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プロローグ

俺は、勇者である。

紛れもなく、民の誇りたる勇者である。

魔物退治を専門にし給料を頂戴して生活していることが何よりの証左だ。右手には先代より受け継がれし剣、左手には黄金色に光る盾。まさに勇者そのものである。


だが。

俺は今、サラリーマンと同じように電車に乗っている。

俺の目の前には可愛い女の子がいる。

そして俺は今、とんでもないことをしている。勇者道はもとより、人道ですら大きく踏み外した最低な行為をしている。



俺は今、チカンをしている。

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