表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛鴨  作者: 山本 宙
4章 望月拓斗 編
23/70

23話 第三者の疑い

 藍野はヒデとLove Duckにいた。

「会社の後輩に彼女ができた!?」

「うん・・・」



早速、藍野にとって一番の話題をヒデに持ち掛けた。

さらに浮気と思われる現場を目撃してしまったことも相談していた。

後輩の彼女が浮気をしている可能性があるのではないだろうかと藍野は心配でならなかった。

固唾を飲んで見守るように藍野の表情は緊迫していた。



「どうりで、吉報を拒むように話すわけだ。だけどさ、彼女と一緒にいた男性はお父さんかもしれないし、弟の可能性だってあるだろうよ」


まだ浮気と断言できるほどの証拠はない。

それに後輩の拓斗だって付き合って間もないのだから。とヒデはそう言って藍野を安心させようとした。

「でも・・・二人で腕組みしていたよ」


その一言にヒデは、グラスを持ったまま硬直してしまった。


「鴨肉のソテーでございます」

亜子が料理を運んできた。

「ねぇ、亜子ちゃんはどう思う?」

ヒデが質問を振る。亜子は二人の会話を聞いていた。

「それはアウトですね。彼女さんがきっと浮気性なのかもしれません。それに付き合って間もない後輩さんが浮気相手の立場と予想しますわ」


藍野を目の前にして、正直に話しすぎではないだろうか。藍野の顔は真っ青になった。


「すみません、言い過ぎましたね」

「いや、いいよ。正直な意見が欲しかった」

そう言って藍野はグラスに入った冷水を飲みほした。

「そりゃ、後輩のことを心配する気持ちはわかるよ。何かあったら、藍野が守ってやれよ」

ヒデは藍野を励ました。


「さぁ、ソテーを美味しくいただこう」

二人はフォークとナイフを持って、鴨肉のソテーを食べた。


「拓斗、大丈夫かな」



翌日、昼食時間になったらいつものように拓斗と心美は公園に向かっていった。藍野は心配そうな表情で二人の背中を見届けていた。


「今日もいい天気だね」

「ほら!拓斗さんのためにおかずを作ってきましたよ」

とても良い雰囲気で昼食を共にする二人。幸せいっぱいの二人。

「ねぇ、心美。今度一緒にデートしよう」

「いいね!いつにする??」

「来週の日曜日とか、どうかな?」

拓斗が日にちを提案すると心美が少し間を開けて答えた。

「その日は用事があって行けないね」

「そうか」

「ごめんね、別の日にしましょう」



残念がる拓斗。拓斗の頭にポンと手のひらを乗せた。

「お互い予定があるのだから合わせましょうよ」

「そうだな」

そう言って別の日に都合をつけてデートをすることに決めた。

拓斗は笑顔で、手作り弁当を口に入れた。

二人のやり取りは何気ない予定決めに思えた。

しかし、予定が入っていると言っていた日曜日に、拓斗は偶然にも衝撃的な光景を目にすることも知らずに・・・。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ