表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移して傭兵稼業始めました。  作者: 津田邦次
第一章
11/11

帰還

ほんとは中隊の方も更新する予定だったけど、メダロット楽しい(^q^)

 杣小屋を出てから紫電と共に半日程森の中を氏郷求めて探し回ったが、野宿した痕跡すら見つけることが出来なかった。仕方なく村へ戻ることにしたが、遠目に見ても森への入り口が封鎖されているのが分かった。人々が集まり、それを槍を持った男たちがこれ以上進ませまいとおさえている。その手前には刀を差した裃姿の如何にも役人風な男たちが何やら話し合っている。

 「このまま行って大丈夫だろうか...」

 不安になり、隣に立つ少女に尋ねる。

 「心当たりがあるんですか?」

 「ま、まさか!そんなことないよ!」

 「ふふ、冗談ですよ。天は私たちの無実を知っています。こういう時は堂々としているものですよ」

 そう言って微笑む少女は実に可憐であった。

 「そ、そうだね!」

 「...ご友人が村に戻っているといいのですが」

 「うん...」

 もしも、彼らが村に戻っていなければ俺はこの先どうすればいいのだろう...。

 「む?おい!そこの者たち止まれ!」

 そう叫んで役人風の男の一人が近づいてくる。その後ろには槍を持った男が二人付いてきている。

 「そなたらはこの森から出て来たのか?」

 「そうです」

 役人の質問に紫電が答える。

 「何か変わったことはなかったか?」

 「変わったこと...ですか?」

 「そうだ、例えば"山が揺れた"、などだな」

 「ああ、それでしたら心当たりがございます」

 その言葉を聞いた役人の強面の顔が一層厳つくなり、

 「何?本当か?」

 「ええ、それでしたら、この人がなさいました」

 そう言って俺を指す。

 (山を揺らした?俺が?)

 そんな馬鹿なことがあるかと思ったが、

 「あ、あれか...!」

 と直ぐに思い至って、

 「ええ、まあ、はい」

 「...嘘を申してはおるまいな?」

 (まあ、そうなるな)

 普通なら高校生の戯言でしかない、いや戯言にしても大概だが。

 「もちろんです。この人は外の人にございます」

 「ふむ...。付いてこい!」

 そう言って役人はスタスタと歩き始め、槍を持った男たちに催促され、歩き始める。

 「大丈夫か?本当に?」

 そう隣の少女に聞くが、

 「問題ありません」

 と何やら自信たっぷりに答える。

 (本当に大丈夫だろうか...)


 役人に連れてこられたのは、立派な門構えを持つ武家屋敷。そう、つい先日訪れたばかりだった隠形邸であった。

 「...」

 (もしかしたら幽染さんは戻っているかもしれない...!)

 そんな一縷の望みをかけて、門をくぐろうとしたところ、

 「お!やっと帰って来たね」

 そう後ろから声を掛けられ、振り向くと、相変わらず着物を気崩した鬼がそこに立っていた。

 「ゆ、幽染さん!!生きていたんですね!」

 安堵で力が抜け、涙声になる。

 「勿論さね。私があんな雑魚共に後れを取るわけないじゃないか!!」

 「そうだ!師匠は!?」

 「ん?師匠?ああ、氏郷なら中にいるよ」

 そう言って屋敷を指さす。

 「生きてたの!?」

 「...まあ、話を聞けば...分かるよ」

 「?」

 「ところで、そちらのお嬢さんは?」

 急に話を切り替え、紫電の話題を出してきた。

 「申し遅れました。芦利紫電と申します。あなたが、隠形幽染さんですね?」

 「ああ!その通りさ...」

 芦利ね...、と呟いたようにも聞こえた。

 「まあ取り敢えず中に入りな、よ」

 「ああ」


 先日来た時とは違い、屋敷の中に日の光が入り、明るく室内を照らしていた。そんな屋敷の広い客間に氏郷は座っていた。

 「し、師匠!!」

 そう声を掛けると持っていた湯呑を置き、こちらを振り向く。

 「や、やあ。なんだか弟子の顔を久しぶりに見た気がするなぁ!」

 わざとらしくそう言うので、胸倉を掴んで激しく前後に揺らしながら、

 「俺がどれだけ心配したと思ってるんですか!!ありえん!!」

 「わはは!まあ、まて、話をしようじゃぁないか!」

 頭を前後に揺らしながら答える。

 「では、言い訳をどうぞ」

 「いやね、ホントは君の実力が如何程かを確かめようとしたんだけど、最後に君が出したあのデカい蔓に二人して巻き込まれちゃって、やっとこさ抜けだしたと思ったら誰もいないし、村に戻っても帰ってこないから幽染ちゃんが捜索隊まで出しちゃって...」

 そこまで聞いてから、

 「二人...?つまり、幽染さんもいたの?あそこに?」

 そう言って、後ろにいる鬼に視線を送る。すると、スイ~っと綺麗に目を泳がせる。

 「...」

 「ま、まあ、俺たちもかなり心配してたんだし、お相子っててことで...」

 「なるか!?どう考えても俺に非はないでしょ!!」

 「と、ところで、そちらのお嬢さんは?」

 「お前ら二人して、分が悪いと紫電さんの話に逸らそうとするのね...」

 はぁ...とため息をついて紫電を紹介しようとした、その時、

 「もしかして、吉田...?」

 「え?」

 「吉田ではありませんか!!お元気でしたか?」

 「は?え?」

 困惑する昭典を差し置いて、氏郷は、

 「お、お嬢?」

 「もしかして:知り合い」

ちなみに24日で投稿一周年だった(^q^)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ