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歓迎会と言いながら凛子を囲む会〜※まだ、お昼です〜

どこまでもマイペースな愛那はニコッて笑って、三本の指を立てて返事する。

それを見てアスミさんも笑ってた、同じ様にニコッて。


「鬼がレアなのは解った、……うーん」


ぐーちゃんはってゆーとね、頭の上ではてなマークとかクエスチョンマークとかってゆー、あれがぐるぐる回ってるぽいの。

正しい名前はエクスクラメーションマークて言うんだっけ?


「……ま。よろしく。」


あ。気にするのも、考えるのも一瞬でやめちゃった。

そう言ってぐーちゃんは、アスミさんにつかつかとニコニコ笑顔で近寄り、ひしっと抱きつく。

近くに居た愛那も抱き込んで。


今のようにぐーちゃんが、直ぐに抱きつく様になったのはフィッド村で子供たちと仲良くしていた時に、


『仲良くしたい人、仲良しの人にはこうやって抱きつくんだよ』


って毎日のように抱きつかれて教えられたぽくって。


直接会った事は無いと思うからよく知らなくって、愛那なりぐーちゃんなりに聞いただけのイメージ先行なんだけど、ぬいぐるみなぐーちゃんより少し大きなくらいってぐーちゃんは言ってて、愛那は『セフィス? ……そだねー、セフィスはー。ぐーちゃんの倍くらいでー、喜怒哀楽ぅ? 表情がコロコロ替わってー。でもデフォが笑顔な、とっても明るい、かわいー子だよー』って言って教えてくれた。


まだ小さいらしいんだけど積極的だなぁー、セフィスって子。


わたしが小さい頃、そのイメージ先行なセフィスくらいの頃は、同じクラスの同年代の子には普通に話せてたって思うけど、……一年上とか知らない子ってなると壁を作って人見知りしてたなー、唯一話せたのはその時にはもう知らない仲じゃなかった近所のお姉さん、葵ちゃんだけだったなーって。


どうしてか思い出しちゃった、葵ちゃん今ごろどうしてるかな?


ぼっちになってたりしたら可哀想かも、わたし居なくて、それで・・・寂しい想いさせてたりしたら。


と、そこまで考えて。

わたしが居ないって事を、わたしと遊べない事を寂しく想ってくれてるって事はわたしって存在が、葵ちゃんにとってそれだけ大切なんだったんじゃないのって思えて、寂しがってくれてるといいなって思い直した。


そうだったらいいなって、この想いが! 葵ちゃんにも届きます様にって……願った、自己中と、我儘と、思い上がり? かも知れないけど。


遠い遠い日本を、故郷、地元の事を思い出しちゃった。

ちょっとニヤけてる?


だってしょうがない、いいなって、そうだったらって・・・思ったんだもん。






わたしが遥か遠い彼方の存在になってしまった、日本を思い出してニヤけちゃってた間に、アスミさんを囲んで4人で和気藹々としてたぽい。


仕方ないかも知れないけど、それって何か寂しいよ。


『どーぞーおっ。』って愛那がジュースをアスミさんの握ったグラスに注いでたり、ぐーちゃんと京ちゃんが左右から同じ顔して愛那が取り出したタッパの中から肉っぽいのや野菜っぽいのを、『ほら、これも食べてみ?』とか、『クドゥーナが焼いた(ロースト)は美味いんだぞ?』とかってアスミさんの口に運んでるの見るとね、


わたしも混ぜてー!


ってなる。

なって当然と思う、だって。

わたしだってパーティーの一員なんだもん。


なんか突然だったけど、『歓迎パーティーみたいね?新歓コンパ、・・・ってわからないか、わたししか。』って、そんな京ちゃんの何気無く口から出た言葉をきっかけにアスミさんの歓迎会、歓迎パーティー、新歓コンパ?何、それって?


新歓コンパは解らないままだけど、そんな感じで、その場の流れでアスミさんを囲んで5人の歓迎会が始まったんだ。


「それじゃっ、クマーの歓迎とっ、グラクロとクドゥーナの再会を祝しましてー! かんぱーいっ──」


頭の上に掲げたグラスが五つ、カチャンとぶつかって賑やかな宴が始まる。


「おねーさんっ、モリスナ追加! ボトルで!」


歓迎会とか言っても、京ちゃんが楽しく酒を飲みたいだけなの知ってるんだよねー。

オーダーを取って、ふにょふにょとS字を空に描くみたいに動くウェイトレスさんの尻尾を瞳で追って、愛でながら思う。


まだ、……夜じゃないよ、お昼なんだけど。


ぐーちゃんや、アスミさんがテーブル一杯に並んだ、クドゥーナの作ってBOXに放り込んでいた料理に瞳を爛々と輝かせて、


「ウマーッい! クドゥーナの作る料理はさいっこーだな。」


「んー! こっちも美味いやん! こっちも! こっちもや!」


と、がっついてるのを横目に酔ったフリして、


「わたしの酒は飲めないってゆーの?」


「……ち、違うもん。誰の酒も飲んでないし!」


テンプレの酔っ払いの真似して絡んでくる京ちゃん。


おっきな樽一つ飲み干しても酔って無かった京ちゃんが、小悪魔の微笑みを浮かべながら酒を薦めてくるんだけど、これには身の危険感じちゃう。


「シェリルぅー、レズっぽーい! いっつも、凛子にべったりだしーい?」



そんな言葉、言わないで愛那ー!


「レズ、って……こーゆー事しちゃう事かしらぁ? うりゃっ!」


「いやぁーっ!」


「育ってないねーぇ? 揉んでるの? 揉み方がー、足りないんじゃないー、ねぇ、シェリルーぅ? 揉み揉み」


「あ、っく……クドゥーナ……、調子に乗らないのーっ!!」


揉まれた。

京ちゃんと、愛那に前から後ろからこれでもかって!


胸のふくらみの中心のちょこん、と出てる蕾をクリクリって中指と親指の指先で転がされて。

シャツの上から的確にダイレクトに。


こんなの、二人のオモチャにされてるみたいで、ヤだ。

ん?

でも、真面目に揉まれたって良いわけじゃない。


それはそれで受け入れられ無い、恥ずかしいなんてレベルじゃない……それって京ちゃんの気持ちを、京ちゃんを受け入れて……レズるってコトでしょうがーっ!

考えてる内に、わたしの思考まで京ちゃんと愛那に侵されてるって気づいた。

『揉まれたって減らないよー? それよりぃー、増えるよー♪』よく愛那はそんな風に言って揉んでくる。

違う。

減らないよ?

増えるよ、ううん、増えたりしないよ……気持ちが、心の奥が汚れてくだけだよ、感覚に流されて後戻り出来なくなるみたいに、汚れた心がゆっくり積もるみたいにわたしを占拠してくんだ、まるで雪でも降るように、真っ黒な。


『おっきくしてあげるわよ? 気にしてるんでしょ! うりうり♪』愛那とは違って京ちゃんは、わたしが気にしてるのを知っててそんな言葉でふざけながら揉んでくる。


気にしてるよ。

そりゃあ、女の子がぺったんこじゃ魅力負けでしょ?


気になる男子に告白も出来ないのも、このぺたんこのせい、自信が持てないのも全部、ぜーんぶ! 育ってくれない胸のふくらみのせい。

って……廻りと比べなくてもふくらみ、無いんだけどね……。

思うだけで鬱になる、あー! 鬱、鬱、鬱、鬱だー!


ノーマルなんだもん、ノーマルでいたい。

それでも敏感な感覚は『触られたい』ってわたしに訴えてくるんだ。

だから、壊れちゃうかも、わたし。


お酒が入ったからかも?

頬が、顔が熱い。

熱をもって、脳を焼く。

ボーっとしてきた。

ヤだな。

嫌なコトばっかり考えてるわたしが嫌。

ぱぁんって両頬を叩いて思考をリセット。


……今考えてるコトを忘れることにしたんだ、わたしの守りたいものをわたしが壊してしまいそうに思えたから。


「うち、お酒アカンのに。混ぜてしもてはる、飲めん。凛子ちゃん、飲んでや。悪いなぁ。」


コトっとわたしの目の前にグラスを置くアスミさんの指先、手のひら。

わたし、飲めなくは無いけど未成年だし……アスミさんとはわたしの学年も話してお互い知ってるでしょ?


混ぜたのはさっきアスミさんのグラスに、『どんどん飲んでいいわよー。』って言ってジュースを注いでたけど、悪い笑顔を浮かべてお酒も注いでた京ちゃんの仕業だし、


「責任とって飲んで、京ちゃんのっ。はいっ!」










ヴィシャス「ガサガサ(メモを取り出して目を通す)何々、……ベベベ団の活動は今回中止です。……、ですって。どうします? ビ様」


ビ様「ガタッ(コタツから立ち上がり、皿を取る)オイラ、特に何にもしてねぇしよお。ヴィシャス何かやっといてよ、ゴソゴソ(再びコタツ座る)」


ヴィシャス「いや、ですから。ね? 活動中止なんです、今回は。」


ビ様「なんだ、しょうがねえな。こっちきてヴィシャスも入りなよ。(コタツの台を叩いて)」


ヴィシャス「じゃあ、お邪魔しまっす……(コタツ布団を捲り、座る)」


ビ様「ま。ぶっちゃけよ?(皿の上から串を取りつつ)」


ヴィシャス「はぁ、……何ですか?(ごろっと寝転がる)」


ビ様「デュンケリオンは常夏だから、むぐ。(串肉を頬張り)コタツとかあちぃだけだよなぁ?……んぐんぐ」


ヴィシャス「ですよねぇ、……ではまた次回お会いしましょう。」








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