第十一話「Beyond the sea」③
変身ヒロイン百合アクション第十一話、続きです。
それから一週間ほどが経過し、六月になった。その間リオと会えたのはベゴニアを買った翌日だけで、その後はずっと劇の練習が続いたために会えずにいた。梅雨入りが近いために湿度が高く、学生服が夏服になってもあまり涼しさは感じない、そんな時期の土曜日。桃はチケットを持って劇場の前に並んでいた。取材時にも訪れた劇場でさほど大きくはなく、収容人数が少ないのもあって観客の数はそれほど多くなかった。
なるべく地味なメイクをして髪型もいつもと変えたからか、この中で桃の顔を見て読者モデル『MOMO.』を思い出したらしい者はまったくいなかった。
(何か、意外と…)
開場待ちの客を見回すと、桃と同年代か少し年上程度の若者が多い。劇団自体が若者をターゲットにしているらしく、演劇やミュージカルの好きな若年層の好みを演目に反映しているという代表者のコメントを思い出した。
やがて係員が開場を知らせる声が聞こえると、観客たちはエントランス前に整列して順に入場していった。大半の客が電子チケットで入場している中、桃を含めた少数の客だけが紙のチケットを持っていた。係員に手渡して半券を受け取り、指定席に座る。事前に入手していたチラシをもう一度見た。
「どーいうお話なんだっピ?」
客が多く、開演前ということでまだざわめきが収まらない中でピッキィがバッグから顔を出した。
「女の人二人の逃避行のお話だって」
「ナルホド。アキラっピとアカリっピみたいなお話だっピね」
二人が両想いであることを桃が聞かされた時、同時にピッキィも立ち会っていたので、そのことは知っていた。
「そうなのかな…ん、そうっぽいね」
あらすじには『禁断の恋に落ちた二人の逃避行を描く壮大なるロマンス!』とあった。どうやら劇団所属の脚本家が書き上げたオリジナルの劇のようだ。ある意味で時代のニーズに則した内容である。主演のクレジットは女優二人、この二人があらすじにある二人を演じるのだろう。一方、リオの名前はポスターと同じくチラシには掲載されていない。パンフレットにならあるのだろうかと思ったが、荷物が増える手間を考えて購入しなかった。少し後悔した。
開幕を知らせるブザーが鳴る。桃はスマートフォンをマナーモードにしてバッグにしまい込んだ。照明の明るさがゆっくりと落とされ、客席も舞台もほぼ真っ暗だ。
暗闇の舞台上で何かが動くのが見えた。直後、強烈な照明が舞台を照らした。スポットライトの中心で、豪奢な礼装を纏った女優…否、主人公の騎士が立ち尽くし、祈るように胸に手を当て目を閉じていた。ステージ上には破壊された城と思しき大きなセットが立っている。
男装の麗人が愛する人を想って祈る姿…かと思いきや、その手には鋭利な長剣が握られている。もちろん作り物であることは頭ではわかる。刀身を染める血も、生々しさを避けてか蛍光ピンクで施されている。だが、舞台の上に立つ主人公の姿には作り物と感じさせない何かがあった。
主人公がが大きく両手を広げ、剣を構えて叫ぶ。
『聞くがいい!』
その瞬間、桃は衝撃に肩を震わせた。マイクなしにホール全体を揺るがすほどの声量、それに潰されることの無い明瞭な発音、映画のそれとは明らかに異なる生の音声。騎士の高らかな宣言は続く。
『聞くがいい、王よ! 王国よ! 姫君の心は私と共にある。貴様たちが邪魔だてしようと無駄なこと! 私は姫君を取り戻す! 我が刃の錆になりたくば―――かかってこい!!』
響き渡る宣言の後、崩れた城から兵士たちが飛び出した。だが騎士はそれを無情にも切り捨てていく。大仰な言葉も、騎士の華麗なる剣技も、すべてが目の前の現実にもかかわらず、舞台という決して広くない空間を広大な異世界と化していた。
(……没入感がスゴイ)
《完全にファンタジーの世界だっピ》
照明がセットの上に立つ二人の人物に当たった。王と姫君だ。王は詰襟の黒い礼装を纏っているが、その体躯は屈強。騎士がいかな強者とてかなうかどうか。
『黙れ黙れ、神の定めし世の理に背く不埒者が! 貴様の骸は生まれ落ちたるこの国の土に埋めてなどやらぬ、西方の森に投げ捨て、骨までけだものどもの餌としてくれるわ!』
そこで王自らが巨大な剣を抜いた。地上の騎士と城の上の王が見合い、構える。その時、王室の窓から姫が姿を現した。直後に騎士は剣を鞘に納め、両腕を大きく広げた。
『姫よ、わが姫よ!』
『騎士様!―――今、参ります!』
何と、姫が城の高みから飛び降り、騎士の両腕に飛び込んだのだ。。無論姫の体はワイヤーで釣られているが、見入っている観客たちにそんなものは在って無いようなものだ。騎士は姫を抱き留めると、あっけにとられる王を残し、その場から素早く立ち去った。
ここでステージは暗転。これがナレーションで時代背景やあらすじが語られ、タイトルコール。ここまでがいわば序章であった。桃はバッグを両腕で抱きしめ、いつの間にか止めていた息を大きく吐き出した。
(すごいね、ピッキィ…演劇って初めて見たけど、すごい迫力)
《うん。あたち、こういうの好きかもしれないっピ》
声を出さずに思考だけで会話しているので、周囲に迷惑は掛かっていない。
場面が転換し、物語は続いた。市井の民の服に着替えて旅を続ける騎士と姫君。二人の間には確かな愛情が通っている。町の人々はそんな二人を祝福し、美しい光景をたたえた。
やがて二人は荒んだ町に辿り着いた。住人はよそよそしく、話しかけようとした姫君を無視して家屋に隠れる。その背後に王国の使者、すなわち暗殺者が見え隠れする。
人通りの少ない小道に入ると、二人の周りに王国の暗殺者たちが忍び寄ってきた。手元には鋭い短剣が輝く。身構える騎士と姫を助けようとするものは、しかし現れなかった。
二人に迫る邪悪な殺意と刃。だがそこに、どこからともなく颯爽と少年少女が現れた。
(リオさんだ!)
子供たち演じるのは大方成人の男女だが、その中にリオの姿があった。背丈も体格も少女のそれだが、やや薄汚れた衣装と豪胆さに快活さを織り交ぜた立ち姿によって、リオであることを忘れてしまいそうな少年らしさが満ち溢れている。
『やあやあ、お姉さん達。ここらで一つ、ダンスでも見ていかないかい? お代はいらないよ!』
リーダー格の少年の明るい声に、騎士と姫も、暗殺者たちもあっけにとられた。子供たちの一人が横笛を取り出して吹き始めると、子供たちは突如暗殺者たちの手を取り、ともに踊り始めた。序盤の山場として取材時に紹介されたシーンだ。
陽気な音楽に合わせて踊る子供たちと無理やり踊らされる暗殺者たち。少々唐突なシーンだが、そんなことよりも桃はリオの動きに注目していた。リオ以外の役者も当然ダンスは上手いのだが、その中でリオはずば抜けた動きを見せていた。跳躍は高く滞空時間が長く、回転も一見すると大きい。手足が桁外れにしなやかに、視線は虚空を見ながらも熱情で潤んだように光っている。練習の時以上に、彼女だけが飛びぬけていた。それでいて決して周囲から浮いてはいない…というより、周辺がリオが演じる少年に合わせている。
(リオさん……!)
桃とリオの視線が幾度かぶつかった。あちらから見えているだろうかと桃は一瞬だけ気になったが、そんなことは関係ない。見てるよ、と桃自身も強烈な視線を送る。周囲を見なくても判る、殆どの観客がリオの動きに夢中だった。
子供たちと暗殺者たちがダンスを披露している間、リーダー格の少年の視線から意図を理解し、騎士と姫はいつのまにかそこから逃げ出していた。気づいて追う暗殺者たちは子供たちを振り払い、散り散りに街の中へと駆けていく。子供たちはそれを見送り、役目を終えた彼らも去った。同時にリオの出番もそこで終わりだった。
(ああ~~…)
《モモっピ?》
(すきぃ…)
《しっかりするっピ。ちゃんと最後まで見るっピよ》
(はっ! そうでした)
思考の中でまで語彙を爆散させた桃に呆れ、ピッキィは丸っこい手でモフモフしてやって正気に戻させた。どうにか目を覚ましたモモは、リオの出番が終わったあとも真剣に劇を見続けた。旅の果てに訪れた教会で騎士と姫が永遠の愛を誓い合うと、そこに国王が乗り込み姫を力づくで取り戻そうとする。騎士は傷つきながらも王を一騎打ちで倒し、国を出て二人でどこまでも行くことを宣言した。力なくうなだれる王を前に、そのまま二人が旅立ち、そして終幕…。
フィナーレで舞台に並び立つ役者に、桃も含めた観客が涙を流しながら盛大な拍手を送った。リオは端役ということで列の端に立っている。その視線が観客の列を眺め、何度か左右に往復すると、桃とリオの目が合った。その瞬間、リオがウインクする。自分に向けられたものか、それとも別の誰かに向けられたものか。どちらでも桃は構わなかった。
「リオさ~~~ん!!」
桃はリオを呼びながら、少しでも目立つようにぴょこぴょこ跳んで手を振った。他の観客の声にかき消されて桃の声は届かなかったかもしれないが、それでもリオは手を振り返した。
終演のアナウンスの後でパンフレットを買い、劇場を出て近くの古めかしい喫茶店に入る。アイスティーを頼んで、来るまでの間にパンフレットを読み始めた。写真やインタビュー、業界の著名人(らしいのだが桃は名前も顔も知らなかった)による解説などが掲載されていた。他の都道府県での公演を撮影したらしい写真でも、リオの動きが目立つことがわずかながらも書かれている。読んでいる最中も舞台上で繰り広げられた物語が脳内をよぎる。
(素敵なお話だったな~…)
《騎士様もお姫様もキレイだったっピね~》
(んー。でもやっぱり、リオさんが一番!)
届いたアイスティーを一口飲み、パンフレットのリオが写っている写真をしばし眺め、ダンスのシーンを思い出していた。
と、桃の座る席の横で女子高生らしき二人連れが立ち止まった。
「あれ? 桃っちじゃん」
「こなちゃんにしおちゃん。どしたの、今日は撮影?」
撮影機材を抱えた小波と紫織がいた。どうやら店主から了承を得て店舗の外観を撮影していたらしい。紫織は桃と目が合うと小波の後ろに隠れようとしたが、機材に阻まれてガコガコ音を立てるだけだった。曰く『パリピの人とはまだ目が合わせられない』とのこと。桃はそれを聞かされるたびに少しだけ落ち込んでいた。
「うん。いいお店だなって思ってたら、店長さんの方から撮ってくれって依頼のコメがあって」
「ブログに? すごいじゃんしおちゃん」
「は、はぇ…」
腰の引けた紫織が曖昧な返事をした。恐れられてどうにも悲しい顔をする桃。二人は桃の対面に並んで座り、通路の邪魔にならないよう機材は座席に置くか席の奥側に立てかけておく。小波はサイダー、紫織はコーヒーを注文した。撮影した写真のデータを紫織と共に見ながら、小波は桃の手元にあるパンフレットに気付いた。
「何か見てきたの? 映画?」
「演劇。この間バイトで取材してきて、チケットもらったから見てきた」
「へえー。やっぱ映画とは違うん?」
「うん、全然。ナマの迫力がすんごいの」
桃からパンフレットを受け取り、小波は紫織と一緒に誌面を眺める。
「おー…いいねえ。ねえ紫織さん、ウチらもいつか行ってみない?」
「は、はぃ…し、師匠が良いなら」
誌面を仲良く眺める二人を見ながら、桃はテーブルに置かれたアイスティーを一口飲んだ。先月出会ったばかりという二人は、急速に仲を深めて今に至っている。その間に紫織のジュエルの浄化があったことは聞いているが、だとしても明らかに人見知りな紫織がこうも懐いているのは一見して不思議な光景だ。いくら何でも仲良くなりすぎではないか? と常々桃は疑問に思っていた。
「ねえねえ、ちょっと二人に訊きたいんだけど」
「何?」
プライバシーに関わる話なので、桃は顔を寄せて小声で尋ねた。
「…こなちゃんとしおちゃん、付き合ってるの? コイビト同士?」
「え、いや。付き合ってはいないよ。ねえ紫織さん」
「……ん。友達」
あっけらかんと答える小波、同じくうなずく紫織。桃は拍子抜けして目を見開いた。小波がそれを気持ち悪いなどと言わないのは、恐らくアキラが緋李に恋していることをよく知っているからだろう。ただ、紫織の方はどう考えているのかわからない。
「そっか。ごめん、何かそんな風に見えちゃって」
「それはいいけどさ、どした? …もしかして好きな人でもできて、アタマの中が恋愛モード中とか」
「………」
パンフレットを返しつつ訊き返す小波に、桃は回答すべきか少し迷った。小波はともかく、紫織が同性同士での恋愛を受け入れてくれるのかが不安だった。今しがたの首肯も、もしかしたら小波に合わせただけかもしれない…だがブライドの仲間であり、そして友達である以上、いつか話さなければならないことだ。加えて、小波とはアキラと緋李から二人の恋を打ち明けられた者同士でもある。理解してもらえるはずと信じ、桃は意を決して二人に話した。
「うん。好きな人が、できたの。―――綺麗な、その、女の人」
「そっかぁ…ナルホドなぁ」
「……す、すてき。恋の現場に、居合わせている」
事実を受け止めて重くうなずく小波、控えめながら頬を染めて自分の事のように照れる紫織。理解してもらえたらしいと、桃は安心した。
「他に話した人いる?」
「うん。イヨちゃんとアカリちゃんには話した」
「じゃあウチらで四人…と、あとは精霊さんがいるから」
「気兼ねなく話すがよいぞ! 我らはそなたの味方にござるぞもむぎゅ!」
紫織のパートナー精霊のパップが勢いよくジュエルから飛び出し、テーブルの上にモフッと立つ。紫織は慌ててそのモフモフした体をひっつかんで撮影機材の中に突っ込むが、紫色のプレーリードッグが突如現れたことに気付いた客は周りにいなかった。精霊がブライド以外には見えないという事実に、紫織はまだ慣れていないようだ。
「ごしゅじんごしゅじん、我ら精霊の姿は周囲に見えぬとあれほど申し上げたでござる。気にすることは無いのでござるぞ!」
「で、でも、つい…」
「……ありがとね、みんな」
桃の感謝の言葉に、小波達の視線が桃に集中する。わずかに目が潤んでいるのを桃は自分でも理解していたが、押さえられなかった。きちんと自分の気持ちをわかってくれる友達がこんなにいるのが、嬉しくてたまらない。
「アタシ、いい友達持ったなぁ…」
「ナニしんみりしてるっピ。モモっピの新しい恋は始まったばっかりなんだっピよ」
「だよだよ、ここで泣いてないで成就した時のうれし泣きにとっておきなよ」
ピッキィと小波に優しく肩を叩かれつつ、桃は目元を拭ってうなずいた。紫織ももう抵抗を示さずに見てくれている。本当に良い友達を持ったと、桃は胸の内で繰り返しながら、小波達の言葉にうなずいた。
翌日の日曜日、桃は改めてリオに上演を観たことを伝えるべく、花屋に来ていた。午前中に来たのは、リオが確実にいるであろう時間帯を狙っての事だった。外から店内を覗き込むと、レジ横にいる店長と花を生けた水瓶に水を入れているリオの姿が見えた。一つ深呼吸をして、高鳴る胸を押さえつつドアを開けて店に踏み込んだ。
「リオさん、こんに」
「モモ!!」
こんにちは、と言い切る前に入店早々手を握られた。熱烈な歓迎に驚いていると、リオが興奮してまくしたてる。
「昨日は来てくれてアリガトね!」
「あ、やっぱり気づいてくれてたんだ?」
「ウン。いつもとカッコが違ったけど、モモは綺麗だからすぐわかったワ!」
舞台上のリオと目が合ったのは気のせいではなかったのだ。嬉しくて、桃はリオの手を力を込めて握りなおした。ゆるむ頬を押さえられない。
「ね、劇どうだった?」
「…素敵だった! お話も良かったし、役者さんもすごくて、でもリオさんのダンスが一番!!」
「ウフ、ありがとうモモ。頑張って踊った甲斐があったワ。モモに褒めてもらえるのが一番ウレシイ!」
リオはサラリと言ってのけたが、その頬に差したわずかな赤みを桃は見逃さなかった。リオ自身も昨日の劇場を思い出してわずかに興奮しているのだろうか。
すると、二人の様子を見ていた店長がひょっこりとリオの背後から顔を出した。
「水城さん、今日はお休みにしましょうか?」
「いいノ? てんちょサン」
「ええ。今日はお客様も少ないですし、お友達とお話ししていらっしゃい」
おっとりした笑顔で店長に進められ、リオはすぐさま有給休暇届けを書いて提出した。店長の受理を確認し、桃とリオは二人で礼を言って店の外に出た。
二人は駅前広場を横切り、ビジネス街を歩いて緑地公演の方へと向かった。
どう話を切り出したものかと桃が迷っていると、隣を歩くリオが頬を赤くしてうつむき、胸の前で指をせわしなく動かしていた。何か言いたいことがあるのかと、桃はリオが話し出すのを待った。幾度か視線を桃に向け、リオは切り出した。
「…モモ。あらためて、昨日は観てくれてありがとネ」
「ん…うん」
「あのね、モモ。モモが綺麗だから気になってたって、本当ヨ。取材の日に一目見た時から」
それは前も聞いた、と言おうとしてリオの顔を見ると、信じられないほど真っ赤になってうつむいていた。
「とっても綺麗な子だって、まっすぐに見てくれる目がとっても綺麗だなって…それで…」
「リオさん…?」
最後まで言わず、リオはぐっと口をつぐんで黙り込んだ。しばしの沈黙ののち、突然リオが正面から桃に顔を寄せ、手を握る。その必死な表情から、桃は目を離すことができなかった。何かを伝えようとしている。
「…モモ。時間、ある?」
「え…うん、ある、けど」
「来てほしいところがあるノ…モモにだけ、話したいことがあるノ」
有無を言わせぬ迫力に、桃はうなずかざるを得なかった。
二人で緑地公演の前から十五分ほどバスに乗り、都心から少し離れた商業団地の前で降りて、少し離れた場所まで歩く。古い商社のビルや工場が並び、人通りも多くはない…というより、ビルの大半が既に閉鎖されていた。そこから更に通り抜けると、古いマンションが見えてきた。一九六〇から七〇年代あたりに建てられたらしい市営住宅だ。外壁に蔦が這いまわり、窓の手すりが茶色に錆び切ったまま放置されている。同じように古い建物が広い敷地の中にいくつも並んでいたが、いくつかは解体され、中にはその途中で放置されている棟もあった。
―――〔続く〕―――
演劇を文章で書くのって難しい…セリフ回しだけはうまく行ったと自負しています。




