街ブラとごわ服
短いです。次の導入までの繋ぎでした
でね、タイユランの店の前。生きてたら店開けるって言ってたけど開いてないや。まあ、まだこの辺りは逃げた先から帰って来てないみたいで鎧戸やシャッターが下がったまま。開いてるお店無いものかなーと1軒1軒逐一叩いてみる。返答は無いし、人の居る気配が無い。酒場や大通りは人が戻って少しずつ活気が出てきたのに。路地の商店には開けてるお店って無いみたいだ。そう諦めて路地を奥に抜けようと歩いてたら前から見知った格好の人達が歩いてきてかち合った。あちゃあ、酔ってないといいけど、警備隊の誰かさん。
「よう。氷トカゲを退治したんだってな。」
「見てただけだよ、わたし。ヒールしか無いから。」
タイユランのとこを覗きたかったのもそう、路地のお店を見たかったのも単にわたしが役立たずだと痛感したからだ。シェリルさんに絡まれるのが嫌なのも絡まれた先で言い返せない、役立たずだから。わたしに1撃必殺の技があればなあ。言い返せるのに。
「・・・ヒールだって立派なもんだよ?」
「どもです。効果も今一つですから。」
明らかに掛ける言葉を探した、警備隊の誰かさんは目が泳いでから、そう言ったのでお世辞とわかる。ベイスさんによろしくと言って別れた。その背に、
「ヒールがなきゃバイタルずっと飲んで無きゃなんねーだろ。」
「お仲間だって助かってる筈だぞ。だから、こんなとこいねーで宴にまざらねーか。」
エールをくれてるんだろうか。いやまあ、ちょっとね、心にクるものはあったよ。だから、振り替えってお礼を言って後なんだか照れ臭くなっちゃってその場を走って逃げちゃった。宴に混ざらねーか。か、混ざれねーよー。今顔真っ赤できっと、シェリルさんにヘクトルに茶化されるよー。ありがとう。警備隊の誰かさん。
路地を奥に突っ切るように走って気づいたら大通りで開かれてる市の端に出てしまう。決して大きくない市のテントから賑やかな談笑の声や売り子の客引きの口上が聞こえてくる。市だー、人が帰って来てるの実感するなあてしみじみ歩いてたらその内の1つに目が止まって足を止める。これ革かぁ、でも縫製がちゃんとしてて可愛い。いいなあ、でも値段も50000グリムかいい値ついてるなあ(泣)
目に着いたのはワンピース、革製。そもそもこの世界柔らかい生地の布がとても貴重。今の普段着は男女フリーの黒地のドラム缶みたいなごわついた服で腰をぎゅっと帯で締めて着る。このごわ服よりも革製品のか少し高いけど着心地はいいみたい。シェリルさんはそもそもごわ服を断固拒否して着ないし。ヘクトルとお揃なのも何か変だけどもっと嫌なのは警備隊の誰かさん達も寝起きは皆これってこと。つまり、パジャマで歩き回ってるみたいな。わたしは、パジャマ持ってるから勿論着替えるけど?
こんなにグリムで困る事になるなら、フレに誘われた時くらい真面目に狩りに付いてくんだったね、そしたら50000グリムくらい・・・しかも、これ石鹸も貴重らしいからさ。なんか臭うんだよね。はあ、困った。二人は成金だってわかってるけど、石鹸が安い高いじゃなくてカルガインにある数が少ないだけらしいから余計だ。買えるんならヘクトル辺りに頼んで、嫌だけどさ。そこはそれ石鹸は必需品じゃん。ヤな臭いが自分が発生源とか嫌、絶対いやーあぁぁ・・・
なんだっけ?クエスト真面目にしてたら成金になったって言ってたよねヘクトル。やろう!背に腹は変えられないって何か違うけどごわ服で歩き回りたくない、むしろ着たくない。せめて革の服でいい、可愛いのは高いから。ごわ服脱出の為に。クエスト探そう。・・・って市を離れて大通りを北に向かって歩いてるけど全くクエスト見つからない。酒場にあるのはわかってる。けど、酒場で依頼受けるのは酒場に回されてくるのは1日2日で達成出来るものじゃないじゃない。そんな事わかりきってる、わたしは御手伝い程度のお使いみたいなクエストを探してたんだ。お使いありませんかー、初心者でも出来ちゃう簡単なものでいいんです。むしろ簡単な御手伝いしか出来ないです。ふう、なかなか落ちてませんね、クエストって。
そうやって脳内劇場絶賛公開中・・・絶賛後悔ちうだった時だ。困り顔の革の服を着た立派な髭を蓄えたおぢさんが突っ立っていた。ここは大通りを過ぎて北の広場に近い、見ると縫製商店らしい。これはフラグじゃない?何か素材が急に足らなくなったとかそんなじゃん?
「何かあったんですか?」
シメシメと思ってたんだ。話を聞いちゃって後戻り出来ずに誰かに頼れないのに、安請け合いしちゃったかなあ。って後悔するのに。
ごわ服いやあー!!!わかる、ポリエステルとかポリエチレンがあってホントに良かった。。。麻ってたまに着るのはいいけど毎日はヤーよねえ。。。てことで次クエストです。一人でお使い、御手伝いです。グリム欲しさに頑張りますよ