2話
前回のあらすじ
変なじいさんにタブレット渡されて操作し終ったら眠くなった
「ふぁー…良く寝た。」
「それにしてもあれはなんだったんだろう…」
ベッドから体を起こしながら、冴えない頭で状況を整理しようかなと思ったその時。
『お早う御座います。』
「うぁー!ビックリした!」
突如女の声がしてビクッとしてしまった
「お前なんだよ!何で俺の家に…って」
「ここは一体…」
起きた直後は頭がまだボーッとしていたため気づかなかったが、自分の部屋(現実)では無かった。
ベッドは自分の部屋(現実)にもあるため違和感が無かったが、何よりもアニメとかのキャンプのシーンに出てきそうな、木の丸太を組み合わせた家だった。
『どうされました?お嬢様?』
「お嬢様?俺はおと…っ!まさか…」
辺りを見回してみるとすこし離れた机の上に手鏡が有った。
「おっ恐れいりますが…そちらの鏡をとって頂いても?」
『はい。かしこまりました。お嬢様。』
メイド服を着ている女性らしき人にとってきて貰った鏡で自分の顔を確認してみると、起きる前の夢でつくったキャラに似ていたというかそのものだった…
「マジか…」
『お嬢様。先程から独り言が多いようですがどうされました?』
「嫌…何でもない大丈夫だ。」
落ち着いて状況を整理してみよう
変なじじいに転生させてもらう夢から覚めたらこれだ…
俺はホントに転生したのか…
『そういえば、お嬢様。マース様からお手紙が届いてます』
女性は一通の手紙を差し出してきたので開封した。
「なになに…」
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友斗くんへ
新しい人生は楽しいか?
といっても始まったばかりじゃったな。
苦難が有るかもしれんが楽しんでくれ。
それと、メイド服着て赤髪の人は見ての通りメイドじゃからお主の命令には絶対服従じゃ。
かといって変な命令ばっかりせんようにな。
では第二の人生に幸あれ。
マースより
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「…………。」
「ごみ箱は…あったあった。」
手紙を丸めて放り込むのではなくビリビリに引き裂いて捨てた
「さてと、自己紹介しようか」
『いえ、私はお嬢様の事はすべて把握してますので、私の方だけさせていただきます。』
何も話してないはずなのに、何故全て把握してるのか疑問に思ったがとりあえず話を聞くことにした。
『名前はアリス・ヴィッチ。気軽にアリスとお呼びください。』
『先に申し上げておきますが、決してビッチではありません。』
『あくまでもヴィッチですのでお間違えなく』
『私は、マース様によって創られました。』
『お嬢様にお仕えするよう命じられました。』
『後の事はどうでもいいことなので割愛させていただきます。』
どうでもいいことって…
少し寂しいな…
「早い話が、俺専用のメイドって事だな」
『はい。その通りです。』
『お嬢様。差し支えなかったら一応今は女性ですので、俺ではなく私に一人称を変えられたらいかがでしょうか?』
「そうだな。」
「俺…じゃなくて私はこれからどうすればいいの?」
『とりあえず、顔を洗って服を着替えてから食事にしましょう』
「分かった」
私はとりあえず洗面所に向かい顔を洗うときに鏡を見て気づいたが、うん…服がはだけて…自分の体とはいえ目のやり場に…あのメイド良くあんな冷静なトーンで話せたな…と言っても逆に反応されても困ったが…
歯磨きセットも置いてあり磨いてから、メイドの待つリビングに向かった。
ブックマークしていただいた方々ホントにありがとうございます。
これからも頑張っていくのでどうか暖かい目で見守ってください。