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アスミ、二人を紹介される


まだ寝てたんだ・・・?

振り返ると、関西訛りのアクセント入った言葉を使う声の主、アスミさんがふわわ〜!とアクビを漏らしながら、つかつかとゆっくりした歩みでこちらに近付いてくるところだった。


その姿にぽかーん。

パジャマ変わりにしてるのかも知れないし、起きて寝惚けた状態で着たのかも知れないんだけど、はだけたままひとまず帯を締めて現れたってカンジ。


「それより、あちこち見えてたり見えそうになってるけど?いいの?」


目に留まったのは、アスミさんが踏みつけてもおかしく無いレベルで地面に擦れていた、帯や着物の裾。


胸も少し見せる、下半身もわざとやってるのかって程、下着がチラリ所じゃなく見えて、帯を結んだ辺りで捲れるよーに折れてて、健康的なアスミさんの太ももまで見えてるくらいにはだけてる。


ゆっくり。

わたしの声にアスミさんは自分の姿を確認する様に視線が下に落ちていく。

ゆっくり。

帯や胸もとや太ももまで触ってから、顔を真っ赤に染める。


「××××ーーッ!!!」


気付いてから、サッ、サッと焦り慌てまくり、帯を巻き直して声にならない声を出し、着替え直すアスミさん。


「・・・何をやってんのよ、クマー・・・。」


「シェリルさんは、人の事言えないからっ!下着で降りてくるじゃん・・・。」


京ちゃんが呆れた様なトーンで、アスミさんにそんなので思わずジト目になった。

今日も下着とあんまり変わらない、シースルーのワンピース・・・なのかなコレって、中も上は際どいチューブトップ的なので何かのコラボキャンペーンが入ったプリントTシャツ、下には黒革のタンガ、いつものだ。

ネグリジェや、ベビドールの寝間着で降りてくるよりマシで、なんとか見れるけどアスミさんに注意するのって何か、違う気がする京ちゃんの今の格好。


「×××!・・・×。」


わたしのツッコミに京ちゃんが、何か言おうとしてそれを飲み込んだ。

少し頬を膨らませてから不貞腐れた様に舌打ちをして、グラスを掴んでグイとあおる、それはまるで法事にきた遠方の親戚で、足遠くなってる事をたしなめられた時の酔っ払いを見てるみたいですホントに。


性格おぢさんとか、外見は、下手なモデルやアイドルよりよっぽど目を引く美人なのに勿体無い、ホントに勿体無い、ホントに勿体無い、大事な事だから二回繰り返したくなる。


わたしの言った事がそのものズバリ、正しいと京ちゃんも認めたのかも知れないし、『後で見てなさいよ』とこの場では大人しく退いたのかも知れないし、それに深い意味は無いのかも知れないし。

後で酷い事をされる、ま、普段と変わらない・・・うん、寝てる隣に来て寝込みを襲われるとかだったりかも知れないんだけど、やっぱり普段と変わらない・・・うう。


「どうなん?直ったやろ。」


声がして、視線をアスミさんに戻すといつもの深紅の着物姿をしたアスミさんがすぐそばにまで来てて細かいチェックをしてるとこで、アスミさんと瞳が合ったわたしが頷くと『そか♪』と返してから、わたし達の座っていた丸テーブルに余っていた椅子に座る。


いけないいけない。

苦笑いを浮かべたまま、改めてアスミさんの方を向き、愛那やぐーちゃんに今はアスミさんを紹介しないと、って思い直した。


「あ。愛那、こちらは肥後クマこと、アスミちゃん。で。アスミちゃん、こちらクドゥーナこと、愛那。」


視線を愛那に変えるとキラリ、と碧眼の双眸を輝やかせて愛那はにこっと笑う。


「この、シェリルさんと同じのは色々長い名前なんだけど、ぐーちゃん。」


次にぐーちゃんに視線を向けるとぐーちゃんと瞳が合い、黄金の瞳が爛々と輝いたかと思うと愛那みたいににこっと柔らかく微笑んだ。


「凛子ちゃん、説明サンキュな。ウチ、クマーとかアスミちゃんとか呼ばれてるわ。どっちのんで呼んでくれてもええよ、よろしゅーに♪」


「あ、ああー。キャラ被ってるしぃー。うちはクドゥーナ。宜しくね。」


「お・・・わたしは、グラクロデュテラシーム──」


すると二人を順繰りに視線で追ってから、自己紹介を兼ねて簡単に挨拶をするアスミさん。


アスミさんが挨拶し終わると、愛那はアスミさんに思うとこでもあるぽく、少し含みのあるトーンで『てへぺろ』をして見せて返し、ぐーちゃんはと言うとアスミさんの瞳を見詰めながら、おきまりの5分は続くんじゃないかって自己紹介を始める。


長い。

ダントツでわたしの知ってる最長の自己紹介をぐーちゃんは終える。


「──オリテバロー。竜だ。宜しく。」


「竜?竜なんか、そか・・・竜?見えへんなぁ?シェリルそっくりやわ。」


「ウチもレアなんや。鬼族のんわ、なかなかおらんのん違う?」


竜と名乗ったぐーちゃんに少し驚いたぽい表情、瞳が一瞬カッと開いて片眉が引き上げられる、でもすぐ、アスミさんは落ち着きを取り戻してにまーっと笑い、言葉を続けた。


「ほえぇー。鬼、・・・って鬼ヶ島のぉ?」


アスミさんの言葉に食い付いた愛那は、ジロジロとアスミさんの灰色の肌を見てから触った、手を伸ばして、席を立って。


わたし的にそこまでしなくてもって思うけど、珍しかったりするのかも知れない愛那なりに。


「せや、たぶんな。ちょっとぉー?くすぐったいわ、そこ。」


「ドラバニアとかぁ、ヴァンパイアとか! レアなの見たけどー。鬼って見たこと無い気がするー。魔人とも違うしぃー。」


ほら、そんなに愛那が触るからアスミさん、時々びくって震えてくすぐったがってるじゃん。


そんな愛那は悪いと思う様子も無く、顎に手を当てて『う〜ん』って唸ってから感想を口にした。


愛那が口に出したドラバニアってゆーと確か、竜と人の半分したみたいな種族で……結構レアなんだけどたまたま、わたしはゲーム中に会ってて話した事もあるから知ってる。


もう1つのヴァンパイアはチュートリアルでも見たけど、物凄くタフで強いんだ……けど、陽の下じゃ実力を発揮できなくてダウンするって説明あったっけ。


気になってはいたけどだから、ヴァンパイアは選ばなくって結局悩んで無難なニンゲンに落ち着いたってワケ。


「ウチも、実はそうなんやー。よそで鬼、……見たことあらへんのよ。」


「レアの星、みっつッ!って感じ。」


するとアスミさん、おずおずと言った感じで後ろを振り返り愛那に答える。

着物を着ているアスミさんの灰色の肌に触れるってことは、露出している場所を触った、または捲って触るって事で愛那は。


アスミさんのうなじや手の甲、掌はまだ良かったと思うんだけど・・・、おもむろに着物を捲ってふくらはぎの辺りも触っていたからビックリしてるぽかったよ。

思ったんだ・・・、それはスカートを捲るのと同義なんじゃ無いかなって。


そんなこと嫌らしげな笑顔を浮かべて、ニマニマしてる愛那がするからアスミさん、一瞬かあッて顔が真っ赤になってたし、恥ずかしかったんじゃ?








週2万文字以上書けてたことが嘘みたいに書けない……眠くて……、疲れかなぁ。

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