第1話 楓さん、ゲームの世界に立つ その2
「こんにちは、楓さん」
その天使な女の子は私と目が合うとまた同じような挨拶をしてきた
白いワンピースを着てその後ろからは羽が生えている。頭には手品師がつけてそうな黒いハットがちょこんと乗っていてちょっとおしゃれだなあとか思った。
「こ、こんにちは・・・ えーっといろいろ聞きたいことがあるんだけどとりあえずここ何処?」
まあ当たり前の様な質問をしてみることにした
「ここはまあ・・・なんというか、詳しくは説明面倒なんで省きますけど現実とゲームの間の空間と考えてください」
こいつ説明省くとかいいだしましたよ!
「私の名前はエイルといいます。まあ私の名前はそんな重要じゃないので覚えてもらわなくても結構ですのでよろしくお願いします」
エイルと名乗った女の子はペコリと頭を下げて自分の紹介を終えた
「とにかく自己紹介はいいけど私なんでこんなとこにいるの?あとなんで私の名前知ってるの?」
とにかく思ったことをいろいろぶつけてみた
「それは楓さんが選択したじゃないですかー あと名前はユーザー登録した時に入力したじゃないですかー」
ユーザー情報ぶっこぬいて見たんかい!とか思いもしたがもうそこはなんかきにしないでその前の発言を聞いてみた
「選択したってどういうこと?」
私は聞くと
「あなたは選ばれました。現実にさよならしてこちらに来ることを望みますか?って聞いて楓さんははいってクリックしましたよね?あれですよー」
「あれですよーじゃないよ!あれではいって選んでこんなことになるとは思わないでしょ!コンビニ行くくらいの感覚で押した感じなのに!」
「コンビニ行く感覚ならその感覚でこちらの世界に来ても問題ないですよー」
と、答えになってない答えが返ってきた
「それにこちらの世界は冒険がいっぱい、やることいっぱい夢いっぱいで楽しいですよー。やりたいことが見つかるかもしれませんしそのサポートはいたしますよー」
私はその言葉にドキッとなった
確かに今やりたいことはないしやりたくてもそのやり方がわからなかった。もしエイルがいうあっちの世界でやりたいことが見つかったらそれはとても楽しい人生があるんじゃないか?
そう思ってきた私にエイルが
「サポートとはいっても特殊な能力を何個か授けるくらいしかできないんですけどねー。なにかと制約が多いので」
おーなんかきたな転生物のパターンと思った
ここまでお膳立てされたらなんか別にあっちの世界行ってもよくね?とか思えてきた。
もともと現実世界に未練なんてないし心機一転して新たな環境に身を置くのもいい気もしてきた。サポートもするとはいってるし。
「確認なんだけどあっちの世界ってゲームの世界、というかルインズワールドなんだよね?」
と私が確認したら
「そうですよー あちらの世界は現実の世界よりずっとずっと広いですしやりたいことも絶対見つかると思いますよー」
エイルが笑顔たっぷりの顔でそういった。
楓さん!あっちに行くことに決めました!私はもうあっちで生きる!
そう心で思ってエイルにもそう伝えた
「よかったですよー決めていただいてー それであちらにいく前に能力を授けようと思うんですけどー」
とエイルが言ってきた。
実を言うと私はもうどんな能力が欲しいか決めていた
もともとルインズゲートは遺跡や廃墟などを探索していろいろ謎を解いたりお宝を見つけたりして遊ぶゲームで作られている。
なら私はそのようにして遊びたいしそのようにして生きていたい。
だからそんな生き方の手助けになる能力が欲しかった。
まずは身体能力。冒険はしたいが危ない目には会いたくないのでそれなりに身を守れるくらいの身体能力が欲しかった。あともう一つが移動手段。
あっちがそんなに広いとなると移動が大変になる。乗り物がなにかほしいが何がいいだろうと思ったら一ついい乗り物を思いついた。
エイルに今までに思いついた能力を説明すると
「その二つならよろしいですよー でも一つ目の身体能力はいいとして二つ目の乗り物はいいんですか?それくらいならもっといい乗り物でも・・・」
とエイルが困ったような顔をしたから
「それでいいよ。私これ以外乗れないしこれ以上の便利な乗り物知らないし」
私はちょっと笑いながらエイルにそういった