばかりにサフィールMを見ていた。

 「どうする、ステラ?」

 「………あの子をたすけたい。アキラ達は先に行って。あの子の向こうの角、そこを曲がって少し行ったらとうさまの部屋がある」

 「そうね。あの天使はステラさんに任せましょう、アキラ」

 「うん」

 さて、どうすり抜けたものか…と三人が考えていると、ちょうど天使との間に大きなドアがあった。精霊を通じたテレパシーで瞬時に作戦を立て、三人は柱の陰から出て走り出した。直後、狙いすました熱線が迸るが、三人は斜めに跳び、回避しながらドアに飛び込んだ。距離にして何メートルかあったが、『マリアージュ・リング』を発動したブライドであれば到達までは一秒もかからない。当然熱線の天使も追ってその部屋に入り込んだ。そこは広い訓練場であり、奇しくもステラ姉妹が幾度も叩きのめされた場所だった。

 訓練場にいたのは、クリスタMだけであった。両者が対峙したその時、熱線の天使は初めて口を開いた。

 「どこにいった」

 身長はステラより高いが、その声はステラ姉妹よりもむしろ幼かった。言葉を憶えたばかりの子供が、憶えたばかりのわずかな言葉で必死に話しているようだった。

 「サフィールと、ルビア。どこにいった」

 「知らないよ」

 クリスタMがそう答えた直後、ドアが開閉する大きな音が聞こえた。天使が振り向いた時には既にドアは閉ざされていた。サフィールMとルビアMは、この訓練場に入ってすぐにドアの陰に隠れ、続けて飛び込んできた天使をやり過ごしたのである。

 天使はクリスタMの方に向き直った。その目がわずかに見開かれる。

 「クリスタ。きさまは、クリスタ。わたしのまえの、てんしのこうほのひとり。クリスタと、それからパルルス…」

 「…やっぱり。あなたはステラ達の『妹』なんだね」

 「だが、わたしは、てんしになった。このからだも、てんしだ。おまえたちとは、ちがう。なりそこないめ」

 熱線の天使の素性は、まさにクリスタMが思った通り…彼女と同じ、地上から連れてこられた天使の候補生だったのだ。そして地上に送られることなく訓練を終え、肉体も天使に変えられてしまったのだ。クリスタMは悲し気に目を閉じ、もう一度開いて天使を正面から見つめた。

 「なら、ステラがあなたを助ける。とうさまの所から救い出す」

 「ほざけ」

 熱線の天使は、ガントレットに覆われた両手を構えた。正面から殴りかかってこないことから、どうやら四姉妹と異なり、肉弾戦は不得手だと判る。だがその熱線は、恐らく距離を選ばずに脅威となるであろう。天使は名乗った。

 「わたしは『アンジェ・ヴァルオラ』。きさまも、サフィールとルビアとエメルディもころす」

 「……あなたはとうさまを愛してる?」

 「むろんだ」

 ヴァルオラは即座に答えた。その迷いの無い即答に、クリスタMもまた即座に答えた。

 「―――でも、とうさまは誰も愛してくれないよ」

 果たしてそれは、ヴァルオラにいかなる影響を及ぼしたのか。クリスタMの言葉を聞いた途端、無表情と思われていたヴォルオラの顔が憎悪にゆがんだ。



 行く手を阻む天使達を蹴散らしつつ、サフィールMとルビアMは廊下を駆け抜ける。どの天使も一撃で無力化できたが、これは天使達の戦闘能力が低いわけではなく、一人ひとりの実力は通常のブライドと同等以上であった。ダシルヴァ達やそれに匹敵するサフィールMらの実力が桁違いに高いということだ。

 そして今、二人はある壁の前にいる。一見するとドアの類は一切無い。だが精霊の目が、壁に擬態した扉の存在を見抜いた。豪奢な装飾こそ無いが、美しく磨き上げられた扉だった。

 「ここだナ!」

 「この部屋に神様がいるプルね。アキラ」

 「うん…」

 扉を見上げ、サフィールMは息を呑んだ。相手が相手だけに緊張を隠せないでいる。この扉の向こうには、彼女たちが探し求めた神がいる…そしてサフィールMの願いを訴えるべき相手でもある。

 緊張に身を固めたサフィールMの手を、ルビアMがそっと握った。二人は一度見つめ合い、うなずき合うと、揃って扉に手を添えて押し開けた。

 扉の向こうは真っ白な部屋だった。

 「来てしまったか…」

 低く美しい男性の声が二人を迎えた。デスクとその上の透明な板、そして隅に透明な棺があるだけの簡素な部屋だ。ドアが閉まる音が聞こえなかったので振り向くと、ある筈のドアが壁には無かった。閉じ込められたのだ。

 デスクの向こうには、白い詰襟の服とケープを纏う長身の美丈夫が座っていた。その姿をサフィールMは既に見ていた。一度目はある日の夢の中で、二度目は小波の部屋で。そして今、彼と直接対面していた。

 「……神様」

 神は組んだ手をデスクに置き、正面からサフィールMとルビアMを見ていた。その目はどこまでも悲しげであった。

 「そうだ。私の名はディセイヴィア。お前達のジュエル、そして『マリアージュ・サクリファイス』の本来の管理者だ」



―――〔続く〕―――

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