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デュンケリオンは毎日がお祭り騒ぎ!





「ははは・・・、アスミちゃんの女の子らしいとこ見れてちょっち嬉しい、かも。」


「まるきり、男子ぽいのよねー、クマは。素材はいいのに、むぅー。」


「京ちゃんの女の子レーダーに反応しないわけだ。」


門の手前で邪魔にならない脇の茂みに座り込んで駄弁る京ちゃんとわたしの二人。


目の前を行き交うヒトや、荷馬車を視界に捉えたり、視界の端から端まで見送りながら。


通用門と言ったって、さすが大国の首都、ヒトの列が途絶えたりしない。


門兵が居ないから、チェックの一つも無くスムーズに視界に入っては門の中に消え、また門の中から現れては視界の外に流れていく行列は川の流れのよう。


「ん、そゆことにしてクマは放っとこ。わたしたちはー、ショッピングに行こー。」


「あ、ちょっと。引っ張らないでー!!」




えり首を掴まれて、格好は白ずくめなまま歩き出すわたし。

対していつの間にか異形の鎧を脱いで、ピタピタの革の服?ビキニって言えなくも無い、露出高めな黒い衣装に着替えてる京ちゃん。

黒いビキニの上下に、黒いコルセットに、黒いゴムみたいな光沢のある膝下タイツに、同じ素材の肘までのグローブ、カエル皮製のアレ。


ズルい。

露出高いのはしょーじき、嫌だけど。

白ずくめで汗ばむ今の格好はもっとイヤ。

とりあえずマントとか、フードとか、汗ばむ理由っぽい衣装を脱いでアイテムBOXに仕舞っていきながら、前を進む露出狂を念を込めて睨む。


ズルい、ズルい、ズルい、シャワーしたい!


えり首を掴むのは止めて貰って、手を引っ張られて付いていく。


「この串焼きウマい。」


「愛那のギルマスがこの街──デュンケリオンでやらかしたからかなぁ?屋台、一杯。」


「ん、そーかもだし。違うかも。ンムっ、元々おーきな街なんだしー?屋台、カルガインでも良く見たでしょ?んぐんぐ。」

通用門を通りすぎると、もういきなりゴミゴミした、縁日でもやってるのかってくらいに色々な屋台が並んで、行き交う旅人の財布を軽くしている。


カルガインでもそこここで屋台が並んでたけど。

ここ、デュンケリオンでは全く違う、とにかく、その規模が。


えーと、通用門を抜けたばかりなんだけど?

それでこれ、って。


門を入って真っ直ぐ。

遠くに給水の為の橋、水道橋が見えるんだけど。


その水道橋の下の方まで、通りの左右を埋め尽くすように屋台が並んでいる。

屋台が並んでいるのは石畳の上、そこは荷馬車や乗車用の馬車などが走るために整備されてるんじゃないかな?

屋台が出てても馬車二台くらい余裕で通れそうだけど。


屋台の裏には白い煉瓦敷きの歩道があって、更に歩道の後ろには壁だったり、商店だったり、家だったりが建っている。


そのどれもがやっぱり日本風でなくて、ファンタジーの大都市って感じで石で建てられてたり、煉瓦作り。

そして、雑多な印象を受ける、どの建物も統一感が無くて明るい緑色のとんがりが付いた茶色の三角の形の屋根があると思えば、その隣はどれも灰色で城壁のような屋根かと思えば、その隣は建物それ自体が円錐の形をしていたりとバラエティに富んでいる、良い意味で雑多だ。


京ちゃんに引っ張られて付いていく最中で、その円錐の形の建物の前を通る。


高さは3階建てくらいかな?その周りは5階くらいあったり、1階しか無い建物だってある。

改めて思う、雑多だなって。


そんな統一感が全く無い街の屋台で、買い食いするわたし達。


門もまだ近いこの辺りを行き交う人種も街の様に雑多そのもので、エルフっぽいのや、ドワーフっぽいのや、モンスターと人間が交ざったようなのも歩いてる。


その他はケモ耳。

とにかく沢山、犬や、熊や、狐や、狼や、猿とか鹿っぽいのや、何らかのケモ耳と尻尾を生やした獣人が多い事、多い事。


雑多な人種のるつぼって意味じゃ、どこかしら日本の近くの大国にあるどっかの都市を思い出す、行った事は無いけど。

TVで見たイメージとか、そんなフィーリングとか。



屋台で売っている料理とゆーか、品物とゆーか。

焼き鳥の様に串に刺してタレを付けて焼いただけの肉串とか、名前の知らない野菜がゴロゴロ入った焼そばみたいな麺料理とか、パンケーキみたいなペラっとしたパンに調理した肉や、野菜や、香草を挟んだトルティーヤ的な何かとか、串にパンケーキ的のを刺してタレを着けて炙っただけのとか、他にも色々。

そんな中で唯一統一されてるのはタレ、かな。

濃い薄いの違いくらいで。


京ちゃんに聞かされた話だと、このタレこそ!

このデュンケリオンにそれ以前の味を、かき消してしまったメサイアの売り歩いたタレなんだって。

確かに。

懐かしい味かも。


それに甘辛くて鼻腔が擽られる、食欲をそそる堪らないこのタレの匂い。

お○みソースとゆーか、○○フクソースとゆーか。


「あ。うーん、・・・味が天と地と違うってば。」


カルガインと、今の屋台を比べたらだけど濃い薄いの問題じゃないもんね。

ここの味を知っちゃった今、カルガインの味は食べれるだけマシって感じかな。


「ここと、カルガインとじゃ賑わいかたがぜーんぜん違うしね。」


そう言って屋台の列に、ごった返す人混みに向かって振り返る京ちゃん。

解る。

釣られてわたしも屋台の列に振り返る。


「通りに出てるの、全部食べ物の屋台だもん。通りの数も違うかもだけど、この縁日みたいな屋台が生活出来るくらい儲かってるってことなんじゃないー?」


水道橋の下の屋台はかなり小さく瞳に映る事から、あそこまでかなり遠く、離れてる。

それだけの距離を、屋台の行列が通りを埋め尽くしてるんだから、その様相は気にせず歩いていたら不意に縁日にでも出会した、そんなカンジ。

色とりどりの国旗の列や、提灯こそ無いけど、立派な縁日と思えば頷けちゃう。


この数の屋台が生活してけるだけ儲けてるんだから、住んでる人の数だってカルガインとは違うんだ、やっぱり。


屋台の周りと歩道は言うに及ばず、馬車用に舗装させた道にまでひと、人、ヒトの波が押し寄せ、そしてさざ波の様に穏やかに変わる。


「そだね。食べ物以外にも興味アリッ!次、隣の通りに行ってみよーよ。」


くるりと振り向いて見せ、そう言って可愛く、ニッと真っ白で綺麗に並んだ歯を京ちゃんは見せて笑う。


すると振り返った時、艶髪の一本一本から光が煌めき立った様に輝いて見えて、一瞬。

ほんの一瞬。

わたしの周りだけ、時間が遅く流れるみたいにスローモーションになる。


──美しい。

そんな事を思えば自然と溢れてきた唾液を、ゴクッと飲み込んで奥に押しやる。


「そんなキラキラした、京ちゃん見てると大人に見えないよね。」


にへらと薄い笑いをうかべると京ちゃんのつぷりと刺す様な、それでいて凍り付く様な冷たい視線がわたしの視線に絡み付いた。

カァッと見開かれた金色の瞳が見入ってくる。


「──へ?それ、どっちに取ればいいの。ディスってる?もしか。」


突然の笑顔にドキリとした。

どの言葉が京ちゃんをそうさせたのってわたしには解らない、だけど。


婀娜っぽく笑うその表情と、蠱惑的な金色の瞳で当てられて背中がぞわりとする。

京ちゃんに恐怖?

そんな事全然無い、とは思ってるのに俯いちゃった、視線を反らしちゃった。


「──え?ぜーんぜんそんな事無いよっ!京ちゃんはスッゴく可愛くて。頼りになって、それに・・・」





予定よりだいぶ遅れてしまっ・・・


あう、ホントなら1時には書き上がって・・・


ざれ言ですね、今から頑張るます、

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