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きゃぁあ!恐怖はインストールされた

今回のは多分に、多目に、不快になる、思う成分が多めです。だから、それを踏まえて……ですね、って前書きを差し込んでます。


「なぁ、なぁ。その話、うちも混ぜてぇよ」



アスミさん、今までどこいってたんです?


真紅な和服がトレードマークな肥後クマことアスミさん。

出ていった時も着ていたそのトレードマークの和服から、白いスウェットの上下姿で登場って事は汚しちゃった……か、濡らしちゃったのかも知んないし?


それに、単に楽な格好に着替えただけってパターンも無くはない……よねぇー?


とゆーか、スウェットとか持ってたんだ……。


「アスミさん、アスミさん。別にそーゆーつもりじゃ……」


さっきから妙にアスミさん、満足感たっぷりにいい笑顔を浮かべている。

なんか、わたし達の知らないとこでいいことあったのかも知んない!


「ちょっと、クマー。解散なんて話してないわよ?ねぇ?」


「うん、そうだよ。シェリルさんがわたしの話を真面目に聞いてくんない以外は、べつに危機を感じてないもん!」


「まぷちだってぇ……ウチを総スルーするぅ!!」


「笑った方がいいぞ、クドゥーナ?」


「ズズ……。クマー、不一致って言ってたかしら?……いつも通りじゃない?見てみなさいよ」


「──あ、ジョレッティー、こっちのテーブルにアルト追加でっ!」


アスミさんが加わるとみやこちゃんが急速ブレーキーをかけるみたいに場の空気が変わった……てゆーのかな、みやこちゃんとわたしの不毛な戦いが結果避けられたわけで。


ちゃっかり、追加の黒ビールなんか頼んじゃってるし。

解散、なんて言われるとわたしの方も毒気を抜かれるってゆーのか、振り上げた腕を降ろすように落ち着いて!わたし!って改めて考えられる。


強くなった気でいるけど、全然そうじゃなくて……独りじゃこの世界じゃ生きてけない…………てゆーより今までのピンチな場面をよーく思い出してみて、結論。……うん、確実に死ぬっ!


愚痴で終わればいいけど、その先に発展しようものならただのやつあたり……愚痴でもやつあたりでしかないような気もしてくる。


みやこちゃんに、擁護して欲しかっただけって思えてくる。

つくづくわたしの甘ちゃんな思考が嫌になる、反省しなきゃな……。


うわ……なんかヤな汗出てきたかも。

謝ろうかな、みやこちゃんに。


「ゴメン、シェリルさん。今、話して解決するわけでも無いのに。熱くなってて、止まんなくって」


「ん?………………ん、許す許す。わたしだって言葉選べなくって言うべきでない事もいっちゃったし……そうね……」


「コイツでチャラよっ♪」

いつっ、瞬間的に衝撃が走る。

オデコにぱちんとデコピンされた。


一瞬で、どこを見るでもなく俯いてた、わたしの視界が持ち上げられて自然とみやこちゃんの視線と重なる。


「こんなチャラの仕方ってないよぅ……えへ、へへへへ」


忘れてた、……みやこちゃんはこーゆーキャラだと、受け止めてたはず。


沈んだ表情を見せてたら物理的にそれを破壊する。

っても、悪気はない……顔を見れば解る。


普通の笑顔。

このランクの笑みなら裏に含まれてる悪意とか性質がないのは一緒にいるとわかってきた。

ジピコスやゲーテに向けるあの艶やかな微笑み、アレじゃない限りは裏は無いんだ。


そんなみやこちゃんの真っ直ぐな瞳を見てたら何故だか笑えた。

感謝しちゃった、気持ちを切り替えさせようとやってくれたんだって……そう、思えて。


仲直りの握手とか、ハグとかそーゆーのじゃないし、みやこちゃんを知らない人がデコピンされて、仲直りなんて出来るはずないし、それで何か見えない仲間の絆なんてものを感じれたんだよ。

みやこちゃんにその気はなくても。


あくまで仲間の絆であってその先は無いの、是非、発展はしないで欲しい。

そんなのになんないんだからっ!

ホントに!


その時、痛い視線を隣から感じて振り向くと……頬をぷくって膨らませてる愛那が居たりする。

何、それ。

フグの真似みたいの。


「あ、……ゴメン」




アスミさんと言えば、彼女本人に伝えてない、伝えるつもりも無い感情がある……わたしの胸の奥には!


怖い、そう……単純に見た目から、怖いって意識した瞬間から瞳をあわせられなく……なっちゃうんだよね……。


今ので、気付かされちゃったけど……わたしの心の振れ幅なんてアスミさんはわかっちゃうものなのかねー?


そう、わたしが街の冷たい視線を気にしちゃうようにわたしの怖がってるのもアスミさんには伝えるつもりなくても伝わってる、なんてことがあるんじゃないかって思ってしまうんだよ。

改めて考えると、わたしが抱くこの気持ちは、感情が……わたしに向けられた冷たい視線と何も違わないんじゃないかってこと!




アスミさんを差別しながら、わたしはわたしが差別される、比較されて下に見られてるのが心のつっかえになっててくるしいだなんて……。

とんでもない我が儘を言ってるような、無茶苦茶な……そう、例えばモンスターペアレントみたいな何がどーしようと知ったことかPT○こそ最強!クレームさえ出してしまえばなんとでもなるんだからって無理だとしても通してしまおうと、駄々をこねる困ったちゃんと変わらないのではとおもっちゃったのですよ!


それって、周りの目ってフィルターを通して見たらと考えるとですよ、


『おもちゃ、おもちゃ、欲しいおもちゃ、欲しい!』

って床に仰向けで寝そべって愚図ってる頭の足りない……、精神的に幼いちいさな子が駄々こねてるようにしか見えなくて怖い。どっから、どーみてもそーなると精神的にどーかしてるのはわたしなワケで……。


みやこちゃんに、冷ややかな態度取られてカチンと来るのはどーにもおカドチガイっ!

は、ははずかしい……っ!

わたしったら、高校生にもなって駄々っ子デビュー?!


そう思うと、みやこちゃんのチャラの始末の付け方ってかなり譲歩されてたんじゃないかとか、そう思えて仕方ないんだよ……みやこちゃんなら、キレててもおかしくない態度をわたし、取っちゃってたし?



ついつい、差別的な眼で見ちゃうけど実はそうじゃないんだよ、アスミさんに抱いた暗い感情は反省しなくちゃって気付いた。

って言ってハッキリと違うから見た目が。

角が怖い?

違う、そうじゃない。


全部、まるまる纏めて存在が怖い……小さい時から昔話とかおばあちゃんの言葉とか絵本でとか、少しずつ埋め込まれてきた感情がじわりじわりと歪んで一気に芽吹いた……うん。

よく解らないだろうけど、そーゆー事なんだよ。



継続は力なり、とは良く言ったものって今ならはっきり思える。


怖くない、怖くない、怖くない……や、やっぱり怖くないわけないよぅぅぅ……ぉ!


自己暗示もダメっぽい。

ぽたり。

思わず、ビクンと震えた。

うわぁ……、ダメすぎじゃん、わたしって……!



つぅーと額から染み出した汗が頬を伝っていく。


ダメ、だと解っちゃうとしても……怖い。


これは、そう。

アスミさん、その姿に対する恐怖。

大抵の人はそうなんだって思うよ……怖いものって刷り込まれちゃってるから、この姿を!


人間が鬼の姿を怖いって思うのは、DNAに刻まれてる……遺伝的にインストールされた拭えない恐怖って感情です。


仲間って意識してても怖いんだからそうじゃないんだよって言えないよ!


モモタロさんはその恐怖と戦って、勝ったのか負けたのかは忘れちゃったけど、凄いよ、凄い事だって今なら手離しで拍手もいくらだって出来るし、称賛だって長々と贈れると思っちゃうよ。



ゴメン!

心の中で呟きながら誠心誠意、頭を下げる。

勿論、アスミさんに向かって……でも視線は合わせられない……って、ここに至ってもダメなの?わたしって、……わたしって……!


なんや?って変な顔されたけど、こんなんじゃダメ。

ッ──ふんむっ!


視線を合わそうとしても、いざ!ってなると逸らしてしまうわたしがいる……。つい、反射的対応といいますか……。


んー……。


わりと、本格派な鬼じゃなくてこれって単にわたしがビビりって事だってあり得る?


ムムッ!


アスミさんをよくよく見ると、特徴的なとこで幾つかイメージの中でぶくぶくと膨れ上がった悪の権化そのものの鬼ってマストスタイルと、天と地くらいかけ離れているとゆーか……あれっ?


ガーン!

そ、そんな!


気付かないで良さそうな事に気付いちゃった……。


アスミさん……牙生えてない。

八重歯っぽく見える牙はあるけど、下から上へ目指して生えてないといけないあの牙の方は姿かたちも無い。こ、こんなことって……この状態のアスミさんを果たして鬼と言っていいものかな?


瞳の色や、肌の色で、額の角なんかで差別しちゃいけないんじゃないの?


それってわたしの今、納得できない部分と全く同じ……価値観の違い。

それで差別しちゃってるって事と何が違うってゆーのー?


でも、反省は出来ても怖いものは怖い。

スウェット姿の灰色鬼だけど。


ぶっちゃけ、じっとしてたら角が生えてて肌が灰色ってだけの……人間でしょ!どー見たって。

わ、……わたしって。

ヘイト系な差別だ!っていいながら差別だってしてる人たちの仲間入り……?


それって高校生としてどーなの?

そこに理性は果たしてあるのかなぁ?

そこはかとなく、……無さそうなんだよね……歪んだ感情と刻まれた本能でしか動いてないっぽく思えてくるよ……ってわたしがわたしを貶める、自虐的なループに入っちゃったから。


みやこちゃんに向かってこうお願いしたんだ。

そうじゃないと壊れてしまいそうだったよ……。


「ここにもっかい、ちょうだい!」


発散は大事だよね、思いを抱えるのいくない!


だって、幸せなことにわたしにはそれがみやこちゃんであり、隣の愛那であり、アスミさん……にはまだ打ち明けるってハードル高いよ……それは無理だけど、

悩みは自己解決させちゃダメなんだってよく解ったから頼るよ、みんなに。


自虐的ループな思考は心を追い込むだけだもん、みんなにも悩むことあるでしょ?

それは近くの人を頼りましょうってある意味で人生のアラートサインなのかも知れないよ?



よく考えて、それでも解決させちゃいけない悩みは仲良しのあの人だったり、パパやママに打ち明けると、あっさりと悩みでもなんでも無くなってしまうかも知れないよ?



だから、……頼っていいんだよ。

わたしなら、って言うと……それって押し付けになるから言っちゃいけないよね……じゃあ、どう言えばいいかな、うーん。


スッとするかもよ。

大きな問題なのは自分の中だけで、相談を受けた、打ち明けられた人には打開策があって、キミの胸の澱みが少しずつでも取れちゃうってこともあったりなかったり……?


でもね、わたしはそう思うなぁ〜、ってね?


だから、一人で抱えるのやめてみよう。

親しい人には、全力でぶつかってみよう。


キミの声に出せないメッセージはだけど届いているはずで、キミが声をあげるのを待っててくれているのかも知れないし、ねっ?



思考の海から引き上げられたのは……そのアスミさんに一言掛けられて、ビックリしてしまったからで。


「どしたん?凛子ちゃん、百面相始めてからに。あっ!あぁー、うちのこと笑わせよて思たん?

そう、やなー……、それやったらもっとこうや。こんなんや!んん……。なっ、わかたやろ?」


酷い勘違い。

どーも、口ぶりからアスミさんに向けてわたしってばあーでもない、こーでもないって表情をコロコロ変えてたっぽい。


……無意識って、逃げ道はあるけど……それって……アスミさんに見せて貰った傑作のヘン顔と張り合う出来だったり、したのかな……それって……。


とっても、とっても、とーっっってもっ!


ハズカシイ……。


き、きっと今……わたしはゆでダコ状態。

真っ赤かの茹で上がり!


ほ、ほら!

頬の方が熱っぽく、熱いようなそうじゃないようなそんな妙な感じを覚える。


ふぅぅうっ、それってどうなの?


公開処刑ってヤツ!


その後、わたしは瞬間的にフリーズ。

その場に気絶しちゃった。


みやこちゃん曰く、


「白目剥いちゃって、いつもと違う凛子ちゃん……可愛かった♪」


って……。

ヘン顔とダブるで嫌、ううん、ヘン顔よりよっぽどハズカシイ……っ!


それからのわたしは、みやこちゃんにそれを話題にされるたびにショートパニック!


冗談で流してくれたらいいけど、それを止めてくれなかった……その時は。


ぷしゅう!


フリーズする様になっちゃった……。






自○を考えてしまうことが無いとは言い切れません。

過去には、ま、何度もありました。

行動と思考が一致しないチキンだったおかげで……めでたく○殺なんて考えなくてもいい人生を送れてます!


人生をどろっぷあうとしたく思うのってあります、それって楽ですもん!

とっても楽。

思考停止して何からも逃げた先は悩みなんてふっ飛んじゃいますからね!


その時は何もかも終わってるんですって……ダメもとで親には、親にくらいは相談してそれからでもいいじゃない。

どろっぷあうとしちゃうのは。


……生中継でトんだ誰かさんのニュースを読んでから、思い付き書き留めてたプロットだったりします。


何もかも投げ出してトぶ。

そんな勇気あるなら、逃げずに解決できたんじゃないかなーって。

そう、思ったのです。



普段と違うキミ、きっと追い込まれて悩みもがくキミは周囲から気づかれていますよ。

それは。

家族だったり。

友達だったり。

ご近所さんだったり……。

誰かの目があるもの、声に乗らない声は態度とか、ちょっとした表情で見る人が見たらわかっちゃうそうです。


だからね、言いたいことは、要はね。


抱え込まなくていいよっ、てこと。




眠いので終わりにしまうす。

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