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水の国へ愛をこめて  作者: 亜蒼行
豊穣篇
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第六六話「四王の集い」その1




「大陸の行く末を決めるために全ての国王を集めて会談を持ちたい」


 レアルトラがシュクリスとブライムをクルアハンへと招待したのはイウールの月(第九月)の中旬のことだった。たとえ呼ばれなくても絶対に自分からやってくるシュクリスはともかくとして、ブライムがクルアハンまでやってくるかは非常に望み薄とレアルトラも判っていたし、実際彼は招待に応じるつもりはなかった。


「そんなわけで、この俺様がわざわざ説得に来てやったのだ。首を垂れて感謝するがいい」


 とブライムの前で大威張りで胸を張るのは、誰あろうウラド国王シュクリスその人だ。


「寝言は寝て言え」


 呆れ果てたブライムはつい本音そのままを言葉としてしまうが、シュクリスは特に怒りはしなかった。場所はラギン王都ルスカ、ときはルーナサの月(第一〇月)に入ったところである。


「ウラドの国王はコナハトの女王の使い走りなのか?」


 シュクリスは「さて」とわざとらしく首を傾げた。


「一体どこにこの世で最も気高く尊く賢く美しい、ウラド国王シュクリス様が? ここにいるのはこの世で最も気高く尊く賢く美しいウラド国王シュクリス様の第一の臣下にして下僕にして賤しい奴隷、大シュクリス様のブーツの裏ことカールジャスという唐変木だが」


 公式にはシュクリスは未だウラドにおり、ラギンに送ったのはただの使者ということになっている。


「別に貴様が国王でも特使でも宮廷道化でも、誰でもいいが……ウラドの国王がコナハトの女王に協力している事実に変わりはないだろう。その理由は何だ? 女王が目指す『大陸の行く末』にそれだけ共感したわけか?」


「いや、まさか」


 とシュクリスが首を横に振り、ブライムは目を丸くした。


「女王が目指す『大陸の未来』とやらの中身は聞いていないが、大体想像はつく。それは未来でも何でもない、暦をブレス以前に戻そうとすることだ。慣れ合いじみた小さな戦争が続く、平和で退屈な代物だろうよ」


「女王の求める未来はそれか。ラギンが反対する理由はないな」


「ラギン抜きで大陸の未来を決められても構わんと? もしラギンにとって非常に不利なことが決められたらどうするつもりだ? たとえば銃器火器の使用制限とか」


 あるいは俺がそれを提案するかもな、とシュクリスがにやにやと笑う。ブライムは舌打ちした。


「全権特使を派遣すれば……」


「女王レアルトラ、国王シュクリス、国王エイリ=アマフ。その三人に対抗できる奴がいるなら、それでもいいかもしれんな」


 その指摘にブライムが沈黙した。前国王のオノールであれば権威の面では何とか見劣りせずに済むだろう。だが問題は意志や覚悟、気迫の面だ。善人で気弱なところのあるあの父親がレアルトラやシュクリスといった英傑や曲者に対抗するのはかなり厳しいものと思われた。


「前国王を送るか? むしろ父親に国王代理をさせて貴様が出席した方がラギンのためではないのか?」


 心を読んだようにシュクリスが言い、ブライムは忌々しげな顔となった。実際問題として、三人の国王を敵に回して一歩も引かず、ラギンの権益を守れるのはブライムしかいない。


「だがコナハトの女王に呼びつけられてクルアハンに参内するなど、鼎の軽重を問われる真似は……」


 たとえ賓客として招待されたのだとしても、一国の国王が他国の王都に訪れるなど、臣下の礼をとるようなものだ。それこそ「コナハトはラギンより上」という大陸の形、大陸の未来が決定してしまうことになる。


「相応の理由があれば構わんだろう。王太后の首はどうなった?」


 ブライムはそれに答えず、シュクリスが続ける。


「国王自らがそれをコナハトに届けて、詫びを入れる。ラギンが最大級の誠意を示したのだ、コナハトはそれを認める他あるまい――たとえ王女がどこかに生き延びていようとな」


 ブライムは自制心を最大限発揮して表情を一切動かさなかった。だがシュクリスはその内心を見抜いたように薄笑いを浮かべている。


「リームの死体は見つかっていないがサーリスか、東ムーマのどこかで死んだのだろう」


「そうか。ならばどこぞの精霊神殿で王女を見かけたという話もただの見間違いだったか」


 与太話だ、とブライムは断言した。なおリームの心は未だ壊れたままであり、ほぼ幽閉状態のこのままこの先の一生を過ごすこととなるものと思われた。ブライムとしては「自業自得」として突き放しているところが半分、もう半分で妹を哀れに思い、その心の傷が癒えることを願っている。


「……俺がクルアハンに行くのはいいとして」


 ブライムはまず大きなため息をつき、次に剣呑な視線をシュクリスへと向けた。


「貴様の目的は何だ? 『大陸の未来』とやらに興味がないなら何故コナハトの女王に協力する」


「大陸の四王が一堂に会するなど、実現すれば二五〇〇年ぶりだろう。ならば全員を揃えるためにできるだけのことはせねばなるまい」


 シュクリスが即答し――少しの時間、間の抜けた沈黙が続いた。


「……他に理由はないのか?」


「他に理由がいるのか?」


 シュクリスが不思議そうに問い返し、どこか遠い目をする。


「……大陸動乱の主役はコナハトとムーマ、女王レアルトラと国王エイリ=アマフだ。ウラドもラギンも脇役に過ぎなかった。俺も主役になろうと、それが叶わずともできるだけ場をひっかきまわしてやろうと思って動いたのだが、結局大勢に影響は与えられなかった。ウラドは最後まで蚊帳の外だったし、一度くらいは『狂戦士』が本気で戦うところが見たかったのだがな」


 シュクリスが心底残念そうに言い、ブライムは開いた口が塞がらなかった。


「四王会談でこの動乱も幕切れだ。ならばその結末の舞台くらいは華やかなものにせねばなるまい」


「俺は主役に添える花ということか」


「いや、せいぜいが書割だな。貴様も俺も」


 とシュクリスが笑い、ブライムは憮然とした顔となる。


「だが特等席でとびっきりの喜悲劇が見られるのだ。見逃す手はないだろう」


 ……女王レアルトラの招待に対し当初は出席を渋っていた国王ブライムだが、国王シュクリスが特使を派遣して説得。それに動かされた国王ブライムはウラドの特使とともにコナハト王都クルアハンへと向けて出立したと伝えられる。

 国王ブライムがクルアハンに到着したのはルーナサの月の月末。同時期に国王シュクリスもまたクルアハンに入ったという。











 クルアハンの王城にはこの会談のためだけに新たな宮殿が建設された。正確には、百年来廃墟のままだった宮殿の一つを全力で改修し、まともな宮殿として甦らせたのである。

 なお、そのための人足として万に届くムーマ人奴隷が各地から(主にウラドから)買い集められ、酷使され、使い潰された。エイリ=アマフはその光景を目の当たりにしている。


「ふむ。コナハトにしては品のある、なかなか良い宮殿だな」


 シュクリスの賞賛にレアルトラは「ありがとうございます」と微笑む。だがエイリ=アマフは苦々しい顔をするばかりだった。

 後に「四国王の宮殿」と呼ばれるその宮殿の大広間には、今八人の人間が集っている。コナハト女王レアルトラ、ウラド国王シュクリス、ラギン国王ブライム、そしてムーマ国王エイリ=アマフ。

 それに、オブザーバー的な立場で参加するのは「導く者」七斗。さらにはムーマ国王ティティムと、その付き添いにフリーニャとファルの二人もそこにいた。ようやく四歳のティティムには発言は期待されておらず、ただ静かにしていることが求められているだけである。


「俺の立場も四歳の子供と同じ、ただ女王の言うことに同意するだけの役回りだ」


 エイリ=アマフは投げやりにそう言って肩をすくめる。


「ええ、そうしていただけるとわたしも助かりますわ」


 とレアルトラはにっこり笑うが、その笑顔は肉食獣が牙を剥くかのようだった。


「ムーマに対してあまり理不尽な要求をするなら、それには反対するぞ」


 とブライム。レアルトラは笑顔のまま冷ややかな空気を漂わせた。


「コナハトとラギンは対ムーマの同盟国のはずでは?」


「同盟相手にも言うべきことは言わねばならない。かつてのウラドもあのブレスにくり返し抗議をしただろう」


 確かにそうだな、とシュクリスが頷く。


「コナハトはムーマではなく、わたしはブレスではありません――ですが、やられたことをそのままやり返すことはあるかもしれませんね。それを理不尽と言われる筋合いはありませんわ」


 レアルトラは笑顔のまま強烈な殺気を放った。ブライムは強靭な意志でそれに対抗するが、


「親父じゃなく俺が来ていてよかった」


 とつくづく思っていた。


「それで、コナハトはムーマに対してどんな真っ当な要求をするつもりなんだ?」


 ブライムの問いにレアルトラは「その前に話したいことがあります」と言う。


「大陸四ヶ国の国王が一堂に会したこの機会に、いくつかの条約を結んでおきたいのです。まず最初はこれです」


 視線で促されたフリーニャが書面をそれぞれの国王に手渡し、彼等がそれに目を通した。


「……捕虜の扱いに関する条約か」


「はい。ブレス以前の不文律を条約として明文化します」


 二千年以上の慣習と慣例の積み重ねにより、大陸には「捕虜を殺害しない、虐待を加えない」等の不文律が成立しており、四ヶ国は長らくこの伝統に則って戦争を続けてきた。ブレスはそれを一方的に反故にしてコナハト軍の捕虜を一人残らず殺害し、ムーマは一切の抗議や抵抗を踏みにじって百年間その方針を守ってきたのだ。七斗とオルゴールを得て逆襲に転じたコナハトはムーマ軍捕虜を皆殺しにはしなかった。だが断種処置の上で奴隷にするという、残虐性の点ではムーマに負けず劣らずの施策で対抗した。断種処置を受けたムーマ人奴隷はこの五年で百数十万、全ムーマ人の一割以上にも及ぶという。


「暦をブレス以前に戻すわけか」


 シュクリスの皮肉気な言葉に反論したのは七斗だった。


「ただ単に以前の状態に戻すだけじゃありません。不文律を明文化するのは大きな前進です。それに」


 そこでレアルトラが手振りで七斗を制し、彼はそこで口をつぐむ。ブライムは不審な顔となった。


「……ウラドは反対しますか?」


 冷ややかなレアルトラの問いにシュクリスは「いや」と否定する。


「内容は本国の連中に精査させるが、俺は反対しないぞ。ムーマやコナハトのような狂態をウラドの将兵に強いるのは酷というものだからな」


 「狂態」と言われたレアルトラは不快そうな顔となるが反発を口にはしなかった。


「ラギンも同じだ。条文を本国に精査させてからになるが、原則として賛成する」


 とブライム。最後のエイリ=アマフは肩をすくめた。


「そもそもが反対できる立場じゃないが、仮に今の俺が虜囚の身ではなかったとしても反対しないし、全面的に賛成する」


 彼は前のめりとなり、


「ムーマは決してブレスと同じ過ちは犯さない。もう二度と他国の捕虜を一方的に殺戮しないと、ここで約束する」


 静かに、だが心底から強く断言した。レアルトラもそれを疑いはしない。


「捕虜の殺し合いになったときに、今はムーマが一方的に不利ですものね。わたしとしてはムーマが今後もブレスの頃のままでも一向に構わないのですが……」


 そう酷薄に笑うレアルトラを、七斗が「陛下」と諫める。レアルトラは「残念ですわ」と本当に残念そうにつぶやき、小さく肩をすくめた。


「こちらで用意したのは条約の叩き台です。各国で内容を精査してもらって正式に条文を決定し、締結したいと思います」


 七斗が最初の話をそうまとめた。条文の全文は通信魔法により、今この瞬間から各国に送信されている。各国の意見を持ち寄って正式な条文を数日のうちに決定させ、三人の国王が滞在中に条約締結とする予定である。


「捕虜に関する取り決めが最初の条約なら、その次は?」


「歴史をブレス以前から、先へと進めたいと思います」


 そう宣言するのは七斗だ。彼が手ずから第二の条約の書面を四人の国王に手渡し、それぞれがそれに目を通す。


『雪イナゴの戦争利用の禁止』


 それが条文の表題であり、内容もまたその通りのものだった。


「雪イナゴ、及びその他の生物を戦争目的で人工的に品種改造し、他国にそれを散布し、無差別広範囲に被害を与えることを全面的に禁止する」


 その内容にブライムが首を傾げる。


「禁止にするのは雪イナゴだけではなく他の生き物もか。だが他に戦争に使える生き物がいるのか?」


「病原菌やウィルスの品種改造は、今のこの大陸の技術では難しいでしょう。でも百年先二百年先はどうなっているか判らないし、そういう技術を持った『導く者』が召喚されるかもしれない。だから前もってそれを禁止します」


 ブライムは「ふむ」と頷き、レアルトラは沈黙を守っている。疑義を呈したのはシュクリスだ。


「だが『導く者』よ。条約で禁止したからと言って各国がそれを守るとは限らんだろう。鉄杖党の悪行にしても二〇年間露見しなかったのはそれが自然災害と区別がつかなかったからだ。その点はどう考えている?」


「確かに、守らせるのは非常に難しいです。どれだけ条文を書き連ねようと抜け道はいくらでも見つけられるし、実際に使ったかどうかも簡単には判らない――でも、この条約があるのとないのとではやっぱり大きく違うと思います。この条約の存在そのものが抑止力になるはずです」


 七斗が熱心に言い募るが彼等の反応は芳しいものではなかった。そこに、


「皆様がこの条約に賛成し、締結してくださることを願いますわ」


 そう口添えをするのはレアルトラだ。彼女はさらに、


「たとえ抜け道だらけで形だけも構いません。各国がこれを守らずとも問題ありませんわ」


 その断言に一同が目を見張き、その目はレアルトラの仮面のような笑顔に向けられている。


「でも陛下」


 異議を唱えようとする七斗の言葉を遮り、レアルトラは「ですが」と続けた。


「もしことが露見した場合、その国はコナハトが全土を焼き尽くして滅ぼし、全国民を断種して奴隷にします。それでもいいならどうぞご随意に」


 笑顔の断言にその場の全員が硬直した。シュクリスでも即座には軽口を叩けない。


「……なるほどな。ならばこの場は賛成して女王に恩を売り、どこかの誰かが暴挙に及んだときはコナハトの尻馬に乗ってその国の領土なり国民なりを手に入れた方が利口ということか」


「だが、その暴挙に及んだ『どこかの誰か』がコナハトだった場合は?」


 顔をしかめて疑問を呈するのはブライムであり、


「はい、そうなることも充分考えられます」


 七斗がそう即答する。三人の男達が瞠目し、レアルトラは沈黙を守った。


「僕が元いた世界では戦争目的で病原菌を品種改造して毒性を強くする研究が盛んでした。僕も概要だけは知っていますし、それに品種改造に必要な技術も――それに応用できる技術も、僕の今後の開発予定の中にあります。そういう意味では他の国よりもコナハトの方がそれをやる可能性が高いと言えます」


「……ならば、この条約の意味は?」


「この条約で手を縛られるのはムーマ、ラギン、ウラドだけじゃありません。コナハトももちろんそうです。もし未来のコナハトが暴挙に及んだなら他の三ヶ国が手を結べばいいんじゃないでしょうか」


「そんな国は滅んでしかるべきですわ。そのときは三ヶ国でコナハトを切り取り放題としてください」


 レアルトラがまた笑顔で明言。ブライムは腕を組み、唸って考え込んだ。


「雪イナゴ研究の第一人者であるドローリーンの身柄は、今コナハトが確保しています。僕は彼に、蝗害防止の技術開発をやらせようと思っていて、陛下から承認も持っています。また、これも承認を得ていますが」


 と七斗が続ける。


「他の国にもこの研究に参加してもらおうと思います。技術者や資金を提供してもらって、研究成果は各国で共有するんです」


「その裏は?」


 シュクリスの問いに七斗は「裏は何も」と苦笑した。


「ただ、もし画期的な研究成果が得られれば雪イナゴの戦争利用自体が陳腐化できます。それがなくとも、この共同研究自体が条約に次ぐ抑止力になると思います。共同研究で一国だけが突出した技術を持つわけじゃなく、技術水準が平準化すれば……」


「なるほど。自国にできることは他国にもできると」


「かなりやりにくくなるだろうな。その上で条約があるなら無理をしようとはしなくなる……」


 もちろん、かつてのコナハトや今のムーマのように滅亡寸前まで追い詰められれば何を選んでも不思議はないだろう。またブレスのように血迷った人間が指導者にならないとも限らない。だがそこまで先回りして全てを禁止するのはどうやっても不可能であり、七斗達はできる範囲での最善を模索していくしかないのである。

 結局ブライムとシュクリスは「条文の内容を精査の上で賛成し、共同研究にも参加する」と意思表示をした。残ったのはエイリ=アマフだが、


「聞く意味があるのか? ああ、共同研究の方はかつての研究者を探し出して全員参加させる」


 これで四ヶ国の賛成を得て条約成立の見通しとなり、七斗は心から安堵した。


「ああ、これでいい前例ができました。この先にもっと破滅的な技術が出てきてもこの条約を元に禁止していくことができます」


「破滅的な技術? 邪悪魔法のようなものですか?」


 レアルトラの確認に七斗は「いえ」と首を横に振る。


「あれはブレスが異常だっただけで、技術自体は破滅的でも何でもありません。僕の元いた世界にはたった一発で都市一つを丸ごと焼き尽くす爆弾がありました。この大陸でも百年先二百年先にはそれが開発されるかもしれません」


 そんなものが、とレアルトラが眉をひそめ、エイリ=アマフは訝しい顔となった。


「だが『導く者』、なぜそれを開発せずにオルゴールなどを?」


「そりゃ、今の僕の手に負えるようなものじゃありませんから」


 と七斗は苦笑する。


「今から僕がこの国を豊かにして、技術水準を高めていけば、百年先のコナハトなら全国力を投じれば、あるいは何とか開発できるもかしれません」


「今の時点ではただの夢物語か」


「ええ。ですが百年先には現実になっているかもしれません。だから今から前例を作って、そういう大量破壊兵器を禁止していくべきだと思います」


 そしてそれを言い出したのがコナハトであることに意味があった。他国よりも有利な立場のコナハトが自制と誠意を示したのだ。他国もまたそれに倣う必要があった。もしそれを裏切ったなら、他の三ヶ国によってたかって蹂躙されるだけなのだから。

 ブレスにより大きく後退した歴史は七斗の力で前へと進んでいく。その様を、七斗は今目の当たりにしている。七斗がこの世界に召喚されたのはこの日を迎えるためだったのだと、彼は確信していた。




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― 新着の感想 ―
[気になる点] >ブレスの悪行にしても二〇年間露見しなかったのはそれが自然災害と区別がつかなかったからだ。 雪イナゴをばらまいたのはムーマと鉄杖党じゃないかと思うです 時を越えたブレスへの熱い風評被…
[一言] 更新ありがとうございます! レアルトラが笑顔で、七斗がやる気に満ちていると、なぜか不安になってしまう……
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